気がついたら乙女ゲームだった!チートって何ですか?美味しいですか?

おばば様

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帝国編

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 アウラは先程シャムに言われた言葉が頭に残っていた。『どんな姿で帰ってきても驚くな』と、今も幼い姿なんだろうか?一瞬初めて会った時のふわふわのドレス姿のカーナを思い出すと口元が緩む、1人物思いにふけていると、横からアウラの肩をポンポンと誰かが叩く、アウラはカーナを思い出していたのにと、ムッとして叩いた張本人のワルドを見る。ワルドは「おい睨むなよ、いきなり叩いて悪かった。」と苦笑いしながら話す。

「なぁアウラ·····ほ、本当にトゥカーナ嬢の事を待ち続けるのか?」

「当たり前だ僕はカーナ以外いらない、帰って来るまで待ち続ける。たとえどんな姿になっていようともだ!」

 アウラはワルドに当たり前の事を言われ苛立った。睨みつけワルドを見るが、ワルドの瞳は心配な色を見せアウラを見ていた。
 アウラも本当に心配してくれているとわかると、睨みつける視線を緩めため息をつきワルドを見る。

「いつまでも待っているのか?アウラお前は次期国王だろ?もしかしたらアウラが生きてる間帰って·····。いやアウラ変な事を言った忘れて欲しい、」

 ワルドはアウラの歪んだ顔を見てバツの悪そうな顔をした。そのままアウラの側から離れると、オレンジ色の髪のワルドの従者キタルファの所に行くと話し始めた。

 アウラは唖然としたまま空を見上げ考える。それは先程聞いたカーナが戻って来ないかもしれないという話だ。この苛立ちを何とかしたい、不安な気持ちを落ち着かせたくて、膝の上でアウラを見上げるミューの頬を引っ張っぱろうと手を伸ばしたが、すかさずパシリと手を叩かれ睨まれてしまう、

 子供を持つとこんな気持ちになるのかな?アウラ自身に子供がいる訳でもない、この気持ちはよく分からないが、カーナと同じ精霊を契約してるから子供みたいなものかな?と少し嬉しく思うと同時に、隣に大好きなカーナがいないのはとても寂しい、祈りの乙女であるアルゲティ様の血が王家に流れているのなら、僕も何か使えないか?と考え冷静になり緩く頭を振り力なく笑う、現実逃避もいいところだ。

 カーナが黒いモヤと結晶探しをしに旅立ってから2日、そうまだ2日だ手紙に書かれている時間とは違う、
 カーナが旅立ってからの日数はまだ少ない、僕達は集まり情報整理をしてから、エニフ王国に帰る事になった。

 魔力が戻らないミクロン様はまだ大きな姿のままで、ミューから聞いたドレスを作って貰おうとライラ様を見ているが、当のライラ様はシャム様の側にいられるのが嬉しいらしくキラキラとした目でシャム様を見る、ミクロン様の視線に全く気が付いていない、当のミクロン様は気にしていないらしい、

 シャム様はライラ様のキラキラとした視線に耐えられないらしい、ツンとライラ様から視線をそらし髪をいじっているが頬はほんのり赤く口元は緩く締りがない、口には出さないだけで嬉しいんだろうな。やり取りが微笑ましい2人を横目にして、アウラは片付け始めた周りをぼんやりとながめる。

 ミラ様は使わなくなったクッションを水に戻し浄化し湖に戻した。それを見たスワロキン様が考え込み何かを思いついたらしい、自分の精霊を呼び出し指示を出す。人型の精霊は了承しすぐに消えていった。

 レオニス叔父上はフィレム様やシィ様達と話をしたい事があるとそのまま残るらしい、残るといってもエニフ王国からアウラがここに来るまでで、そこからは一緒に帰ると聞いている。

 答えを出せと言われたケーティは、自分の気持ちが決まり次第シィ様に返事をし、答え次第になるがシィ様とレオニス叔父上で今後の予定などを決める。

 アウラはこのまま自国に帰る訳にはいかない、1度エニフ王国に戻るまだアウラ達は客人の扱いだ。
 このまま帰りたいが、アウストラリス王国に帰る事をエニフ王国の陛下に報告しなければ心配されてしまう、
 カーナが予定していた王妃とルピー姫様とのお茶会、これが実現が出来ないのは残念だが次の機会になる。

