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嫌われ者のお世話係
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執事長のマイクは8時きっかりに談話室に姿を現した。
彼の後ろにはリンリーと変わらぬ年頃の女中の姿があった。
「執事長、おはようございます」
「おはようございます、リンリー。彼女はセオ。アッシュ様の侍女です」
「よろしく」
「よろしくお願いいたします」
変わらない年頃なのに上級使用人である侍女になるとは、セオはよほど優秀なのだろう。
もしくは、爵位ある家の生まれなのかもしれない。
彼女の働きぶりを見て勉強し、その技術を習得しなければとリンリーは意気込んだ。
「部屋までの案内や業務内容については、セオから聞いてください。セオ、後は頼みましたよ」
「承知しました」
マイクが立ち去ると、セオは気怠げな声でリンリーを促した。
「それじゃあアッシュ様の部屋に案内しますね。行きましょう」
「はい、よろしくお願いいたします。セオさん」
使用人棟を出て、渡り廊下で繋がっている伯爵家の本邸へと入った。
入ってすぐ右に曲がると使用人用の食堂があるが、そちらには用がないので左に曲がる。
曲がってすぐに使用人用の階段があり、3階まで上がった。
階段を上りきって左の突き当たりが、伯爵家の第二子であるアッシュの部屋だそうだ。
日当たりの悪いこのエリアは、本来は物置部屋になっているはずである。
実際、階段とアッシュの私室の間にある部屋は物置になっている。
「――はぁ…」
部屋の前で立ち止まり、セオは深いため息を吐くと意を決した様子で部屋の扉をノックした。
そして声もかけず、また中にいる主の返答を待たずにドアを開けた。
リンリーは驚いた。
声もかけずに勝手に部屋に入るのは無礼な振る舞いだと教えられていたからだ。
「…くさっ…。アッシュ様、新しい侍女を連れてきました。今日から彼女があなたのお世話係になります」
セオは無遠慮に袖で口元を覆って言う。
汗臭く、カビっぽい臭いが鼻についた。
長らく掃除されていないのだろう。部屋の隅に埃が溜っているのが見て取れた。
ドアの正面にカーテンのない窓が1つだけあり、部屋の唯一の光源となっている。
リンリーの部屋の3倍はあるようだが、家具はベッドと机しかなかった。
ベッドの上には何やら、黄ばんだシーツの塊があった。
ドアの左横がクローゼットになっているようだが、戸は閉まっているので何が納められているのかはリンリーにはわからない。
(…これは酷い。アッシュ様は育児放棄されているということなの?)
朝食の席で同僚から哀れみの目で見られたのは、このことだろうか。
信じられない思いで見ていると、ベッドの上の塊が動いた。
「…誰…?」
シーツの隙間から何かが覗いている。
か細い問いかけに、セオが舌打ちをした。
「――チッ…。彼女はあなたの侍女になったリンリーです。今日からあなたの世話はすべて彼女が行います。いいですね」
セオの言動は、とてもじゃないが主に対して行って良いものではない。
唖然とするリンリーをよそに、シーツのお化けは頷いた。
「わかった…」
「――はぁ…。リンリー、後は貴方に任せるわね」
「えっ!え、ちょっと待ってください!私は業務内容について何も聞いていません!」
帰ろうとするセオを慌てて引き留めた。
「あぁ、不快すぎて忘れてたわ」
(不快って…アッシュ様の前でなんてことを言うの…)
侍女は下級侍女の上司である。
直属の上司の暴言を聞き、リンリーはセオに対する不信感を募らせた。
「侍女の仕事は、主の身の回りにお世話をすること。外出するならお供するし。屋敷内で快適に過ごせるように整えてあげるのよ」
(全然整っていませんけどっ!?)
