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真相

ハロウィン2

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 ウキウキハロウィン!
 方向音痴の知人に道の覚え方を教えてもらいました。
 止まれ(一時停止の赤い三角)を3回(右左右)曲がり次の信号の角の予備校を右に曲がる、これでスーパーまで行けると言ってました(家はかなりの田舎です)( ˙꒳​˙  )ナルホド
 そして帰りは来た道の逆で家に帰るそうです。

 まだ書いてる途中なので時間は不明ですが、明日も更新します。


 ◆

 ボレアリスの暴走より前の時間、

 お姉様が王城へ出かけた後、私は食後のお茶をゆっくり飲んでいた。侍女のロッテが頭を下げ言う、


「お嬢様、王太子様よりお茶会の連絡がありました。こちらにいらっしゃりたいと、ご準備をお願いします。」


「ありがとう分かったわ、」


 ロッテを伴い自分の部屋へ帰り着替えを始めた。
 少し温かみのあるオレンジ色のドレス、髪はサイドに上げセットして、ブロンド色の髪飾りを着け、アイスブルー宝石が着いたネックレス、少しお化粧をしてもらう、とはいっても肌はロッテがお手入れしてくれてるから綺麗な為、私の唇に可愛らしいピンク色のリップクリームをつけ完成、鏡の前でくるりと1周してトゥカーナは頷く、ロッテも最終チェックして鏡越しに微笑んだ。


「王太子様は本当にお嬢様がお好きですね。嫁がれる際は是非ロッテも連れていってください、もしご懐妊された際はお子様の乳母もやります。」


「嬉しいロッテきてくれるの?でも乳母ってお世話だけではなくて母乳が出ないとなれないって聞いたよ、ロッテの気持ちはとても嬉しい、だけど私は自分の子供を他人に任せるなんてしないよ、代々王族は愛情を持って子供を育てるって、子育てが初めてのことだらけで大変かもしれないけど、寝不足とか大変な時は助けて欲しいかな、その時は甘えさせてね、でも私こう見えて子守りは得意なの、」


「隣国の姫様もトゥカーナお嬢様の後ろをついて歩かれてましたものね。お嬢様そのお歳で先の事までロッテは感服いたしました。お嬢様を溺愛してらっしゃる王太子様もさぞご安心なさるでしょう、さてご到着はそろそろと伺っております。玄関にてお迎えいたしましょう、」


 ロッテを先頭にして部屋を出る。アウラ様がうちに来るのは何もおかしくはない、私達は婚約者同士だしかし急用などを除き当日の前触れはとても数は少ない、当日のおもてなしなどそうそうできるものでは無い、相手の好みを知りそれを用意する、トゥカーナはため息を吐きたくなる気持ちを抑える、これも貴族めんどくさいシリーズだ。

 貴族には我が家に来る人のため、どんな人でもそれなりにおもてなしをするという決まり事がある、その前触れが王族ならより慎重になるもの、けどアウラ様は私が行方不明になる回数が多いからと頻繁に我が家に訪れる。

(3日に1度くらいの頻度よね、もうあの頃とは違うのに、心配性なんだからアウラ様は、)

 高確率でアルゲティの父親のタブエルさんだったり、精霊王だったりだ。タブエルさんの方はすでに解決している、全てアルゲティの魂を持ち記憶まである私をそばに置きたかっただけなのだから、


「お嬢様はこちらでお待ちください、ラケルタ様のお話ではそろそろおいでになられる頃でしょう、」


 ロッテが再度ドレスが崩れてないかをチェックしその場を離れていった。

 今日もラケルタが申し訳なさげに先触れをしてきたらしく、突然の訪問にもロッテ達は驚かない、なぜなら我が家の執事長アーロンが全てを計算し考え、来るであろうタイミングを見計らい準備する、まぁ3日に1度だから分かりやすいと言えば嘘になる、だがアーロンはどこまで先を見通せるのだろう、もしかして直感的な感じえっ?そう考えるとちょっと怖い、

