気がついたら乙女ゲームだった!チートって何ですか?美味しいですか?

おばば様

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帝国編

34

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 体調悪くて更新出来ていませんでしたが、また少しづつ更新していきます。

 ◆




 ライラはシャムの前に膝をつけ見上げる。見上げた先のシャムは椅子に座っているが足元は虹色の結晶で固められ動けない、ピンク色の美しい髪を風に揺れ、同じ色を持った瞳はライラを見てニコリと微笑む、

「シャム様契約をお願いします。」

「分かったわ。少しだけ待って」

 シャムの視線は少しだけ右左に揺れた。ライラの声は思い出の中の自分の母親の声と同じ少し甲高い声をしている。
 誰かが自分を連れ出した時私を抱いていた暖かい手から私は離された。母親の声は震えていたと思う、

『あなたの名前は、シ・・・シャム。さよなら私の娘、あなたは神々達の愛し子、ごめんね・・・あなたと一緒に過ごせないの』

 今となっては当時のココロの傷は癒えたと思う。けど1人で屋敷に居ると、とても寒く悲しいと思うこともあった。誰かに側にいてもらいたくても、同族は自分を怖がっていたから、怒りに任せ全員追い出した。
 悲しいと思ったその時必ず母親が自分の名前を付け呼んでくれた事を思い出す。沢山抱きしめてくれたと思う。
 もちろん産まれてすぐ連れ去られたから、母親の事を沢山知ってる訳でもない、

 ライラの声はやはり似ている、また聞けて嬉しい気持ちと、悲痛な声を上げた母親を思い出した。あの頃を思い出してしまい複雑な気持ち、シャムは1度聞けば全てを記憶し忘れる事はない、この2つの想いが混ざり合いぐちゃぐちゃになる。自分でもどうすればいいのか分からない、思わずといった感じでプイとライラから視線を逸らした。

 それでも頼んでしまったから、と素早い動きで空間ポッケから自身の純白の羽根を取り出す。プイっと横を向いたまま羽根に向かってフーっと息を吐くと、羽根は意志を持っているようにライラ手の上に落ちた。ふとシャムにひとつの仮説を考え出した。
 ライラは苦笑いしながら真っ直ぐ見ないと落とします。と忠告をするがシャムは聞く耳を持たない、昔おじいちゃんに聞いてはいたが、今も変わらず素直ではないらしい、シャムは横にプイと向たまま話す。

「ねぇ。ライラ今まで途切れたことの無い祈りの乙女の存在、私はなんで産まれなくなったのか分かった気がするの、ひとつの仮説としてだけど、お願いライラ驚かないで聞いて、あの子アルゲティはどこかで生きてる気がする。日記でトゥカーナに会って助言を貰ったと書いてあった。私の甘い期待なのかもしれないし、もしかしたら空に帰っているのかもしれない、空に帰っていないなら魂と記憶の解除を早めに行わないと、トゥカーナの人格がおかしな事になるわ、ねぇライラ本当にアルゲティは空に帰ったのよね?私は空に帰ったと報告だけ貰っているわ、
 それとライラにお願いがあるの、アルゲティが書いた日記を読ませて欲しい、絶対返すと翼に約束をする。」

「日記50冊お貸しします。ミューから貰った時にキチンと保存の魔法を掛けました。飲み物零しても文字が消えたり滲んだり破れたりもしません。」

「それなら私達も使ってます。重要な書斎や書類のみですが、凄いです!」

 ザウラクはいつの間にかライラ達のそばにいて、目を輝かせライラとシャムを見る。シャムは少し興味が出たがまだ話したいことがある。先程怒られた事で少しは空気を読める様になったザウラクは口を閉じる、それを見たライラはザウラクに微笑みかけると、ザウラクは子供の様に笑う、

「もう1つお茶会が終わって帰る時にタブエルと一緒に来て欲しい、あの人を1人で呼び出すと私の顔を見ていつもビクビクしているから面倒くさい」

「まぁ!シャム様めんどくさいなんて。あの人ったら照れ屋さんなんです。きっとシャム様が可愛すぎるから直視出来ないんですよ。大丈夫です。ダブエルが嫌がるなら首に縄をつけて連れてきますね。」 

 ライラは満面の笑みで両手で縄を掴む格好をして、エアー縄を肩に担ぎちらりと更に後ろを見て笑う、
 シャムはそれを見てヒクリと頬が吊った。なぜ縄が飛び出したのか、なぜ首に着けた後を想像してライラはニコニコしているのか、訳が分からない、後ろにいた筈のフィレムはいつの間にか隣りに来ていて、何かにすがるように見たシャムは愕然とした。フィレムはライラの真似をして笑っていた。発した言葉は楽しそうですね。シャムは頭が痛くなってきてしまい、頭を片手で押えライラ達を止める。