アッシュの部屋はどうみても快適とは言いがたい有様だ。
「アッシュ様の場合は食堂でご飯を召し上がらないから、死なないように部屋に持って行ってあげてね。それじゃあ――」
「いやいや!まだ帰らないでくださいよ!」
帰ろうとするセオを必死で引き留める。
こんな会話をアッシュ本人に聞かせるのは心苦しいため、いったん部屋の戸を閉めた。
階段の方まで下がってから話す。
アッシュは虐待されているのか――などと直球で質問することは憚られたので、業務内容について確認することにした。
「えっと…アッシュ様の身の回りのお世話をすることが私のお仕事になるのですよね?」
「そうよ」
「お世話って言うのは…お食事をお部屋にお持ちすること、お部屋のお掃除、寝具の洗濯とか…で合っていますか?」
「そうね。その辺になるかしら」
「えっと…アッシュ様の一日のスケジュールはどうなっていますか?」
男爵家で働いていた時に、貴族の子は幼い頃から勉強を始めるのだと聞いた覚えがある。
家庭教師が来るらしいから、その時間も把握しておかなければならない。
そう思って聞いたのだが、セオは「何もない」と言った。
「…え、何もないんですか?お勉強する時間とか…」
「ないわよ。アッシュ様は一日中、お部屋にいるのよ」
「……」
リンリーの頭に『引きこもり』という言葉が浮かんだ。
「あー、あと重要なことを忘れていたわ」
「何でしょうか」
「アッシュ様を、伯爵家の皆さんに近づけないこと。特に、第三子のビビアナ様に近づけてはダメよ」
「…はい」
家族なのに近づいてはいけないのか。
もしかするとアッシュ様は、伯爵家の皆と血が繋がっていないのだろうか。
「あぁ、これでようやく解放されるわ。貴方が来てくれて本当に良かった」
どういうことかと首をかしげるリンリーに、セオは嬉しそうに言う。
「私ずっと侍女を辞めたかったんだけど、代わりにやってくれる人がいなくてね。執事長がアッシュ様付の侍女の給料を上げてくれたんだけど、それでも誰もやりたがらなかったのよ。
仕方ないから私がそのまま侍女を続けて、最低限の食事の配膳だけやって後は食堂で皿洗い女中として働くようにしたの」
「…そのことって執事長は…?」
「もちろん知ってるわよ。執事長だって自分がやりたくない仕事を部下に押しつけているんですもの。サボって遊んでるならクビでしょうけど、他の仕事をやってるんだから怒られることはないわ。
異動願いはずっと出してるんだしね」
まあとにかく、とセオはリンリーの肩をぽんと叩く。
「嫌になったらすぐに執事長に言いなさい。運が良ければすぐに配属を変えて貰えるわよ。もし異動できなかったら、食事の世話さえしておけば、洗濯女中とか皿洗い女中として働いてても文句はいわれないわよ。私みたいにね」
「…はい」
「じゃあね。後はよろしく~」
セオは足取り軽く階段を降りていった。
「……」
なんだか気分が悪い。
いろんな家族の形があるのは理解しているつもりだった。
高位になるほど貴族は家族仲が良くないと聞いたこともある。
だが前職の男爵家の家族仲が良かったこともあり、ここまで酷い事があるとは思わなかった。
(とにかく、アッシュ様にご挨拶をしなければ…)
リンリーは一息吐くと、気を引き締めてアッシュの部屋へと向かった。
彼の後ろにはリンリーと変わらぬ年頃の女中の姿があった。
「執事長、おはようございます」
「おはようございます、リンリー。彼女はセオ。アッシュ様の侍女です」
「よろしく」
「よろしくお願いいたします」
変わらない年頃なのに上級使用人である侍女になるとは、セオはよほど優秀なのだろう。
もしくは、爵位ある家の生まれなのかもしれない。
彼女の働きぶりを見て勉強し、その技術を習得しなければとリンリーは意気込んだ。
「部屋までの案内や業務内容については、セオから聞いてください。セオ、後は頼みましたよ」
「承知しました」
マイクが立ち去ると、セオは気怠げな声でリンリーを促した。
「それじゃあアッシュ様の部屋に案内しますね。行きましょう」
「はい、よろしくお願いいたします。セオさん」
使用人棟を出て、渡り廊下で繋がっている伯爵家の本邸へと入った。
入ってすぐ右に曲がると使用人用の食堂があるが、そちらには用がないので左に曲がる。
曲がってすぐに使用人用の階段があり、3階まで上がった。
階段を上りきって左の突き当たりが、伯爵家の第二子であるアッシュの部屋だそうだ。
日当たりの悪いこのエリアは、本来は物置部屋になっているはずである。
実際、階段とアッシュの私室の間にある部屋は物置になっている。
「――はぁ…」
部屋の前で立ち止まり、セオは深いため息を吐くと意を決した様子で部屋の扉をノックした。
そして声もかけず、また中にいる主の返答を待たずにドアを開けた。
リンリーは驚いた。
声もかけずに勝手に部屋に入るのは無礼な振る舞いだと教えられていたからだ。
「…くさっ…。アッシュ様、新しい侍女を連れてきました。今日から彼女があなたのお世話係になります」
セオは無遠慮に袖で口元を覆って言う。
汗臭く、カビっぽい臭いが鼻についた。
長らく掃除されていないのだろう。部屋の隅に埃が溜っているのが見て取れた。
ドアの正面にカーテンのない窓が1つだけあり、部屋の唯一の光源となっている。
リンリーの部屋の3倍はあるようだが、家具はベッドと机しかなかった。
ベッドの上には何やら、黄ばんだシーツの塊があった。
ドアの左横がクローゼットになっているようだが、戸は閉まっているので何が納められているのかはリンリーにはわからない。
(…これは酷い。アッシュ様は育児放棄されているということなの?)