 もしかしてアーロンってアウラ様に発信機でも付けてるの?と疑いたくなるが、魔術や魔法が支流のこの世界にそれはないだろう、でもそれくらい家の執事長は謎が多い、


「お嬢様、王太子殿下がおいでになりました。」


 先触れ通り少し疲れた顔をしてるラケルタを見て、トゥカーナは申し訳ない気持ちになる、だがフワッと花の香りが鼻腔をくすぐった、香りがした方を見れば花束を持ったアウラ様が私の前にゆっくり歩いてきた。

 今日のアウラ様も素敵、秋色らしい少し暗めのえんじ色のシャツと黒のスラックス、動きやすい格好であるもののけして堅苦しい格好では無い、ポーっと見惚れていると両手を広げ私をその中に閉じ込めた。


「今日も綺麗だカーナ、どこにも飛んで逃げないように僕が君の鎖になりに来たよ、ギュウギュウに縛り付けてあげようね、」


「グェ……、ギブ!ギブ!」


 本当に縛り付けないで欲しい、ギュッと痛いほどに抱きしめられた。私が慌てて背中をタップしていると、私の後ろに控えたアーロンがコホンと咳払いをした、アウラ様はごめんと名残惜しいかのように背中を撫でてから離してくれた、
 ホッとした私だったが、当のアウラ様はどこかを触れてないと死んでしまうからしく、私たちの手は恋人繋ぎのままだ。


「王太子様トゥカーナお嬢様へのイタズラはこの位にしてください、では王太子様トゥカーナお嬢様、本日は私アーロンがご案内致します。」


「そうか、倒れそうなら僕の看病が必要かな?夜も付きっきりで看病するよ、あっカーナは寝てていいからね。カーナの寝顔を一晩中見られるなんて僕は幸せ者だ、ちなみに枕は僕とお揃いだから安心して眠るといいよ、」


「だ……大丈夫です。」


 アウラは一瞬だけカーナの心の声が聞こえた気がした。まるで父様みたい、と引きつった顔に出てた。


「ごめんカーナ、宰相みたいだって思った?」


 実際にそう思っていた私はアウラ様のその一言で頭が真っ白になってしまい、余計な一言を言ってしまう、


「頬ずりが加われば完璧に父様でしたね。」


「宰相め、僕のカーナにそんな事まで、カーナ次は必ず頬ずりも加えるから、宰相に先を越されてるのが嫌だ。」


(私のバカバカ!変なこと言わなければ良かった。)


 私が顔を真っ赤にさせていると、見かねたアーロンがこちらへどうぞ、と頭を下げ案内をする為歩き出した。ロッテは少し悔しそうな顔をしてその後ろを歩くロッテも公爵家の侍女なのでけして顔には出さない、しかしロッテとは私が生まれてすぐに私付きになった侍女だ。長年の付き合いである私にはお見通しだ、アーロンとのイザコザではないけど、仕事がかなり出来るアーロンは謎が多い執事でもある。なんなら我が家の七不思議もあるらしい私は知らないけど、

 今日は寝る前にロッテとお茶を一緒に飲んで愚痴を聞こう、そう決心してるとゆっくり手が引っ張られて歩き出す、なにかに気がついたのかアウラ様が私の耳元に近づいた。色々考えてた私は気が付かず、アウラ様の息が耳に掛かりアウラ様の接近に気がついた。


「カーナ今僕以外の事を考えてないよね?」


「いいえ今日アウラ様がいらっしゃったのは突然でしたから、アウラ様のお顔を見て嬉しい気持ちが溢れてしまって、私も会いたかったですアウラ様。」


 本当はアウラ様はエスパーなのではないだろうか?
 でもアウラ様に言ってる事は本当、私は言ってるそばから顔が熱くなってきた。私はこれ以上恥ずかしい思いをしたら頭が真っ白になってしまうと、話題を逸らすようにして今朝王城に行った姉様の話を出す。