 カーナもルピー姫様達に内緒で用意したお菓子がある。夏にピッタリの冷たい柑橘系のゼリー、1度試食したがとても美味しかったのだが、僕はもう少し甘くない方が良いと言うと、カーナは違う柑橘系は止めにして、コーヒーで作り出来上がりの時、小さな入れ物を一緒に出した。聞けばミルクと砂糖を煮詰めたシロップという甘い物らしい、
 1口食べればほのかに苦く香り高った。ミルクを少し入れるとこれがほろ苦で美味しい、
 僕の好みに合わせ作った素敵で可愛い婚約者のカーナ、惚れているが更に惚れ直してしまった。これをお詫びだと持って行こうと思う。
 カーナも喜んでくれるとそう思った。お菓子作りをしている時にカーナが言っていた。
『自分が作ったお菓子で笑顔になってくれるなら作った甲斐があります。』と、

 それにルピー姫様は、カーナとケーティにとても懐いていた。ケーティに絵本を貰いとても喜んでいた。そうケーティに報告を貰い知った事だ。『とても嬉しそうでした良かったです。作った甲斐がありました。次また行く機会があるのなら続きを書きたいです。』と言っていた。表情豊かなルピー姫が悲しむ顔が思い浮かぶ、

 問題はカーナの事を正直に言うべきかだ。と色々と考えてみたが、エニフ王国第2王子ワルドがいるその為、嘘をついてもすぐにバレてしまう、どうするか考え思いつく、
 ほぼ全てを見たワルドに丸投げしよう。と、アウストラリス国の直系の王族は、空の人族の血を引くものなと色々とここでは言えない事もあるが、取り引き上手なエニフ王国かアウラに何か要求されそうだ。

 色々と考え事をしていると、後ろからワルドの重い声がアウラに掛かる。ワルドもあれから色々と考えていたらしい、僕はお互い様かと苦笑いをしてワルドの方を見るがついつい先程言われた事を根に持ってしまい、少しムッとしてワルドを見る。

「ちょっといいかアウラ、おい!まだ怒ってるのか?悪かったってそう怒るなよ、
 キタルファに言われて思い出したんだ。忘れていた訳じゃない色々とあり過ぎて色々と抜けていたんだ。
 そこで再度確認したい事がある。ルピーと母上とトゥカーナ嬢のお茶会は中止だろ?」

 ワルドは両手を合わせ謝る。アウラも子供じみた怒り方はしない、少し根に持っているだけだ。どこかで発散しようと考える。確かにお茶会の話はルピー姫様が招待状を持ってきてから、いつ開催するのか等あのまま流れてしまっている。エニフ王国帰ってからトンボ帰りになると予想が出来た為、今話を合わせた方が得策だ。

「ルピーが大事に持っている絵本を知った母上は、絵本の作者にとても感激していた。そして絵本をくれたケーティも是非にとお茶会の招待状を貰ったんだが、この状態では無理だろう、
 ルピーはお茶会を開いた先で、内緒で天使様を呼ぶんだと張り切っていたが、ルピー達にこれどう話せば良いんだ?俺妹が泣く所なんて見たくない、どうしようなんて言えば良い?」

「絶対悲しまれるだろう、ルピー姫様が最後に会ったのがアルゲティの記憶しかないカーナだった筈、エニフ王国に僕が帰ってもカーナは一緒にいない、
 ケーティはシィ様に返事をするまで離れられないし、そのシィ様は当然ここを離れられない、次の機会になるだろう。」

 アウラはニヤリとワルドに笑いかけた。ワルドはアウラの笑いに冷たいものを感じ顔を引きつらせる。

「ワルドエニフ王国の陛下達への詳しい報告を頼む、僕も簡単には説明するが、僕も父上に報告が山ほどあるしそちらまで手が回らない、それにライラ様に伝えしたい事もある。」

 アウラ達はシャム様を取り囲む様に立っていた輪から離れ、隅に近い場所でボソボソと小声で話をしていた。
 離れたとはいえ皆から見えない場所ではない、少し込み入った話をしたいから、話が聞こえない場所でえらんだ。
 その時シィ様はスっと手を上げた。すると木々から小さな緑色の精霊が集まってきた。風の精霊が僕達を囲み一箇所だけ空間が空く、開いたのはシィ様の所だけだ。シィ様は僕達をチラリと見て手招きをした。
 僕とワルドは驚きつつ、呼ばれたシィ様の方にゆっくりと歩いて行く、何で呼ばれたのか分かっている。恐らくルピー姫様の事だろう、アウラはそう思いながらワルドを見る。

