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真相
そして…2
しおりを挟むライラとタブエルの話し合いになりました。次回にクルミは出てきます。
タブエルの過去が重たい(色々)件に関しては、ラグエル様の子孫だから、という事で許してください。心得みたいな物が存在してる様なしてない様な、
結婚して子供を持つと落ち着くのかな?否ララ君は無理だ...( ==)トオイメ
◆
今日のご飯も美味しそうなものが並んでいる。空の人族が作るご飯は基本的に作り置きが多い、それを空間ポッケに入れておき必要な時に出す。前世でもやっていたから分かる。だが空間ポッケ内の時間は止まっているらしく、料理を温かいまま保存すればそのままの温度で出てくる。
母様は必要な野菜は街で買うと言っていた。それにアルゲティも見たことがあるから知ってる。
だが実際に買い物に行けば街に商店がある訳では無い、簡単な机の上に見本の野菜が並んでいる所はまだマシ、野菜の絵を置いてある所もまだマシで、
「ねぇアルゲティ、何か隠してる事ない?」
「ウヒィ!な…何も無いよ、それより母様この料理美味しいね!」
「そお?この料理も昔教えてもらったのよ、明日はあなたが好きなキャベツ巻きを出すわ、」
「やった!母様大好き!」
ライラは娘の動揺を見破ったが、この頃の年頃なら1つや2つ隠し事はあるだろう、としばらく様子見をする事にした。万が一ということもあるし、危ないことがないか一応光の精霊に頼みアルゲティの部屋に向かわせる。
そして先程お話し合いをしたタブエルに視線を向ける。するとタブエルは終わった事だとニッコリライラに甘い笑みを返す。もう、と一瞬疲れがどっと来たが切り替えの速さはタブエルのいい所であり悪い所、ライラとしては反省して欲しい気持ちもあるしタブエルに惚れた弱みもある、だからライラは狡いと心の中で愚痴り娘がいる手前だからと表情を隠した。
「もうお腹一杯!ごちそうさま母様、父様もありがとう、私教会のことで分からない事があるから、上で本を読んでるね。それにここに居たら楽しくて母様達とお喋りしちゃうもん、疲れたらそのまま寝るね。天使様が素敵な夢を見せて貰えますように、おやすみなさい、」
「アルゲティはとてもいい子だから、天使様は素敵な夢を運んでくれるだろう、おやすみアルゲティ、」
アルゲティは両親2人に緩くハグをして、頬にチュッとキスをすると、そのままパチンと指を鳴らし自室に戻った。
しばらくすると光の精霊が来て何も無かったと教えられた。むろん光の精霊は真面目な為ララ君とミューから「言わないで」と口止めをされてる為言えない為、アルゲティの部屋の中には契約精霊のミューと、闇の精霊しか居なかったと答えたのだ。
「ミューと闇の精霊しか居なかったですの、またアレをしているのだと思いますの、」
「ありがとう、まだ飽きないのねあの子は、お礼に魔力を受け取ってアルゲティに変わった事があったら、すぐに教えてね。」
「分かりましたの、」
光の精霊は上下に揺れると、植木鉢に植わってる花に止まる。そのまま寝てしまうようだ。
ライラは考えすぎね。とため息をついた。いつも通りに空間ポッケからお茶菓子を取り出し、アルゲティが部屋に帰ってからこちらをチラチラ見るタブエルに、お菓子を差し出した。若い頃から毎回この方法で仲直りしてるので、タブエルも分かったのか甘い笑みを浮かべ、ライラの横に座りお菓子を差し出したライラの手を握った。しかしライラは誤魔化されない、口をとがらせ拗ねてみせる。
「タブエル、何でなんて聞かないわ、毎回同じ事言うんですもの、」
「ライラとタブエルの愛の結晶だと何度も言っただろ、それにあんなに可愛い我が子を怒れる筈もない、2人の愛娘がやりたいと言えば、それに応えなければならないだろ?けどさっきのは言いすぎたごめん、」
「もうタブエルったら!そんな事を言われたら許さないなんて言えないじゃない、でも何でも願いを叶えてしまえばわがままな子になっちゃう、普通の家族なら甘やかしすぎず育てるんでしょうね。でもあの子は特別な役割りを背負い生まれた子、
そしてあの子の将来は歴代の祈りの乙女と同様、いつでも長様の願いを頼まれても祈れる様、そして父なる大精霊王様に祈りを捧げる、