「フィレム毒されてはダメ、ダブエルは普通に連れてきて、いい?ライラ普通でいいのから連れてきて!」

 シャムは叫んだ。ライラの夫のタブエルはけして照れてる訳では無い、それに首に縄をつけて連れてくるなんて過激すぎるとライラに反論する。

 屋敷に篭っていた私にも聞こえてきた位に、ライラ夫婦仲はとても良い、
 ダブエルの為に料理を習い沢山作って胃袋を捕まえた。とか、
 曰くダブエルはライラに毎日愛を囁き、ライラと1人娘を溺愛している。なんて逸話もある位に家族愛がある。
 アルゲティを溺愛している事は嫌になるくらいに知っている。

「ダブエルって私のご飯を美味しいって褒めてくれて沢山食べるんです。空の人族で1番だなんて褒めるんですよ。それでですね…」

 ライラの話は止まらない、満足するまでダブエルの話を続ける。
 シャムは椅子の肘掛けに手を乗せ顔を手に乗せた。ほかの事を考えライラの話を聞き流す。

「ダブエルが好きな料理はステーキなんです。脂ものをサッパリと食べられる様に工夫しまして、白い根菜をすりおろし乗せたものを乗せたステーキが好きですね。」

 そうだ。記憶の混在してきた今、自分の屋敷がどうなってるのか気になった。記憶が混在してもわかる。あの花畑には歴代の長の番人でもある精霊がいる。あの花達が許さなければあの花畑にさえ入る事も許さないだろう、シャムは大きくため息を吐いた頃、やっとダブエルの話が終わり満足したライラはニコニコ顔だ。
 これ以上自分に興味の無い話をして欲しくないシャム、聞き流しても覚えてる自分の記憶力を改めて恨む、好きな物はステーキか、呆れた笑顔でライラを見る。契約の前に片付けたい事から始める。

「…じゃあライラの髪の毛を1本と私の羽根を1つもったわね、ライラはそのまま私の羽根を持った?説明がしにくいわね。ミューちょっと手伝ってこの枝をこう持ってくれる?」

「はい、シャム様こうです?」

 ミューはアウラの手から離れシャムの目の前に行き、その辺に落ちていた木の枝を立てて持った。
 シャムはそうそうと頷く、やはり自属性の精霊だからか可愛いとシャムはこっそりはにかんだ。

「そのままゆっくり回って半周したら木の棒と一緒に上半身だけ下げる。あっ!でも地面に着かないように回ってね。」

 ミューは指示された事と同じ様に、木の棒を持ったままゆっくり時々下に下ろしながらクルクル回る。
 シャムはミューの動きに満足して笑顔で頷く、ライラも分かったと頷く、

 シャムはミューを呼んだ。ライラの魔法が終わるまでミューはこのまま側にいてもらいたい、
 ミューが着てる猫みたいな服はふわふわでとても手触りが優しい、
 トゥカーナやアウラがしていたみたいに抱っこしたいと初めて思った。

「ミューこっちに来てくれない?」

「へっ?」

 ミューは困った。シャムを見ればポンポンと自分の膝を叩き場所をしている。風の精霊は風に乗り人々に魔力を貸して育つ、地の人族と風の精霊は仲は良好で、ミュー自身も自属性の精霊王に会う事は他属性の精霊よりも少ない、確かに精霊王に呼ばたら行くが、風の精霊は自由を基本にしている。つまり呼ばれ行きたい精霊が行く、

 ミューは風の精霊王に呼ばれた事と、契約者でもあるアウラの間をキョロキョロと見て、結局アウラが行っといでと言ったのでシャムの手の中にえい!と飛び込んだ。
 シャムは飛び込んできたミューをギュッと抱きしめる。見た目と同じでふわふわで温かい。

 今のシャムは傍から見れば可愛らしい少女がぬいぐるみを抱きしめている様に見えて、その姿はとっても愛らしい、

「シャム様、気に入りました?」

「き…気に入るわけないじゃない。私は大人なのよ。少し寒かったの、本当よ!でも可愛いわね」

「はい、分かっております。同じ物を作りましょう」

「い、いらないわよ!」

 ライラは素早くメモに書き留める。「シャム様はぬいぐるみ好き、まずは自室で抱きしめられるサイズで制作」と、ライラはそのまま一歩後ろに下がった。少し視線を逸らす振りをして、シャムの好みを更に観察しメモを取る。おじいちゃんもよくメモを取っていたと聞いた。長い時間生きる私達は物忘れもあるから、重要な事はメモを取り読み返す事で思い出す。