「アリス姉様が今朝アルゲティにお呼ばれたと、そうお聞きしましたが、レオニス様とご一緒にお茶会でもなさってるのでしょうか?」


「アルゲティ様とトランプをして僕が勝ったんだ。そのご褒美かな?ボレアリス嬢がいるとカーナとゆっくり話が出来ないから。後アルゲティ様から伝言だよ、推しとゆっくりしてね。って、推しってなんの事?教えてカーナ、」


「……推しと言うのは大好きな方という意味です。アルゲティも変な言葉を教えますね。アウラ様絶対に影響されてはダメですからね。」


 なんて事教えてるの?!クルミ!!!先程まで赤い頬が真っ青になる位に焦った。


「僕はカーナだけだからね。カーナがダメと言うなら自粛する様に努力するよ、叔父上は影響ないが、母上がアルゲティ様と話す機会が多いからね。心配は要らないだろうが母上にも注意しておく、ありがとうカーナ、」


 アウラ様の頭は私から離れてしまったが、今は長い廊下をエスコートで歩いてる、頭が離れたとはいえ、とても距離が近く当然のように手は恋人握り、アウラ様の手は自分の手よりも大きいから包まれてる感じがして好きなんだけど、なによりとても嬉しくて恥ずかしくて死ぬ。あっこっちでは空に帰ってしまうだった。


「それは残念。カーナ今日僕が来た理由があるんだ聞いてくれる?」


 トランプで勝ったからでは?と思ったが、ここは素直にはいと私が頷いた、アウラ様は私の腰を支える様に手を回しゆっくり歩き出す。
 お城に事ある毎にアルゲティがやって来ては、レオニス叔父上の所に入り浸っていて、レオニス様も満更ではなく相思相愛なの夢見たい!となぜかアルゲティ本人から聞き、アウラ様の顔を見てニッコリ微笑み、私の事はお義姉さんと呼んでね。と付け加えられたと、
 大きなため息とともにゲンナリした顔をしたアウラ様はそう私に話をした。


「ちょっとあの人めんど……いや、あの2人に当てられてしまったから僕も愛おしいカーナに会いに来たんだ。それにトランプにも楽勝したしね、」


「つまりアウラ様は面倒くさかったんですね。それにしても……アルゲティは好きになったらグイグイと押しますね。アウラ様アルゲティがご迷惑かけて申し訳ありません。」


(クルミって言うよりミユキみたい、でも流石に自分の名前を間違えるわけないよね、)


 私が謝るとアウラ様は更に私に近づき髪に口付けをする、汗はかいてないがなんだか恥ずかしくて身じろいでいると、何度かスーハースーハーしたアウラ様は耳元でボソボソ話すからくすぐったいのに、アウラ様はやっぱりカーナの香りは落ち着く、と言っている
 でも残念ながら私はハーブ類ではないのでリラックス効果は無い、何度も深呼吸するようにしてたと思ったら、蕩ける様な顔で私を見つめるから、また私は恥ずかしくなる、


「相変わらずカーナはいい香りだね。それに僕はカーナに会えるなら何処でもいいと思ってるんだ。それをしようにも今の立場が許さないけどね。
 それにここだけの話、陛下や王妃もノリノリでね。お二人ともアルゲティ様を囲う気らしいんだ。
 それにたまにアルゲティ様の性格が大人しくなんだ。ねぇカーナは理由を知ってる?」


「流石救国の乙女ですね。私には何が何だかさっぱりですよ、レオニス様の事大好き過ぎて猫を被ってるのでは?アルゲティの秘密なんて何でしょうね。」


 前世ミユキの方がレオニス様推しだったけど、私が居なくなってから変わったの?モヤモヤ私が考えてると、他の人の事を考えて欲しくないな、と頬にチュッとキスをして私の顔をじっと見る。


「分かったら教えてね。父上達に相談するから、カーナが知ってる事を婚約者の僕が、会いするカーナの何もかもを知らないなんて事は無いし、カーナは僕に隠し事なんて無いともちろん思ってるよ僕のカーナ、」


「……」(これってアウラ様はクルミに何かを聞いたのかな?)