シルクおばあちゃんは街の人々の信仰心と乙女の祈りは街を守る結界の維持になるって…タブエルあの子はずっと教会にいる事になるのかしら、母親の私は自由に生きてきたのに、そんな残酷な事あの子に言えない、ねえタブエルどうしよう、」
普通の夫婦喧嘩だった筈なのにごめんなさい、とライラはタブエルに抱きつくと、タブエルもまた慰める様にライラの肩を抱きギュッと抱きしめる。
「あの子はまだ見習いとしてしか行ってないだろ?教会から呼び出しがあるまでまだ猶予はある。だからそれまでは自由にさせよう、俺が妻と娘を必ず守る。ライラも知ってるだろ俺の役割は翼を守る者、もしこの役割りの事で家族を守れないなら、役割を捨て家族と共に逃げ守る。
ちなみに俺の母さん達もこの事に賛成をしてる。不便な暮らしになるが地の人族が暮らす場所で過ごさないか?もちろん空を飛べば見つかるが、転移魔法であちこちへと行こう、色んな景色があるから楽しいぞ、明日にでもアルゲティに地の人族が暮らす土地は、とても楽しい場所だと教えないとだな、」
1人でわくわくしてるタブエルを見て、ライラは辛そうな顔をする。過去を忘れた訳では無いだろう、私達の為とはいえ辛い思いをするのならと考えてしまう、
「タブエル…本当にいいの?だって過去に捕まっていたじゃない、その土地に行った時に過去の辛いことを思い出すんじゃない?私はそこまでして欲しくないわ、少し変わった子だけどアルゲティも話せば分かるはずよ、」
タブエルが捕まったのは、ちょうど空と地の人族が交流をやめて100年程たった頃の話だ。地の人族の寿命はとても短い、最年長の年寄り(80代)が見たことがないのだ。昔こんな人々が居たとは聞かされていても、実際見てみれば未知なる者は、不思議さよりも恐怖が先に来るもの、かなり昔に魔法に長けた人々が居た位しか伝わってなかった事もあり、タブエルは地の人族に捕まり見世物にされていた。
囚われてたのは短い期間だったが、タブエルが捕まったと聞いたライラは膝から崩れ落ちるほど衝撃的だった。
噂を聞いてからしばらくすると、街の外に繋がる門に人々が集まっていた。その様子を見ていたライラが目にしたのは、幼なじみのタブエルだ。最後に見た姿とほぼ変わらない、治癒魔法を掛けられしっかり歩いているが疲れたのか顔色は悪かった。
街を飛び出したのは理由がある。昔見た地の人族の街並みが好きだった事と、山や湖や川や青い海や白い砂の海など、変わった場所は沢山あり、大きくなったらアチコチ行きたいという思いと、男の子ならではの冒険心が湧き出した。ただそれだけの話だ。
こんな街は嫌だと飛び出したタブエルだが、幼なじみだと自覚は無くてもライラの事を思い出しては胸が痛む日々を過ごしていた。飛び出した街へ戻りたかったと思っていたのに、かっこ悪い所を見られてしまい自問自答を繰り返す日々だったが、ライラになんで勝手に出ていったの昔から好きなのにと泣きつかれ驚いた。昔からライラはタブエルの家に何かと持ってきていたのを思い出す。時には夕飯の惣菜だったり、昼過ぎに食べるオヤツだったり様々だ。てっきり母親に持ってきてると思っていた。それを問うと「私は言ったわよ、タブエルが好きそうなものを作ってきたって、だけどいつ行っても玄関から出てこないし、ある時なんてふーんの一言で終わったじゃない、」と言われた。隣に住む幼なじみを見ようとしても、心臓が早鐘を打ちつける、恥ずかしすぎてまともに見れないが、ライラに心配をかけてすまない俺にはライラが必要だ。と抱きしめれば、ライラは真っ赤な顔を見られないように隠し、タブエルも自分の気持ちを正直に伝えた。
タブエルは自分達が両思いだと判明してからの行動はとても速かった。タブエルは自分の気持ちにとても鈍かったが、ライラを他の男に取られない様牽制をかける為、ライラと自分の友達を声をかけ、盛大な生還パーティならぬ、私達付き合って1週間目おめでとうパーティを開催した。もちろん周りはライラの気持ちを知っていた為、やっとだヤレヤレ、と言った感じで参加していたが、それが週単位になると大変だし、分かったから2人で楽しんで欲しいと言われ、ライラと記念日に開催をした。もちろんサプライズは忘れない、ライラはタブエルにタブエルはライラへと、そして最後は笑い合う、
