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真相
そして...6
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(ララ君から解放してあげたい、器が無いなら作ればいい!)
クルミはじゃあ起きてから色々と準備しなくちゃ、と決心をする。
だがまだ話しは終わってない、アルゲディが空に帰ってしまう原因は話した。次は悪役令嬢イプシロン・トゥカーナの話しは先程少ししたから今回は許してもらおうかな?
(まぁ執着加減はラグエルと始まりの乙女ミクの話しよりは……マシだけど、姉さん頑張って)
トゥカーナが聞いたら確実に「えっ?!」と帰ってきそうだが、クルミはとりあえず前世の母さんも言っていた事を守る。母さんは仕事は完璧でミユキやマサも憧れていた、もちろんそれは私もだけど、前世の事を思い出すと何だすと、ミユキ?と何だかそこで少し違和感を感じたが母さん直伝に習いスルーし気のせいにした。自分の気持ちが何だかモヤモヤするだけどね。姉さんは大丈夫?と心配してくれる、
(もやもやするの?)
「アハハ困ったらとりあえず一旦置いとく、まぁ私すぐに忘れてしまって思い出した事ないんだけど。」
「クルミ……もしやそう言った類を思い出さんのか?それは無責任というものにゃ、ワシは薄々分かっておったがやっぱり残念な奴なのにゃ、短い時間だがワシはクルミの事を見ていた。用事を横に置いておかないで投げ捨ててそうにゃ、
最愛のミクは礼儀は礼儀で返さないと失礼になる、そういつも言っておった。そりゃワシも色々と反省しないといかんが用事はちゃんと思い出すものにゃ、
頭の整理をする為に一旦頭の隅に置いておくか、メモしておくといいにゃ、最愛ミクはいつもメモを取り朝一番に見る場所の棚に貼り付けておったにゃ。」
(そうそう、月の日にちが記されてる物に書いておくといいよ、)
姉さんいつもしてたわなんて考えた。あれば便利だよねカレンダー等と思ったのだが空の人族の日にちの感覚は無いに等しい、昼間は超長いしなんなら夜も長いいつ寝るのかと言えば、寝たい時に寝るそれが空の人族、グータラ生活最高だよ!でも時間の感覚がないから待ち合わせとかは出来ない、でも日が出てる時間は魔法で分かる様になってる。初代始まりの乙女ミクは地の人族に使われてた時間をこれに合わせ線を付けたんだよね。さすがミク姉さん!
手放しで褒めると中にいるミクが照れ笑いする感じがした。うん可愛い身内びいきではない可愛い、大事な事は2回言うし、何度でも可愛いと言ってやる。
(こんなに沢山可愛いって言われたの久しぶりありがとう。えへへ...便利でしょ。待ち合わせとか不便だから作ったんだ。)
さすがミク姉さんとクルミは感心する。始まりの乙女は2ページ位しか書かなかったのに、書いたのは抜けてるけど完璧だけど絵は味のある画伯風味、それだけだがそれだけで姉さんの性格は完成した。後は本人の気質も姉さんに似てたんだろう、
一方のクルミはいつも違う事に興味が出ると、スっと忘れてしまう、ミューが来る前なんて光の精霊にいつも起こされたりしてたな。そんなことを考えてるとミューとララ君がまたクルミの事を見ながら、聞こえないようにコショコショと話してる。小さな子供が子猫に内緒話しをしてるみたいで微笑ましいけど、癒されませんよだって全て丸聞こえなんだからー!