 シャム様はライラ様から分厚い本を何冊か受け取り読んでいた。ピンクの髪と瞳の少女の前に止まる。シャム様は本を閉じると空間ポッケにしまう。クルクルとピンク色の髪を回し話すが、何かを気にしたようにピタリと止める。ピンク色の瞳は僕達をじっと見ると、両手を胸の前で組み華がほころぶ様に微笑む、隣をちらりと見るとワルドの顔が赤い、後からからかってやろうとワルドをちらりと見ていたが、シャムは気にせずそのまま話す。

「ねぇアウラ、私の事を天使様って言ってたのは青髪のあの子の事でしょ?
 お茶会の事は是非と答えたい所だけど、この足では無理なのは分かるけどこの姿を見せたくないわ、目の前で小さな子供が泣くのはイヤなの。
 だけどせっかく呼んでくれるんだもの、代理としてライラに行かせる。それにケーティ返事はお茶会が終わってそちらのゴタゴタが終わる迄待つわ、私達空の人族にとって地の人族の時間なんて微々たるものよ。
 ライラにお願いがある、あの国の出入りを一時的に許可をする。後これを使って私を真似なさい、後禁忌以外の魔法の許可する。風の精霊達も行きたい子がいるなら好きに使っていいわ、でも子供に無理強いはダメよ、ねえお願いライラ私の友達を悲しませないで、」

「シャムお待ちください正気ですか?それに私はおじいちゃんの後を継いで、シャム様のお世話をする筈でした。しかしお役に立つことが出来ないままでしたので、今は趣味に没頭しております。いきなり言われましても、」

「そんな事を言わないで、ライラお願い出来るでしょ?初めて手を差し伸べてくれたお友達を悲しませたくないの、昔と違うから大丈夫だと思う、だけど無事に帰ってきてね、これは絶対だから、もう誰もキズついた姿を見たくないの、寂しい気持ちにさせるのもするのも、もうまっぴらごめんなの、·····ライラお願い」

「シャム様はお友達をお気に召されたのですね。分かりましたシャム様の替わりをさせて頂きます。」

 風の精霊王でもあるシィ様と光の精霊王のフィレム様と火の精霊王のルクバト様、この2人はシィ様の結晶が壊れるまで一緒に居るらしい、それを聞いたルクバト様はとても苦い顔をしていた。

 ミラ様とミクロン様とスワロキン様は、少し気になる事があるエニフ王国を見て回りたい、とスワロキン様が言うとなぜか、ミラ様の首根っこを拘束した。最初は離してと騒いでいたが、離されない事を観念したらしい、そこからミラ様が1度ミューの姿をガン見してる、
 両口端を上にあげ胸の前でプラーンと手を垂らすから余計にそう見えてしまう、
 ワルドとアウラは必死で笑いを堪えるが、ミラ様の視線の先にはアウラ達がいる、笑いそうになるアウラを見てスワロキン様も悪ふざけに参加してしまい、ミラ様の襟首を高く持ち上げた。その時「ぐぇ!」と聞こえた様な気がするが気のせいだと思う、
 ミラ様の苦しそうな表情を見たミクロン様は慌ててアワアワと止めに入るが、何を思ったのかミラ様の脚を掴んでしまった。
 精霊王の危機に青い精霊が飛び出し近くにいたムムが「大変なんですも!ミクロン様ミラ様が苦しそうなんですも!」と慌ててミクロン様を止めているが、ミクロン様の耳にはとどかない、
 正直ミラ様の周りはわちゃわちゃしていて、何が何だかわからない状態だ。
 それよりもミラ様のその姿が猫系魔物の子に見えてしまい、ワルドは吹き出しアウラは視線をそらしやり過ごした。
 ケーティだけはミラ様を離してあげて下さいとスワロキン様に抗議をしていたが、スワロキン様は「逃げるからダメだ。」と言われ「それは仕方がありませんね」と納得してしすぐに引き下がったケーティにミラ様は愕然として「すぐに諦めないで!助けてよー」とケーティに助けを求める。
 アウラは笑いの限界を迎えとうとう吹き出てしまった。