 言えるはずがない、アルゲティの中の人は前世の妹クルミで、いつもアルゲティの後ろを着いて歩く黒猫は大精霊王ラグエル、そしてアルゲティの中にもう1人人格がある、もしかしたら本来のアルゲティなのかもしれないのだが、何か秘密がありそうでクルミに聞けないトゥカーナだ。
 クルミもララ君も言わないから想像でしかないけど、もしかしたらとんでもない人なのではないだろうか?と、トゥカーナは不吉な考えを振りほどくように頭を軽く振る、
  

「秘密は無しって言いたいけど、カーナに嫌われたくないから、言いたくなったら教えてね?」


「秘密なんて……ないですよ、でもアウラ様がそうおっしゃるなら、私の秘密が出来たら内緒でお教えしますね。」


「うん、楽しみに待ってるよカーナ。」


 王族に相応しい部屋なら客室だろうと、そこに招こうとしたが、アウラ様の従者ラケルタと話を聞いていた侍女ロッテが嬉しそうにしながら、「お待たせしました。」と私たちに頭を下げ歩き出した。


「カーナ行こうか、」


「先程ラケルタ様は何を話してたのでしょう?」


「それは着いてからのお楽しみだよ、」


 最近お気に入りなのか恋人繋ぎをするアウラ様に、私達もゆっくり歩き出す。私もここ数年で客室の場所は覚えたの、沢山ある客室で何度も何度も迷子になった甲斐があった。豪華な客室の前には沢山の花が飾られ前世で見た叫びの絵の様な絵とセットで飾られてる、お父様は特別な絵と言っていたけど、誰が書いたのかな?等とぼんやり考えてると、その客室の前を通り過ぎた。

(あれ?道順せっかく覚えたのに、)

 方角は多分温室の方向だと思う、けして方向音痴だから自分の家の中が分からないんじゃなくて、広すぎて分からないのよ、と謎の言い訳を考えてたら温室へ続く渡り廊下を通る、ここまで来ればここがどこなのか私にも分かる、だって目の前には立派な温室が見えるから、もちろん帰り道は分からないけどね。帰る時はアウラ様やロッテも居る、前世では決まった道しか行かなかったが、今世はそんな迷子人生とはサヨナラよね。
 ニコニコ歩いてると温室の立派な扉の前に立った。私は得意気にお母様から聞いた情報をアウラ様に伝える、貴族社会は情報が命だよね。けして聞いたことを自分の事のように言うのは、何もおかしいことでは無いのだから、
 私は意気揚揚としながらアウラ様にエスコートして貰ってない手で袖をちょんちょんと引っ張る、するとアウラ様は満面の笑みを浮かべ、袖をちょんちょんとしてた手を取り口付けを落とし私に「どうしたの?」と尋ねた。やっぱり何度観ても素敵な人、だと思う前に顔が真っ赤になってしまったが、気を取り直して扉の紹介をする。


「アウラ様知ってます?この素敵な扉は昔からいる家の庭師が趣味で彫った扉なんですよ、」


「こんなに繊細で細かく削ってあって趣味の一言で終わる庭師も凄いけど、宰相も庭師が趣味で彫った扉を使うって、なんだか常識では考えられないけど、それにとても綺麗だから温室の扉にしたんだろうけど、その庭師は昔芸術家か何がだった?っと思ってしまうね、カーナはその庭師の事を何か知ってる?」


「アウラ様もよくご存知だと思います。あのトランプは保存の魔法を掛けた薄い木で出来てるのです、あの薄い木を作ったのは庭師のおじいちゃんです。」


「その庭師はとても器用なんだね。」


 温室に着くと白い1人掛けのソファと猫足の白いテーブルがあり、明るいオレンジ色と暗いオレンジ色のテーブルクロスが重ならない様に引かれていた。その上にはイプシロン産のお茶と、最近アムス料理人が作れる様になったマカロン等のお菓子が運ばれ、そのままロッテもラケルタも話が聞こえない距離まで離れて言ってしまった。
 ロッテ待って!なんでソファが一脚なの?!声に出したかったが、その前にアウラ様が私を引っ張ってそのまま2人で座ってしまった。恥ずかしさに悶えてるとアウラ様は私の髪に顔を埋め息を吸う、