「ララ様諦めて下さいなのミューがここに来る前、小さな光の精霊がクルミの面倒を見てたらしいのだけれど、ミューが契約精霊として来た時にとても感謝されたの、その日の事もすぐに忘れるって嘆いてたの、ライラも困ってたの、クルミ聞いたかしら?早速実践してみればいいと思うのよ、約束は守るもの、けして忘れるものでは無いと思うの、」
「うむ、クルミの名は今からアホの子でいいのではないか?」
「それだけはやめて、」
サッと否定したが、ララ君とミューはそれはどうなんだ?とアホな子を見る様な顔をして、やめてなんて言うけど事実なのよ、等と次々と言いたい事を言うが、始まりの乙女は本当に姉さんをそのままにした様な性格だったらしい、自慢の姉さんの自慢なら任せて欲しい、ワクワクしだしたが長く話しすぎたからか喉が渇いたしちょっと眠い、目を擦るとミューは少し休憩したいと言い出し、クルミの部屋のベッド脇にある植物の葉に乗りゴロンと寝転がる、ララ君は寝るならニャールをよこせと言う、ニャールを空間ポッケから取り出すと封を切りララ君に渡すと、ララ君は先程と違い気まずそうにクルミを見る。
「クルミ...ミクは最愛は元気か?ワシは...」
(お願いやめて私に魔力を渡してるから、ラグエルの魂が削られてるのが見えたの、私に構わないでくれればそんな事にならずに済んだのに...、魂が薄くて割れてしまいそう、私のせいだよね...ごめんなさい)
中の姉さんは泣いてる感じがする。否定ばかりするから仲が悪いと思っていたが案外仲良し夫婦みたいだ。姉さんは人は憎まない、例え姉さんが学校で虐められてても、自分をいじめてた子が困っていれば、どうしたの?と手をさし伸ばすお人好しな姉さん、
だからまずはララ君の魔力の回復とミク姉さんのケアをしなければいけない、ララ君の心配をしてるがクルミの中に居る姉さんもボロボロなんだろう、
「ララ君、ミク姉さんが心配してる、魂が薄くなってるって、元に戻るまでどれくらいかかるの?」
「ミクが見逃せぬほどか、500年で半分戻ればいいにゃ、ふむ...クルミがまともな事を言っておるな?もしかして熱でもあるのかにゃ?」
ララ君は小首を傾げクルミにそう言う、喋らなければ黒い子猫にしか見えない仕草に癒され、クルミの眠気は少し吹き飛んだが、ララ君に飛びついて頬ずりをする気力はない、そのまま両腕を枕にして机に突っ伏し盛大にため息を吐いた。ララ君は突っ伏した瞬間後ろに飛び退いたが、何もしないクルミの腕を小さな肉球で恐る恐る何度も突っつく、
「ララ君酷い!でも今の私は至って健康だし熱は無いよ、胸が痛いんだ、それに中に居るミク姉さんは寂しそうで悲しそうだし何とかならないかな?ってね、」
「クルミ...まともだったのか?もしやいまさら罪悪感か?クルミがそこまで言うなら方法がない訳じゃないにゃ、」
ララ君は金色の瞳をキラリと輝かせクルミを見上げる、だが中にいる姉さんは(ラグエルが何か企んでる顔をしてるの気をつけて)と、警戒するようにクルミに教えるが、クルミにあるのはたとえ小説の中の話でも幸せな姉さん達を引き裂いた事実と罪悪感だけ、良心からきてる助言の声を聞こうとしない、
「魔力の回復に少し時間が欲しい、ほんの10年位にゃ、」
そう言うとララ君は開いた窓から飛び出した。寝ぼけぬいぐるみサイズになったミューに抱きつかれ足が縺れベッドに倒れ込んだ。
「アルゲディもう寝る時間よ、眠る時間よと闇の精霊が集まり踊ってる起きてからにしようなの、」
(ふぁ...疲れちゃった私も少し寝る、)
中にいる姉さんは背伸びをして欠伸してる。その後左右にストレッチしてると感じる、私は前世の母さんがいつも言っていた挨拶をする。元々は姉さんが死んでしまった後はとても大変だった、自分のわがままで死なせてしまったあんなことを言わなければ、と泣き叫ぶ情緒不安定な弟を寝かせつかせる為のおまじないだ。天使はもちろん姉さんだ。弟をサンドイッチにするようにして私たち姉妹は慰め合い寝ていた。それを思い出して寂しくなって、ぬいぐるみサイズのミューをギュと抱きしめた。
「うん、私も色々疲れちゃった。ミューおやすみなさい、天使様が素敵な夢を運びますように、」
「...むにゃ...不思議とても癒される言葉なのよ、」
私は短い時間をミク姉さんの魂と一緒に眠る。家族が一緒なら楽しいと信じて、だけど今の私はなにも知らない、ラグエルを呼び出した事でクルミが小説に書いた事とは違う未来が顔を出した。だがその事はクルミは何も知らない、クルミは今の幸せを噛み締めながら眠った。
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