 やる事は沢山あるしカーナの事もあってなかなか笑えなかった。しかし今は少し吹っ切れ少し頭が回ってきた。ただ言いたい事は言っておきたい、そう思いシャムとライラの顔を見て頭を下げる。

「シャム様とライラ様にお願いがあります。アウストラリス王国の国王が話したい事があるそうです。本当ならカーナに呼んでもらう予定だったのですが、それもいつになるのか分かりません。アウストラリス王国に来ていただけませんでしょうか?」

「シャム様、行ってもよろしいでしょうか?」

 ライラはシャムと視線を合わせるため膝を立てる形で座り頭を下げる。
 シャムは胸の前で腕を組み、どうしようかしら?と考えるがあの子とお茶会に行ってもらいたい、ここはライラの気持ちを聞いてみようそう思った。

 シャムはここで初めて長でもある自分が決めず、判断を他人に任せる。今までなら考えられない行動だ。

 それまで空の人族は長が命じればそのまま動く人形みたいなもので、シャム自身今まで他人の意思は些細なことだと気にした事は1度も無かった。シャムは遠い昔聞いた母親の声とほぼ同じ声のライラをチラリと見てツンと横をむく、他人から見れば頬が紅いので照れ隠しとすぐにバレるが、ライラが見ていないためシャムは気にとめる事はない、
 ツンとシャムはそっぽを向きながら、ライラの気持ちを聞く、

「ライラはどうしたいの?」

「はい、私は度々あの国に隠れて行ってました。堂々と行けるなら行ってみたいと思います。最後にあの子があの場所にいたいと望んだ国ですから、」

 今まで自分が判断しなければならないと感じていたが、それを煩わしいと思ったことが度々ある。それなら色々と規制を設けよう。と少し考えまだ早いと考えを頭の隅に寄せる。

「分かったわ許可をする。でも1つだけいいかしら?お…お腹すいたわ、またオムライスとたこさんウィンナーをまた作って…欲しいの、」

「フフ、シャム様余程お気に召したのですね。沢山作っておいて良かったです。さっさどーぞ、私がいない間もこれを食べてお過ごしくださいね。」

 シャムの言葉は最後まで聞こえなかったが、隣りにいたライラには聞こえたらしい、ニコニコと嬉しそうに笑うと空間ポッケから先に丸い板を出してシャムの膝の上に乗せると、次々と四角い包みを沢山出した。シャムはライラが次々と包みを出していくが、乗せてるのがシャムの膝の上で、落ちない様に手でバランスを取らざるおえない、自分は何をやらされてるんだ?とあっけにとられライラを見る。

「ちょっとライラ!私は確かに作ってとお願いしたけど、どんだけ作ったのよ、ても…ありがとう」

「いいえどういたしまして、もしよければこちらもお召し上がりください、オムライスを作っていたら一緒に作ってしまいました。この煮物はアルゲティの大好物なんです。あの子根菜の煮物がとても大好きでした。あの子の小さな頃によく作ってと強請られたものです。」

 シャムは不思議そうな顔をして四角い包み開ける。カラフルな根菜や穴の空いた野菜等具沢山だが、全体の見た目は申し訳ないが少し茶色く、言ってはなんだが美味しそうに見えない、シャムは目を瞬き微笑むとそのままの表情で固まった。
 ライラは申し訳なさそうにしながらも栄養がありますから、とシャムに食べさせる気満々らしい、シャムは固まった笑顔のままライラを見上げる。

「ねえライラ、本当にこれがアルゲティの好物?えっとなんて言ったら良いのか分からないんだけど、オムライスと比べると地味ね、私硬い野菜苦手なの」

「ふふ、あの子は昔からよく分からない事をいう子でした。好きな食べ物もおじいちゃんと同じでしたから、シャム様食べ物の好き嫌いしますと、新しく出来たお友達に笑われますよ」

「わ·····分かったわよ。オムライス食べ終わったらこれも食べる。これでいいんでしょ?」

 ツンと顔は他所を見ながらピンク色の瞳はアルゲティの好物を見ているが、口元はへの字に曲がっている。シャムは空間ポッケに包みを収納する。収納された物はそのままの状態で保存され、外に出した瞬間から収納された物の時間が動き出し、空間ポッケから出した温かい食べ物は、出した瞬間から段々と冷えていくのよとライラは教えてくれた。
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