朝食の席で同僚から哀れみの目で見られたのは、このことだろうか。
信じられない思いで見ていると、ベッドの上の塊が動いた。
「…誰…?」
シーツの隙間から何かが覗いている。
か細い問いかけに、セオが舌打ちをした。
「――チッ…。彼女はあなたの侍女になったリンリーです。今日からあなたの世話はすべて彼女が行います。いいですね」
セオの言動は、とてもじゃないが主に対して行って良いものではない。
唖然とするリンリーをよそに、シーツのお化けは頷いた。
「わかった…」
「――はぁ…。リンリー、後は貴方に任せるわね」
「えっ!え、ちょっと待ってください!私は業務内容について何も聞いていません!」
帰ろうとするセオを慌てて引き留めた。
「あぁ、不快すぎて忘れてたわ」
(不快って…アッシュ様の前でなんてことを言うの…)
侍女は下級侍女の上司である。
直属の上司の暴言を聞き、リンリーはセオに対する不信感を募らせた。
「侍女の仕事は、主の身の回りにお世話をすること。外出するならお供するし。屋敷内で快適に過ごせるように整えてあげるのよ」
(全然整っていませんけどっ!?)
アッシュの部屋はどうみても快適とは言いがたい有様だ。
「アッシュ様の場合は食堂でご飯を召し上がらないから、死なないように部屋に持って行ってあげてね。それじゃあ――」
「いやいや!まだ帰らないでくださいよ!」
帰ろうとするセオを必死で引き留める。
こんな会話をアッシュ本人に聞かせるのは心苦しいため、いったん部屋の戸を閉めた。
階段の方まで下がってから話す。
アッシュは虐待されているのか――などと直球で質問することは憚られたので、業務内容について確認することにした。
「えっと…アッシュ様の身の回りのお世話をすることが私のお仕事になるのですよね?」
「そうよ」
「お世話って言うのは…お食事をお部屋にお持ちすること、お部屋のお掃除、寝具の洗濯とか…で合っていますか?」
「そうね。その辺になるかしら」
「えっと…アッシュ様の一日のスケジュールはどうなっていますか?」
男爵家で働いていた時に、貴族の子は幼い頃から勉強を始めるのだと聞いた覚えがある。
家庭教師が来るらしいから、その時間も把握しておかなければならない。
そう思って聞いたのだが、セオは「何もない」と言った。
「…え、何もないんですか?お勉強する時間とか…」
「ないわよ。アッシュ様は一日中、お部屋にいるのよ」
「……」
リンリーの頭に『引きこもり』という言葉が浮かんだ。
「あー、あと重要なことを忘れていたわ」
「何でしょうか」
「アッシュ様を、伯爵家の皆さんに近づけないこと。特に、第三子のビビアナ様に近づけてはダメよ」
「…はい」
家族なのに近づいてはいけないのか。
もしかするとアッシュ様は、伯爵家の皆と血が繋がっていないのだろうか。
「あぁ、これでようやく解放されるわ。貴方が来てくれて本当に良かった」
どういうことかと首をかしげるリンリーに、セオは嬉しそうに言う。
「私ずっと侍女を辞めたかったんだけど、代わりにやってくれる人がいなくてね。執事長がアッシュ様付の侍女の給料を上げてくれたんだけど、それでも誰もやりたがらなかったのよ。
仕方ないから私がそのまま侍女を続けて、最低限の食事の配膳だけやって後は食堂で皿洗い女中として働くようにしたの」
「…そのことって執事長は…?」
「もちろん知ってるわよ。執事長だって自分がやりたくない仕事を部下に押しつけているんですもの。サボって遊んでるならクビでしょうけど、他の仕事をやってるんだから怒られることはないわ。
異動願いはずっと出してるんだしね」
まあとにかく、とセオはリンリーの肩をぽんと叩く。
「嫌になったらすぐに執事長に言いなさい。運が良ければすぐに配属を変えて貰えるわよ。もし異動できなかったら、食事の世話さえしておけば、洗濯女中とか皿洗い女中として働いてても文句はいわれないわよ。私みたいにね」
「…はい」
「じゃあね。後はよろしく~」
セオは足取り軽く階段を降りていった。
「……」
なんだか気分が悪い。
いろんな家族の形があるのは理解しているつもりだった。
高位になるほど貴族は家族仲が良くないと聞いたこともある。
だが前職の男爵家の家族仲が良かったこともあり、ここまで酷い事があるとは思わなかった。
(とにかく、アッシュ様にご挨拶をしなければ…)
リンリーは一息吐くと、気を引き締めてアッシュの部屋へと向かった。
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