「柔らかい…それに温かい、ミューいつもこれを着ているの?」

「違うのよ、トゥカーナは最近私を抱っこして喜ぶ事が増えたから…」

「そうなの?この手触りとフワフワ感凄く良いわね」

 シャムは現実逃避をしていたが、あのダンスの続きを思い出した。頭の中で思い出し眉が歪むのと同時に顔がカーッと赤くなった。恥ずかしさからミューをギュッと抱きしめた。

 ライラは斜め後ろからめったに見られないシャムの百面相を初めて見て感動した。頬を紅くしながらまぁ!なんて可愛らしいんでしょう!新しいメモ帳を出し小さく今のシャムを描く、
 今のシャムの表情を帰ったら大きな絵にして自室に飾っておきたいと思った。
(ちなみにライラはとても絵心があるのだが、残念な事に娘には一切受け継がれなかった)
 ライラがシャムの絵を書き終えた頃、シャムはミューから顔を半分だけ出してボソボソと言う、

「ゆっくりと回転しながらえっと…『ミ…ミ…ミラクルミラクル☆キラキラポンポン~』って言うの、そしたら…自分の髪に私の羽根を挟み入れて唱える。羽根が落ちない様にしてね、魔法が解除されちゃうから、」

「えっ?ミ…ミ…ミラクルミラクル☆キラキラポンポン~ですか?」

 ライラはミューがしていた様にゆっくりクルクルと回る、

「ミラクルは2回、最初少し噛んだの!あと、これ私が考えた訳では無いから!初代の日記に書かれていたものよ!…ミューありがとう戻って良いわ、お礼よこれ貰って」

「こんなに沢山?精霊王様ありがとうなの、」

 名残惜しそうにミューを見送った。でもライラには強がってしまった為、何も無いようにライラを見た。

 ミューはシャムが説明しただけでライラは分かったのだから呼ぶ必要は無かったのにと、なぜ自分を呼んだのか分からなかった。
 だがギュッとシャムに抱きしめられた時、トゥカーナと出会う前の自分と同じ感じがした。毎日何をする訳でもない、他人と触れ合えない事があり寂しかったのだろうずっと広い屋敷で1人と言っていた。もしまた呼ばれたら今日の服で行ってあげようと、勝手に解釈し契約者のアウラの元に帰る。

 ライラは羽根を持ち一度ブツブツと呟く、シャムに言われた通り羽根を持ってゆっくりと回転をして『ミラクルミラクル☆キラキラポンポンポン~』と魔法を掛ける、なんだかどこかで聞いた覚えがあるような?確かアルゲティがそんな遊びをしていた気がする。
 ライラは考えながら自分の髪にシャムの羽根を差し入れた。羽根はポンと白い花に変わり髪飾りになった。
 自分の中に何か思いが溢れてくると言った方がいいのだろうか?なんとも言えない不思議な感覚になった。

 シャムは言い切った!清々しい笑顔で返事をした。ライラはこれでいいんだろう、と納得をした。

「あっそれは変身の魔法ね。呪文が恥ずかしいから先に教えたの、」

「恥ずかしいですか?きっと皆でしたら楽しいですよ?あっ!シャム様今度皆でやってみませんか?5人集まれば夢も勇気も希望も持てると思います。」

「やらないし、夢や希望も勇気もいらない!やるなら勝手にやりなさい、私は見てるだけ絶対やらない」

「分かりました。シャム様は何色が似合うか考えなくちゃ!」

「なんで参加前提なのよ!もう勝手にしなさい!」

 もう疲れたとため息をついた。まだまだシャムはやらなきゃいけない事がある、契約、これをしないと何も始まらない、未だ色は何にしようかと浮かれるライラを自分の足元に呼んだ。

「もっとギュッと私に抱きついて、」

「もっとですか?」

 抱きついた時ライラから優しい花の香りがする。母親もこんな香りだったのだろうか?等と考える。

 ライラは母親に甘える子供の様にシャムに抱きついた。この歳になって家族でもない、まさか使える主に抱き着くなんてと、紅い顔をしてライラは見上げた。

 シャムは紅い顔をしたライラを見てクスリと笑う、自分の背中から大きく純白の翼を出しライラを包み隠す。外から見れば翼を大きく出しシャムの身体は見えない、中からライラのヒュ!と息を飲んだ音がした。