「宝探しですか?」


「そう、豊穣の祭は沢山作物が実りが出来た事への感謝のお祝い、それはカーナも知ってるよね?流石に貴族と民達を皆一緒にしてしまうと、民達は気後れしてしまい気難しい貴族は眉を寄せる者もいるだろう、
 今年は特に豊作だったから民達には王城から資金を出すとおふれを出したんだ。
 とはいえ宝石など出すのは無理だから、お祭りの資金というていだけどね。宝探しもカーナと2人っきりなら僕の瞳の色をした宝石を隠しておくんだけどね。もちろん場所は僕の部屋、」


「もちろん知ってますアウラ様、実りの感謝を捧げ次の年の農作物も豊作になります様に、という願いもありますね。宝探しは皆でだと楽みが倍増するそうですよ。アウラ様の部屋は緊張してしまうので、また今度お願いします。
 えっと……色々聞きたいことは沢山あるのですが、アウラ様?なぜこのような格好でお菓子を食べさせて貰ってるのでしょうか?」


「カーナは恥ずかしがり屋さんだね。」


 今の私はアウラ様の膝の上で抱っこされ、「カーナはこのお菓子好きだったよね?」とお菓子(栗のマカロン)を口に入れられてる、恥ずかしいけど誰も見てないから耐えられてる。ロッテやアウラ様の従者ラケルタはこの温室にはいない、


(アルゲティ様は任せてと言っていたし、流石のボレアリス嬢もここには来れないよね、)


「お待ちください!ボレアリスお嬢様!」
  

「トゥカーナ大変なの!」


 アーロンの慌てた声がしたのと同時だった。最初はミューがトゥカーナの胸に飛び込み、次にバンと扉が開く音がした。


「見つけましたわ!」


 ミューと姉ボレアリスが来るのは同時だった。ボレアリスの後ろにはなぜか土下座するアルゲティ様と、土下座してる女の人が王族の客人だと知って慌てるラケルタ、ドレスが汚れてしまうからと立たせようとするロッテ、トゥカーナはやましい事はしてないが、慌ててアウラ様から離れようと立ち上がろうとした、しかし腰をアウラ様にしっかりと抱き抱えられ、離れることも出来ない、青くなるトゥカーナに姉様はツカツカと毒牙に掛かった妹の所へと足早にやって来て、簡単にカーテシーをし、私をアウラ様から下ろし優しく抱きしめた。


「まぁ、トゥカーナ変なことされなかった?されたら言ってね、誰であろうと成敗するから、」


(ひぃぃ!身内が不敬罪に!)


 姉様の胸に頭を寄せられ撫でられる、私がアワアワしてると、アウラ様は簡単に姉様から私を取り返し、姉様が撫でていた頭を上書きするように優しく撫でる、


「やぁ、ボレアリス嬢、婚約者同時のお茶会を邪魔するなんて無粋だね、僕はカーナと楽しくお茶会を楽しんでたんだ。」


「まぁ!淑女を膝に乗せてお茶会を楽しむ事が紳士として許されますの?!トゥカーナもそう思うでしょう?」


「僕達は楽しんでいたよ、お菓子を食べさせあったりしたりね、」


 2人から違う意見の同意を求められた私は、他の人に助けを求め視線をさ迷わせた。すると某家政婦さんのように扉からこちらを伺う人を見つけ、藁にもすがる思いでじっと見つめ小声で助けを求めた。


「アルゲティ助けて!」


「アウラさんにはこの日は邪魔しないでね、って言われてたけど、クルミちゃんの大切なトゥカーナちゃんが私に助けを求めてる、任せて!助っ人連れてくるね!」


 親指をぐっと立てたアルゲティはそのまま転移魔法で消え、この場所には修羅場だけが残された。


(ちがーうそうじゃない!)


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