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間話
お茶会4
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マタルに案内をされシャム達が色とりどりなお菓子が並ぶテーブルの席に着くと、メイドが香り高い紅茶を入れ静かに部屋の隅へ離れればお茶会は始まる。マタルは微笑みながら参加者一人一人に気を配りながら話す。
「皆様のドレスは皆お揃いなのですね。とても斬新で可愛らしいのでしょう。ルピーとても可愛いわ。この布地不思議な手触りですね。でもいつの間に採寸なんてしたの?」
「かあさま!シャムちゃんがパチンしてドレスをきせてくれたでしゅよ!」
ルピーはシャム様の真似をする、こうでしゅよ?と人差し指と親指を重ね指を鳴らす仕草をする。もちろん音は鳴らないが仕草は可愛い、だがマタルにはそれだけでは想像できない、
パチン?マタルは首を傾げシャム様を見ると、シャム様の瞳は星のように輝き、ピンク色の小さな口元はニコニコと微笑んで、ズボッと音がなりそうな程の勢いで空間に手を入れた。
マタルは何が起きたのか分からず、シャム様が手を入れた空間を眺め観察する。時々お菓子や小さな石等を取り出しては可愛らしく首を傾げると、次々と空間にしまっていく、スケッチブックを出すとそのままテーブルに置くと、またゴソゴソと何かを探しはじめた。
シャム様の手はまるでその空間だけ水面に石を投げ入れ揺らいでいる様に見える。
(あれはなんでしょう?便利なものですね。習得出来るものなの?もし民達に)
マタルはもしあれが使えたらお菓子作りや保管にとても便利だと考えた。食料の保管は出来るのか等聞きたい事は沢山ある。ルピーの礼儀の先生をする時に空の人族の魔法も教わりたい、だが余りがっついてはしたないし印象も悪いだろう、シャム様のキラキラした瞳を見つめながらマタルはそう考えた。
一方のライラは少し焦っていた。(あら?大人サイズの少し派手なドレスを作った筈なのに無いわ、これは違うわね。)手を空間ポッケに入れてマタルのドレスを探していたが見当たらない、するとライラの目の前に風の精霊がやってきて耳元で囁く、
『乙女が手紙を書いてる。もうすぐ来るよ』
「ありがとう。精霊さんこれはお礼よ受け取って」
「おとめでしゅか?シャムちゃん、おとめってだれのことでしゅ?」
ライラはルピーに聞かれ少し考える。空の人族の役割で乙女と付くのはそんなに居ない、シャム様達長が受け継ぐと言われている始まりの乙女と、アルゲティやおばあちゃん達の祈りの乙女この2つだけだ。だが話していい事と悪い事は分かる。これは話してはいけない事だ。ライラはルピーに微笑みながら話をぼかす。
「それはね女の子の事よ、女の子はみんな可愛い乙女だからね。もちろん歳を重ねても女の子よ」
ライラは風の精霊に魔力を渡しながらマタルを見る。視線は精霊を見ている為精霊が見えているらしい、マタルは不思議な顔をしてライラと精霊を見る。
「シャム様は精霊と仲良しなのですね。」
「えぇ空の人族にとって精霊はお友達なの、他の精霊王達はこの子達を子供と呼んでいるわ、精霊は精霊王の魔力から産まれる。あの子達が話す言葉は幼い子供の様に話すわ、だけど親は目の前の子供が何を望んでいるのか分かるものよね?マタルもそうでしょ?」