 シャムは何度か深呼吸を繰り返し、甲高く鈴が鳴る様に歌う、それはライラがおじいちゃんの隠し図書室で調べたから知っていた契約の呪文だった。もちろん調べただけ、
 平等になった今禁術になっている為、長の許可なしでは使えない、使うと何らかの方法で長に連絡がいくらしいが、どんな方法で連絡がいくのかライラにはわからない、

「私は風空かざそら水土すいどラグエルのを愛した者、私は願うライラの間に契約と祝福を、」

 ピンク色の光がライラを包む、ライラの背が低くなり顔立ちもシャムとソックリ、ライラの髪色と瞳の色は変わらない、
 先程言っていたライラなら出来ると言うのはこの事だと分かった。
 ライラの髪色と瞳の色はそのまま、違う所を探すなら立ち振る舞いや話し方がシャムよりも少し落ち着いている。それ位だろう、

「シャム様行ってまいります。もちろんシャム様が淋しくない様に速く帰ってきますね。あっ!もちろん寂しかったらお手紙下さいね。すぐ帰ってきますから、」

「自分を見るってなんか不思議な気分ね。解除は髪飾りを外しなさい解除されるわ、そ…それにさ…淋しくなんてならない絶対よ!だけど無事に帰ってきてくれればいい、もう何度も言わせないで、魔法陣はこれを使って前回使ったけど、あなた達に負荷が無いように作り替えたから、」

「フフ、じゃあ魔法陣作りますね。」

 ライラは魔法陣の位置を目測で決めパチンと魔法陣を作る、
 もちろん魔法陣の端は足を結晶に固められて動けないシャムにかからないようにしてある。そのまま見送りが出来る様に、フィレムはライラに遠慮したのか、近くに椅子を作り座り「流石ね」と膝にムムを乗せ微笑み、シャムと話をしだした。

 この魔法陣の形は普通と違い四角い、先程シャムが言っていた負荷が無い魔法陣なのだろう、今から行く国は空の人族の出入りを長が禁止しているからだ。
 ライラは肘から上を大きく振りエニフ王国に行きたい人を呼ぶ。トゥカーナがいたらツッコミどころしかないガイドっぷりを見せる、

「そろそろ転移します。行きたい人は速く乗って下さいね。乗り遅れたら置いていきますよー」

 ライラは人数に合わせ魔法陣を大きくする。スワロキンに置いていかれ嘆いていたザウラクは、目を輝かせライラの横に立ちそこから魔法陣をガン見する。いつもならザウラクの暴走を止めるのはヒドゥリーの仕事だが、今はキラキラとした瞳で翼を出したライラに見惚れている。
 2人共それぞれ見ているものは違うが、質問をぶつける相手は自分になるだろう。ライラは小さく息を吐き仕方ないわねと頬に手を当てた。

「ライラ様!なんと魔法陣は四角くもなるのですか?凄いです!この文字初めて見ました。なんと書かれているのですか?」

「私はシャム様に言われ作っただけ、その文字はエニフ王国と読むの、」

 ライラは好奇心旺盛な顔で質問するザウラクをけして邪険にはしない、聞く知識は無駄ではない、その知識をどう扱うのか本人次第になるからだ。もちろん言ってはいけない事は微笑んで誤魔化す事位はする。次に話しかけてきたのはヒドゥリーで、キラキラと瞳を輝かせてライラを見る。

「わぁーライラ様、翼を出すとますます美しいです。肌も綺麗ですね何か秘訣があるのですか?」

「人はね恋をすると、とても綺麗になるの、あなたも素敵な恋が出来るといいわね」

「ありがとうございます。僕も素敵な女の子と恋が出来るのかな?」

「フフ…可愛のね。大丈夫だってあなた素敵だもの、そうだあなたが素敵な恋が出来ますようにって、魔法を掛けてあげるわ、」

 ライラは目を瞬かせる。遠目から見ていた歩く姿やオドオドとした仕草はどうみても女の子そのものだった。男の子だったんだと、目の前のヒドゥリーは俯き可愛らしいく手をモジモジとさせ時折上目遣いでライラを見る。その瞬間ライラは閃いた。頭の中で様々な衣装をヒドゥリーに着せては違う衣装に変える、先程考えた5人組の仲間に取り入れたら案外に面白そう。こうして3人目の候補が決まった。当然トゥカーナもこれに入っている。