空の人族の間で噂になる程で、噂を聞いた年寄りからは怪訝されていたが、若い子達には支持がありカップルの見本だと言われる程だった。
周りが見えないラブラブカップルが爆誕した。その様子を見て胸をなでおろしたのはタブエルの両親だ。
特にライラの母親カリティアと、タブエルの母親マイヨルはお茶飲み友達だった為共に喜び祝った。
「タブエルは大丈夫なの?私は地の人族に可愛がって貰った記憶しかないけど、あなたは違うじゃない、捕まり見世物にされたでしょ?」
「過去は気にしない、俺たちの家族が楽しく暮らせるならどこでも、捕まったと言っても、翼まで手出しはされなかった。もし俺の翼に傷が入っていたら、番人様も許しはしなかっただろう、それでも何かしらしたと思うが、何をされたのか俺には分からない、番人様が呼ぶとすぐ守り人が来て保護されたからな、人の多い所は無理だが人里離れた場所なら大丈夫だ。」
「無理なら無理と言ってね、タブエルの事は分かった。後はアルゲティね大丈夫かしら?」
大丈夫俺たちの子供だから、とタブエルはニッコリと笑うと、ライラをギュッと抱きしめた。ライラもギュッと抱きしめ返しタブエルの頬にキスをすると、空間ポッケからワイングラスを取り出しタブエルに一脚差し出す。
「久しぶりにお酒飲まない?土の精霊に頼んでたの、」
「アルゲティも部屋に行ってしまったし、久しぶりにどうかな?」
「ふふっそうね。私よりも先に酔い潰れたら無しよ、」
「ふっ、今日こそ勝つ、」
「それ弱者が言うって聞いたことあるわ、それにアルゲティが言う所のフラグってヤツよ、」
こうして2人は夫婦の寝室に消え甘い時間を過ごした。
次の日のタブエルは見事な二日酔いをした。コメカミを手で押えながらリビングに降りていくと、木の椅子に座りこみテーブルに頭を乗せ冷やす。タブエルより早く起きたライラは苦笑いして、酔い覚ましのお茶を出す。このお茶はとても苦く渋い味がする。適度に冷ましてから一気に飲んだ。
「はいこれ酔い覚ましのお茶、最初の一杯目で酔っ払って寝ちゃうなんて、あの後寂しく1人で呑んでたわ、もちろんツマミはあなたの寝顔だから安心してね。」
「うぅ……すまないライラ、1口目から記憶が曖昧なんだが、それにあのお酒は今まで呑んだ中で1番強かった気がするんだが気のせいかな?」
「フフ、あなたが持ってたグラスは、私がそのまま貰ったから安心してね。」
タブエルは寝る前に見たワインを思い出す。色はとても濃い赤色だった。香りを嗅ぎ口に含めば鼻から芳醇な果実の香りが鼻をぬける、だがその後の記憶が無い、空の人族は魔法で体内の浄化も可能だが、ほとんどの人はそれをしないのはお酒の余韻を楽しむ為だ。酔いとセットでそれを楽しむ、タブエルも当然それを選び今に至る。タブエルが遠い目をしてると、ライラは空間ポッケからワインが入っていた空のピンを取り出し、タブエルの前に置いた。
「フフッ、試作のお酒はまだあるわ、今土の精霊に頑張って貰ってるの、ちなみに昨晩呑んだお酒のアルコールの強さはワインの10倍、ちなみに今仕込んでもらってるのは更に倍、水の精霊には水の浄化を光の精霊には悪酔い防止を掛けてもらってね。新作はまた次の機会にね。そのお酒の近くは火の精霊を立ち入り禁止にして貰ってるの、なぜかあの子達が近くと燃えちゃうのよ。」
危ないでしょ?とライラはコロコロと笑う、タブエルはライラの様子を見てため息をつくと、力無く机に頭を着け空瓶をぼんやりと見つめ昨晩のことを思い出した。確か昨日はあの瓶いっぱいにワインが入ってた筈だ。
タブエルはライラの顔を見て思う、あのワインを呑みきってもいつも通りのこの表情、しかも浄化の魔法は掛けた様子もない、もしお酒を呑み浄化魔法を掛ければ、光の精霊の残滓が寝るまで残る。タブエルはため息をライラに気が付かれない様にして吐きボヤく完全に負けだ。
「ライラに勝てる気がしない、」
「フフッ、まだまだアレじゃ足りないわ、目標は昨日のあなた。」
どんなけー!とタブエルが叫んだとか叫んでないとか、
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