「えぇ、私は親としては不足な部分も多いですが、私も母親としてルピーが何を言いたいのか分かっているつもりです。その...シャム様...もしかしてお子様が?」
「想像にお任せします。シャムは風の精霊王です。風の精霊は私の子供の様なものですよ。精霊達こちらにいらっしゃい。」
風の精霊がミューを含め部屋の中に10集まりクルクルと回る。ミューも楽しげにクルクル回る。マタルやルピーは凄いと目を輝かせ、ケーティとヒドゥリーはニコニコと手を振り笑いながらミュー達を見る。マタルはミューの不思議な服から目が離せなかった。長い耳はワインレッド色、身体と頭はオレンジ色をした布で包まれている。マタルはこの国には居ない魔物か動物なのだろうか?そう考えた。しかし残念ながら一致する魔物や動物は居なかった。もしかして空の人族の街にいるのだろうか?そこでシャム様に聞いてみることにした。
「この子は格好が可愛らしいですね。」
「ミュークルクル回ってみて」
そう言われミューはいつもライラに見せる時のように、マタルの前でゆっくりクルリと回ってから両手を広げる。ミューにとって今してる事は無理矢理ではなく全て接待なのだ。
「気に入りました?今私達の街で子供達に今流行りのなのです。あら?」
ライラは何かに気がついたのか動きを止め天井を見上げる。マタルもつい気になり天井を見ると、室内にも関わらず葉っぱが1枚ヒラリヒラリとライラの頭の上に落ちる。
風の精霊が教えてくれた手紙が来たと、ライラは大事に受け取るとポンと緑色の葉はピンク色の手紙に変わった。
マタルは手紙を大事そうに見つめるシャム様に声をかける。
「シャム様それは...手紙ですか?」
「えぇそうなの招待してもらって自分勝手ね。ごめんなさいマタル先にお茶会を始めて」
「お待ちしておりますわシャム様、それに時間は沢山あります。ですからご遠慮しないで下さい。終わるまでお喋りして待ってますわ、ねぇケーティ様ヒドゥリー様」
「もちろんです。」
ケーティもヒドゥリーも同意した為、ライラはごめんなさいね。と手紙を裏返すとやはりシャム様からの手紙だった。中身を見ればとても綺麗な文字で沢山書かれている。
『ライラ勝手な事言わないで、後私は絶対にそのドレスは着ないから!でも...ルピーがどうしてもと言うなら別よ、先生は仕方がないからやってあげる帰ったら色々話を聞かせて、もう関係の無い人を巻き込まない様にしてライラ分かった?
後司祭に連絡したら教会にダブエルが居たから、一緒に連れて来てと書いたわ、ライラはルピーとのお茶会に専念しなさい、』
手紙の内容はほぼルピーとお茶会に関する事だった。
ライラはもしかしたら?と素早く最後まで手紙を読むがアルゲティの事でまだ進展はないらしい、
ライラはお茶会の後の事を考えてみる。娘が大好きなタブエルになんて言おう、シャム様言っておいてくれないかしら?等と、お茶会終了後の事を考えると頭が痛くなる、だがライラは今は考えない様にした。
プリプリと怒っているシャム様の姿を思い出した。ニヤける頬を頬に手を当て誤魔化した。ライラは保存の魔法を掛け空間ポッケにしまう、「楽しみにしていてください」と返事をサッと書いて送る、
ライラはふとタブエルの解決策を思いつく、タブエルの初恋の相手はシャムと名乗っていた頃のトゥカーナだ。先程見せてもらったアルゲティの絵と小さなトゥカーナの絵貸して貰えないだろうか?