 ヒドゥリーの声は声変わり前なのか少し高く可愛らしいし、大きな瞳についたまつ毛もフサフサしている、頬や唇もさくらんぼの様にほんのり赤い、まるで生きてるお人形さんだ。そう考えていた。
 しかし空気を読まない、否、読めない人がいる、魔術大好きで研究も好きな魔術師副団長のザウラク、目を輝かせライラに次々と質問を投げかける。ライラは眉を寄せる。

「ライラ様、ぜひ他の魔法を見せてください、私も使える様になりたいのです。それと空の人族の街はどんな魔法が使われているのですか?やはり皆さん魔法陣を作れるのでしょうか?」

「私達空の人族はそれが普通なの、あなた達地の人族と何もかわらない、もちろん翼がある無しもあるけどね、後は古い魔法を知っていて、少しだけ魔法が得意なだけよ、」

 ライラは必要以上は話さない、だが不快にさせたく無いから笑顔で話す。次々と質問を繰り返すザウラクが少し面倒になってきた。何かいい方法はないかと考えていた時だった。ザウラクが放った一言がライラの怒りに触れてしまう、
  
「あぁ。素敵!私も空の人族になりたい!空の人族ならあんな魔法やこんな魔法も自分で作れるのに」

 ライラの中で何かがプツンと切れた。思い出した事それは、魂と記憶の解除をされ日々を怯えて暮すトゥカーナの姿だった。

「いい加減にしなさい!簡単に他の種族になりたいなどと言わないで、
 あなたが空の人族になってしまうと、自分の家族と離ればなれに暮らす事になるわ、翼がある者は必ず迎えが来て空の街に連れて行かれてしまうのよ、
 私達は長い時間を生きる種族なの、あっという間に地の人族の家族は空に帰ってしまう、ねぇザウラク、あなたの家族は悲しくないと思う?」

 トゥカーナが今の両親や兄姉から愛され育てれているのを知っている。ライラは魔法で姿と気配を消し影から見守っていたから、
 もしトゥカーナの両親や兄姉がトゥカーナの事を邪険に扱っていたら、ライラは姿を見せそのまま連れ去る予定だった。地の人族の子はあっという間に大きくなる、トゥカーナが寂しくないように一緒に暮らし、トゥカーナが結婚をしたら、自分は空の人族の街に帰ればいい、とライラはそこまで考えていた。
 だがあの家族はトゥカーナを愛してくれている。それだけで満足だった。
 けど人は欲深い生き物で、手に届くとわかるとそれに手を伸ばし掴みたくなる。けどライラは大事な人を悲しませたくないだけ、忠告するだけに留める。

「ライラ様申し訳ありません。私にも両親と上と下合わせ5人家族がいます。私が魔術の話になると周りが見えなくなるので『お姉ちゃんはきちんと最後まで人の話を聞きなさい』としっかり者の妹に怒られてました。私には勿体ないくらいの妹です。」

「ザウラク良い妹さんじゃないの、それに家族が離れて暮らすのは辛いわ、じゃあもしその妹さんが、今のザウラクの様に他種族になりたい、と言ったらあなたはどう思う?悲しくないの?
 それにね…すぐに連絡が取れないと何をしているかとても不安なのよ、
 うちの子は成人したと同時に家を出て、親よりも先に…空に帰ってしまった。」

 ザウラクは足と頭を地面に着け座り込んだ。確か東の国の伝統文化だったはずだ。ゴリゴリと頭を地面に擦り付ける、ザウラクの頭の上にひとつに縛った紫色の髪は元気なさそうに左右に揺れる。

 幼少時のアルゲティもこんな事をしていたわ、ライラは昔の事を思い出していた。『母様のお手伝いをいっぱいして頑張るから絵を描く道具が欲しい』と、けど描いても描いてもアルゲティは余り上達はしなかった。
 最初買い与えた時初めに何を描くのかと、その姿を微笑ましくダブエルと2人で見ていた。描いたのは私達の絵だった。拙い文字で父さんと母さんと書いてある。
 私達は嬉しくてアルゲティを沢山褒めた。その絵に保存の魔法を掛け居間に飾った。当然アルゲティが空に帰った今も私達の見える所にあって私達を見守ってくれている。
 だがライラはそんな事をされる覚えもない、ため息をつきつつ呆れた目でザウラクを見る。

「ライラ様お願いがあります。どうか弟子にしてください、私はもう街を少し便利に豊かにしたい、」

「便利になり過ぎると逆に欲が出ないの?例を挙げるなら先程の事になるけど、ザウラク今のあなたは魔法陣の事を調べているでしょ?でもね魔力量が少ない地の人族には魔法陣は作れないの、精霊の力を借りても無駄よ諦めなさい、」