マタルは上を見上げ考える。上から降ってきたのは最初は葉っぱだったはずだ。今のこの国...いえ、隣国でも出来ない魔術であった。私達の常識は手紙とは一般的に人の手を介してやり取りする物、でもなぜ葉っぱ?と隣にいるケーティ様に聞き教えられ驚いた。聞けば空の人族と精霊はああして遠く離れた相手との連絡手段に使うらしい、ヒドゥリー様も同意して頷いている。空の人族は私達も見た事の無い魔法があるらしい、遠く離れた人に宛てた手紙が一瞬で届く、便利なものがあるものだと、思ったのと同時にいつか教えてもらおう、手紙を読み終えたシャム様は困った顔をして頬に手を当てた。マタルは何かあったのかシャム様を見る。手紙の相手はアルゲティ様のご両親で、過去の事をやはり許さない等と言われないかと、少しだけハラハラしてしまう、
「あら...仕方がありませんね。」
「シャム様?」
「せっかくのお茶会を中断させてごめんなさい。ルピー達の衣装はライラに作って貰ったわ、ルピー達へのドレスはライラからおちかずきのプレゼントらしいわ。もちろんケーティやヒドゥリーもね。内容は気に入ったならぜひ貰って欲しいってね。なんでもドレスを沢山作ったらしいの、」
シャム様はニッコリと笑い手紙を空間に仕舞う、マタルは壁際にいるメイドに目配せすると、メイドは1枚の手紙をマタルに手渡す。裏面を見ればライラ母様に渡して欲しい、とやはり書かれていた。マタルはシャム様の目を合わせ手紙をシャム様の前にそっと置く、
「シャム様にこちらをお渡しします。こちら先程名前が上がったライラ様宛の手紙です。手紙はエニフ王国に古くからある絵の裏に挟まっていたのです。」
あちらの絵です。とマタルに言われ見た絵に驚いた。アルゲティの横に描かれているのは、ライラの幼少時に別れそのまま消息不明になったシャムちゃんであり、小さくなったトゥカーナなのだろう、絵に近づき2人を感じるためにアルゲティの顔と小さなトゥカーナの顔を触る。
「マタル...またこの絵を見に来てもいいかしら?」
「いつでも、では毎回この絵はシャム様がこちらにいらっしゃる時にお出ししておきます。」
マタルはシャムの少し後ろに立つと、一緒にその絵を見てシャムの様子を伺う、
「えぇお願い、たまにでいいの...ごめんなさい時間がかかってしまいましたね。」
「いいえシャム様、今日は最近出来たばかりの新作のお菓子を用意しました。どうぞお召し上がりください、こちらのお菓子はアウラ様よりお預かりました。トゥカーナ様がお考えになりお作りになったお菓子です。」
「かあさまトゥカーニャのおかし!キラキラしてきれいでしゅね!」
喜ぶ娘の顔を見たマタルは、慈愛の笑みを浮かべながらルピーの頭を撫でると、扉の方に顔を向ける。
「そうねルピー。ロッテ入ってきてこちらへ」
「失礼します。」
ポットを乗せたカートを押しながら部屋に入ってきたのは、トゥカーナの侍女のロッテ、ケーティ達のお茶はすでにある。不思議な事にカートの上にあるのはポットと器だけなのを見てさらに首を傾げる。ロッテは周囲の反応を気にせずマタルの前に着くとゆっくりカーテシーをして顔を上げる。
今のエニフ王国は肌に刺す様な日差しがあり、また日が沈めば少しマシになる。その程度なのでこの国の人々は今の時期外でお茶会等しない、涼しい部屋の中で暖かいお茶を飲むのは、冷たいものを飲んで外に出てから体調を崩さない様にとの配慮もある。その一方でこの国で氷は貴重な物であり手に入れづらいというのもあるが、
「トゥカーナ様がお考えになったお菓子、ロッテと昨日から共に考えながら作り出来上がりました。」
「王妃様ありがとうございます。そして皆様御前を失礼致します。トゥカーナ様の侍女ロッテでございます。ゼリーとプリンはとても特殊な食べ物です。お嬢様がおっしゃっていたのは、形と滑らかさがとても大切です。と言っておいででした。」
ロッテはもちろん作る時は必ずそばに居た。学園に入る前トゥカーナが作ったのはプリンと少し透明感が少ないゼリー、プリンは卵と牛乳でシンプルなお菓子、もちろんプリンといったらカラメル、沢山作ったからと頂いたプリンはとても美味しく同時に感動した。