 ライラはアルゲティの忘れ形見でもあるアウラとレオニスを一瞬だけ見る。あの2人の魔力量を調べた訳では無い、もしあの2人に教えて欲しいと言われたら、長の許可を取り魔力量を調べ、もし使える様なら教えるかもしれないと考える。

 空の人族は身体を触れるだけで魔力量は分かる。ライラはけして無理強いはしない、
 娘の魂を持って産まれたトゥカーナは別、初めて会った時に抱き着いたから知っている。あの子は規格外に魔力が多かった。昔教会にいた祈りの乙女に抱きついた時の魔力量と同じ、それ以上かもしれない、

 今のトゥカーナの状況を思い出す、空の人族の長の許可があったとはいえ、今までは魂と記憶の解除をされアルゲティの記憶を持った地の人だった。

 残念な事に翼を得た事でトゥカーナは事実上空の人族になってしまっている。
 もし魂と記憶の解除の魔法の解除をすれば、翼は消えるのかもしれない、けどそれをして本当にアルゲティの魂は空に帰るのだろうか?と、

 トゥカーナは魔法を使う事に関してはまだ未熟だが、ライラの幼少時に来たあの子は転移の魔法を簡単に覚えたが、転移場所が定まらず苦労していた。練習は最初部屋から部屋の転移から始めるのだが、トゥカーナは方向を考えるのが苦手らしい、何度かお風呂場に転移して溺れかけている。母様が溺れるからとお風呂に蓋をしても中に入ってしまう為、最終的に転移の練習はお風呂場に受け止め役を配置したほど、

 魔法はそこまで簡単ではない、なぜなら沢山使って自分の得意魔法を作らないといけないからだ。
 魔法が得意な空の人族だって、自分の魔力を魔法に馴染ませる練習をしなくては上達はしない、

 …黒いモヤを探す旅に出ているトゥカーナ、もし本当の意味で祈りの乙女として覚醒してしまったら、でも長は祈りが終われば帰せると言っていた。多分帰して終わりと思っているに違いない、
 しかし覚醒してしまったら、地の人族の街には残せない可能性が高い、祈りで願いが全て叶うなんて言われたら欲深い人達の餌食になるに決まっている。

 もちろん空の人族も欲深い人はいる、幼少時に見つかったら色々と大変だ。幼い子供に善悪は分からない、その為親は分かった時点で教会に報告をして、ある程度大きくなるまでは実家で育てる。
 その為の掟もあって祈りの乙女は教会でしか会えない、外で会っても願いも聞かなくても良いと掟がある。それも教会で洗礼を受けないと掟は効果はでない、

 ライラはもう少し考える、あの子アルゲティの子供なら、と一瞬考えたがライラは余計なことを言わない、ケーティやトゥカーナ例外もあるが、なんといっても空の人族の長の許可もない、ザウラクは少し考え力強く顔を上げライラを見る。

「いいえライラ様、人々の生活が便利になれば家族と触れ合える時間が増えます。私の両親は夜遅くまで一生懸命に働き私達弟妹を大きく育ててくれました。
 学園に行く費用も私達は平民です。両親に負担をかけたか無いと言ったのですが、両親はお前が望むなら行きなさい、と…だから私は恩返しがしたい、
 作れないなら作る努力をしてから諦めたいし、自分が出来なくても本に書き留め次の世代に伝えたい、やる前から出来ないなんて私は言いたくない、お願いしますライラ様、私をぜひ弟子にしてください」

「私は弟子は取っていません。私よりも魔法に詳しいシャム様の方が…」

 シャムはライラから言われそうな事を瞬時に分かったらしい、首を激しく横に振り苦虫を噛み潰したような顔でライラを見る。

「嫌よ絶対面倒だものこの人、ライラに任せるわザウラク、ライラに聞きなさい。生活魔法なら許可する。攻撃魔法は危ないし許可しないわ」

「もう面倒だなんて!シャム様、私に丸投げしないで下さい。後から要相談でお願いします。」

「ありがとうございます。えっとシ…風の精霊王様ライラ様、私は学べるならどちらでもかまいません。よろしくお願いします。」

 ザウラクは期待に目を輝かせ2人を見るが、シャムとライラはお互い言いたい事を言ってスッキリしたらしい、そのままザウラクを放置して話し合いになった。
 シャムは指を鳴らしクルクルと髪を弄りライラを見上げて話をする、ライラはシャムを見て微笑んだ後に眉が寄った。こちらからは話の内容が分からない、