トゥカーナはゼリーを作る時、ゼラチンがあるのか聞いた時、料理長が普通に料理にゼラチンが使っていた為、無理を言ってゼラチンを貰い受けたが、調理風景を好奇心旺盛な料理長や、補佐する料理人達があれこれと手伝いをしてくれた。ガヤガヤと騒がしかったがとても充実とした日々、トゥカーナが学園に行っている間も、料理人達は舌触りの滑らかさと透明感を目指し完成した。
未だお嬢様の安否は分からないがきっと帰ってくる。ロッテはどこまででもお嬢様に着いて行くと宣言した。それなら帰って来るまでの間お嬢様のお菓子を広めておこう、そう思い口の端だけで笑う、
「こちらはチプスのゼリーでございます。甘味料を一切使っておりませんが、素材の味を生かし甘酸っぱい味に仕上げてあります。そしてこちらはほろ苦いお茶や珈琲で作られておりますので、甘い物を沢山食べた後はさっぱりとお召し上がりいただけると思います。」
ロッテは「美味しく食べて欲しい」とトゥカーナが照れ笑いながら話すのを思い出した。そしてしっかりとアピールしようとシャム達を見ながら食べ方の説明をする。
「こちらがトゥカーナ様がお考えになったプリンでございます。こちらの器はゼリーです。プリンはこちらのカラメルを掛けてお召し上がりください、」
平たい皿にお湯を入れそこにゼリーが入ったカップをほんの少しだけお湯につける。ロッテは手馴れた様子で実演して見せる。ルピーとヒドゥリーは食い入る様にロッテの手元を見る。
「ゼリーの入ってる容器はこの様にお皿にひっくり返します。」
「たいへんでしゅよ!なかがでてしまいましゅ!」
ルピーは驚いて慌てて両手で目を隠したが、小さな手の指と指の間は大きく開いていて皿の様子が丸見えなのが分かる。けど視線はずっとゼリーを見たまま、周りの大人は皆ルピーの様子が可愛くて仕方がない、ロッテは王妃に目線で許可を取ると、マタルは可愛い娘を見て微笑み頷く、
「器を取るのも面白いのですよ。お茶会の主催様でもある姫様にお願いします。」
「ルピーがしていいでしゅか?」
「はい姫様。お願いします。」
ロッテはゼリーが入ったお皿をルピーの目の前に置いた。自分の所に来ると思わなかったルピーは驚く、おっかなびっくりしながら目の前のお皿を見る。そしてマタルの膝に飛び込んできた。初めての事だから緊張したのかもしれない、
「ルピー怖いの?母様と一緒に、ゆっくり器を外しましょう。せーので外しますよ。」
「こわれないかドキドキしましゅ。かあさまぜったいにてをはなさないでくだしゃい!」
「もちろん分かってますよルピー。」
ルピーの手の上にマタルの手を乗せると、こぼれそうでこわいでしゅけど、あけましゅ!と目をギュと閉じたルピーの掛け声でゼリーの入ってる器をゆっくり外した。すると器からプルンとほんのり赤いゼリーと、中にスライスされたチプスの実が花の形をして綺麗に並べられ飾られている。恐る恐る目を開けたルピーは瞳を大きく開くと、マタルの顔を見てキラキラ光るルピーの瞳と同様に輝くゼリーを見る。
「わぁーかあさま!きれいでしゅね!」
「ルピー綺麗ですね。私はプリンを頂いても?私も器を外したいからそのままでお願いするわ、」
ロッテは頷きながら先程の工程を慎重かつ丁寧にマタルの前に静かに皿を置いた。もちろんプリンの器は外さない皿の隣に小さなカップを置くと、シャム様はロッテにこれは?と質問をすれば、ロッテはシャム様は空の人族とは知らない、1度深く頭を下げ丁寧に説明をする。
マタルはそろそろ場が温まったかしら?とシャム様を見る。現在シャム様は嬉しそうにルピーと話をしている、まだ本心を語るほどではないもう少し話をしてからね。そう判断して置かれた器を見ると全員分揃った様で全員が期待した目でマタルを見る。そして一斉に器を外しそれぞれが感想を言い合うと待ちきれないと食べ始めた。ルピーはゼリーを食べ終わりプリンを食べ始めた。ケーティ様達やシャム様とたわいもない話をして、プリンも半分なくなった。
そろそろいいだろうか?そう思ったマタルは1番聞きたいことを聞く、ワルドから聞いた事が本当かこの国の為にも確認しなければならない、
「あのシャム様ワルドから聞いたのです。もしかしたらアルゲティ様は空には帰っていないかもしれないと、ご存命なら親御様にもアルゲティ様にも謝罪したいと思っております。」
マタルは立ち上がるとシャムの方を向いて真摯に頭を下げる。
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