 レオニスがとても苦い顔をしてザウラクの手を後ろに引いた。そのまま少し離れた場所に連れ出した。レオニスは手で顔半分を隠し恨めし目で見る。

「ザウラクこれは命令だ。暴走して空の人族を困らせるな、先程も言ったが俺達は過去にこちらの方々に助けられている。もさシィ様が不敬をしたから罰を与える、だからザウラクを差し出せと言われたら、首に縄をつけてでも差し出すからな、…っておい!ザウラク目を輝かせて喜ぶな!王城に帰ってその姿を見せればお前に妄信的な令嬢達も目が覚めるんじゃないか?」
  
 首に紐をつけて差し出す。ザウラクはその言葉を聞きだらしなく顔が緩むのと同時にヨダレが垂れた。思わずシィとライラの方を見ながらヨダレを拭う、ザウラクには空の人族あの人達は食べ物か何かに見えるのか?

「私は女です。私の恋人は魔術と魔法なので全く関係ありません。でもお菓子の差し入れが無くなるのは寂しいのですね、甘い物は頭が疲れた時に食べるといい考えが思いつき疲れもとれます。
 団長や私への差し入れも有難く団員全員で美味しく頂いていますし、
 それに私は未来の部下のお嫁さんに来てくれるかもしれない綺麗な令嬢達に、お礼の意味を込め微笑んでいるだけなので問題はないと思います。」

「ザウラク、それを女たらしと言うんだ。」

 ライラとシャムは幸い何か話をしており気が付いていない、レオニスはすかさずザウラクのローブを掴むと引っ張り宣言を出す。

「お前は俺と留守番だ。目を離すと何するかわからん」

「そんな!変わった転移魔法陣に乗れないなんて!」

 レオニスはザウラクを留守番させると決め逃げない様にローブを掴んだ。ザウラクは逃げられないと絶望的な声を上げる。

「なんでこうなったのー!私も一緒に行きたい!」

 レオニス達のやり取りを見ていたアウラとミューは顔を見合せ苦笑いをした。もしザウラクが一緒にエニフ王国に来たらライラから離れないだろう。そして速攻で名前を間違えて呼んでしまい計画は台無しになっただろう、

「あの人の面倒なんて見切れないのよ、アウラ一緒に私も行くけど魔力無しの部屋は絶対に行かないでよ、
 あの部屋に行くと私は飛べないのよ、私達精霊は魔力で飛んでいるの、アウラはそれを分かってるわよね?」

「もちろん。その事はカーナから聞いて知っている。忠告ありがとうミュー、でも契約が済んでからミューおかしくないか?」

「き…気のせいなのよ!」

 プイ、と横を向いた姿がシャム様に似ていてアウラは笑った。精霊王と同じ属性の精霊は性格が似てると、

 ◆

 湖でスワロキンの見送りをしたケーティ、スワロキンから今回の事が終わったら精霊の話をまたと約束をした。

 湖の側には色とりどりのチプスの実が沢山生っている。
 アウラとミューに頭を下げ通り過ぎ、
 ケーティの次の目的はシャムとライラに出発の挨拶をする事、
 目の前にはモジモジと恥ずかしそうに下を向いたヒドゥリーを見つけ、後ろから驚かせようとそーっと歩きだす。

 ヒドゥリーは頬を少し赤らめ手をもじもじさせる。空を見上げ紺色の瞳を潤ませ「恋をすれば僕も…」等と独り言をいっている、

 そのヒドゥリーの後ろをケーティがじわりじわりと近づいる、ヒドゥリーはまだ気が付かない、ゆっくりと気が付かれないように歩く、
 少し離れた場所にいたレオニスはケーティに気がついたが、ケーティは口に指を当てシィーですよ。と口止めをすると、レオニスはニヤリと笑いやれやれと言った感じで肩を竦める。
 ヒドゥリーまで目と鼻の先にたどり着いたケーティは静かに深呼吸をして、ヒドゥリーに大きな声を出した。

「わーぁ!」

「うひゃー!ケーティ様!ビックリするじゃないですか?!」

「あまりにも可愛らしくモジモジとされているから、ビックリさせたくて、ごめんなさいヒドゥリー様、」

 ケーティは悲鳴も可愛いとヒドゥリーをからかった。
 ヒドゥリーは驚きすぎたのと、ライラの話が鮮明に頭の片隅に残っていた。そのまま自分の耳を押え頭を下げるが、頭から湯気が出そうな程手で隠していない耳はとても赤かった。
 恋をするとドキドキする感覚はこんな感じなのかな?とヒドゥリーは考えたが、そんな場合ではないので首を横に振り考えを振り落とす。
 ヒドゥリーにとって良かったのは、皆は幸いシャムに変装したライラに注目が集まっていて気がつく者が少なかった事だ。
 ヒドゥリーは熱が集まった顔を冷まそうと両手で頬を押え控えめに視線を上げてからキョロキョロと見渡した。自分に注目が集まってない事にホッと胸に手を当て小さく息を吐く、そして何度か呼吸をしてドキドキを落ち着かせた。先程ヒドゥリーをビックリさせた張本人のケーティは1度ヒドゥリーの方をちらりと見て目が合った。可愛らしい微笑み浮かべてからライラに頭を下げた。
 ヒドゥリーはまたビックリした感覚が蘇り顔に身体中の熱が集った感覚になった。

「ライラ様エニフ王国に行く人は全員魔法陣の上に乗りました。」

「ありがとうケーティ、ではシャム様行ってきます。寂しかったらお手紙下さいね、フフ…私宛のラブレターでもいいですよ?」

 シャムはラブレターって言葉に顔を真っ赤に染め顔を横に背けた。その顔色はライラにもフィレムにもバレバレだった。フィレムと顔を見合わせ微笑む、当の本人シャムだけがわかっていない、
 シャムは素直ではないのをおじいちゃんから聞き知っているライラだから出来る事、
 シャムは顔を背け目だけはライラを見る、ピンク色の綺麗な瞳は動揺して、あっちにキョロキョロこっちとキョロキョロして忙しそう、
 ライラはおじいちゃんからシャム様の事を沢山聞いていて知っている。シャム様はたまに照れるそこが可愛い、とおじいちゃんから幼少時に聞いた時、思わず私とシャム様はどちらが可愛いと聞いたが、笑顔で顔をくしゃくしゃにしたおじいちゃんの答えはどちらも可愛い、だった。その時は顔を膨らませ1番はライラじゃないの?とおじいちゃんに講義したが、今なら分かるシャム様はとても可愛らしい、

 ライラは口には出さないが口元は勝手に緩むサッと手で隠す。沢山の無償の愛情を受け育たないといけないのは、何も空の人族の子供だけではない産まれてすぐに離されたシャム様も同じ、世話をする人を全員追い出してから成長は背丈やココロも成長していないんだと思う、ライラは精一杯シャム様を構い愛情を渡していく、

「なんでライラにラブレター送らなきゃいけないのよ!何かあったら普通に手紙を送るわ、…気をつけて」

「はいありがとうございますシャム様、私からもお手紙沢山送りますね。」

「準備出来たんでしょ?さっさと行きなさい、ルピーと何を話しているかは、小さな子達に頼んで風で運んで聞いているわ、許可できない事は手紙を出すから、」

「フフ…行ってきます。」

 ライラが転移陣に乗り、フィレムはそっとシャムの横に立ち微笑み一緒に見送る。

「ライラ行ってらっしゃい、シィの事は任せて」

「フィレム様、シャム様の事宜しくお願いします。シャム様わがままを言ってフィレム様を困らせてはダメですよ。お腹空いたらお弁当食べてくださいね。愛情たっぷり込めましたから、」

「分かってるから速く行って、早く帰ってきて…」

 シャムは途端に恥ずかしくなってプイと横をむいた、ライラはそれが可愛くて可愛くて仕方がない、フィレムと顔を見合せ微笑み目線で語り合う、

『うちの族長可愛いでしょ?』

『えぇ本当に可愛いわ、あなたがいない間の留守は任せて』

「行ってらっしゃいライラ」

 シャムは2人のやり取りをムッとしながら見みている、不機嫌な視線に折れたのはフィレム、ライラはフィレムとの視線の会話に満足げに頷いた。
 ライラなシャムに丁寧に頭を下げ次に腕を上にあげる。細い指がパチンと音が鳴る、
 地面に描かれた魔法陣がピンク色に染り始めた。光は弱くならず、その内だんだん辺りの木々や湖はピンク色に染まり始めた。
 そろそろ転移が始まる、そう感じたのはミューで、アウラ達地の人は先程とは違う転移に驚いてあちこちキョロキョロと見ていた。ミューはアウラの片手で抱えられ残る精霊王達やルルとムムに手を振った。シャムも自分に手を振っていて驚いた。
 辺りが魔法陣と同じピンク色に染まり切ると、アウラ達はスっとその場から姿を消した。
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