気がついたら乙女ゲームだった!チートって何ですか?美味しいですか?

おばば様

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帝国編

18

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すいません遅れました(´TωT`)

私はスワロキンに頷いた。

「では話をしよう、」

「ん?ちょっと待て、」

スワロキンの頭上に突然ふわりと葉っぱが落ちてきた、土属性の精霊王スワロキンは手を差し出す。ひらりと意思でもあるかの様に手の上に葉っぱが落る、そのまま魔力を送ったらしい葉っぱから手紙に変わった、手紙を裏返して名前を見た瞬間に眉を寄せ苦々しい顔をした、ゆっくりと手紙を開け早速読み始めたらしい、レモン色の瞳が文字を追っている、大きなため息を吐いた。読み終わったのだろう手紙が消えた。

「あー。ごめんもう少し待って、ルクバトが話を聞きたいらしい、支度したら来るって・・・はぁ・・・あいつ来ると話がややこしくなるんだ、暴走を止める奴が欲しいな・・・。」

黒い髪を乱暴にガシガシと掻き、空中に手を入れペンと紙のような物を取り出しテーブル乗せると、私の前で文字を書くが、私達が使う文字ではないから読めない、
(そこはアナログなんだ・・・)等と思いながら見ると、封筒が2枚出ていた。もう1通は誰に出すんだろ?

スワロキンは「もう!何て書けばいいんだ!」と更に頭を掻き出した。ミューがテーブルに手を着き背伸びをして手紙を覗こうとするので、私はミューを抱き上げ立ち上がり周りを見る。一言で言うなら1面青く眩しい、

「水の中?凄い!」

上から陽の光がキラキラと水面を照らしている。その光がこの部屋の天井を照らしているが、天井辺りから光が一定になっていた。凄い!

手をおでこに当て光を遮る様に上を見上ると、沢山の種類の魚が泳いでいる、目の前を私よりも大きな黄色の魚が横切ったり、大きな岩場には赤い小さな魚や青やオレンジ等沢山居てとても綺麗、床を見れば珊瑚や大きな貝があちこちに見える、まるで水の中にいるみたいだった。

「わぁ・・・なんて綺麗な場所」
 
「カーナより綺麗な事なんて存在しないよ。」

アウラは私の頭を優しく撫で、そのまま私の髪を掬うとそのまま口付けをすると、私の背中に手を回して腰をギューッと寄せると、何度も私の頭を撫でると「本当に目覚めて良かった」と安心した様に息を吐いている。

「フフーン!私の隠れ家なのー。良いでしょー!」

ミラは頬に手を当て優雅な微笑みを浮かべて言うが、表情と言葉が違いすぎてやっぱり戸惑ってしまう、多分ずっと慣れないなぁ。
テーブルで手紙を書いていたスワロキンは勢いよく顔を上げ、書いた手紙を丁寧に封筒にしまう、

「よし!これでいいだろう頼む来てくれ」

スワロキンは祈る様に手紙に魔力を込めると、手紙に魔法陣が映し出され上へと浮かぶ、そのまま上がると天井に入り込む様に消えた。

ミューが私の膝の上に立ち上がると、私の耳を貸してと言う私の耳をミューの所に寄せると。小さな声でこしょこしょと話す。息が耳に掛かってくすぐったい、
スワロキンは火属性の精霊王らしい、内緒話が終わると私の首に手を回した。そこで止めればいいのに、私の肩越しにアウラにちょっかいを出したらしい、仲がいいと思ったらすぐ喧嘩する。今も小声で何がを言い合っている、

「・・・おい!ミューそれは無しだろ?」

「何かしら?羨ましいのかしら?」

「アウラ様、ミューも喧嘩しないでアウラ様お菓子食べます?はい。あーんして下さい。」

「・・・カーナが積極的だ!そうだこの素晴らしい日を記念の日にしよう」

「面倒臭いと言われてお終いなのよ。」

「もう・・・アウラ様もミューもいつの間にそんなに話す様になったの?せっかく仲良くなったんですから、喧嘩しないで下さい」

私はそれ以上喧嘩しない様に宥める、アウラは満面の笑みを浮べお菓子を食べ終わると、ティーカップを手に取り優雅な仕草で紅茶を飲みティーカップを置いた、期待に目を輝かせて私を見るが、真正面に座っているミラやスワロキンの視線が生暖かい様に見えてしまう、小声でアウラにここでは恥ずかしいと言うと、じゃあ僕の番だね。と私の口元にクッキーを持ってきたので、食べない訳にもいかず食べる・・・美味しい・・・だけど恥ずかしい。

「ププッ熱いわねー。私こゆーの大好きなのー。」

「ミラは相変わらずか、先程ルクバトが来ると手紙を寄越した。これだけ精霊王が揃っているんだ、フィレムも呼んだ。」

ミラが笑いを堪えるので、私はまた更に顔が赤くなってしまう、
オヤツを食べないミューにあーんは出来ないけど、片方だけでは拗ねるかな?なんて思いミューには頭を優しく撫でた、2人は満足気に頷き合う、
何だかんだ言っても仲が良いならいいか!と私は納得する。

楕円の形をしたテーブルは白いが何か線を引いた様に所々水色をしていて、そのテーブルに合わせる様にソファが並ぶ、

ミラの隣りに座るスワロキンがいるが、視線の先を見れば、熱い眼差しで一緒のソファに座るケーティを見ている、ケーティはスワロキンと言うよりも、自分の側にいる精霊を見て、その精霊の事を聞いているらしい、その隣のソファには副団長とヒドゥリーが座り、前に座るミクロンにあれこれと聞いていた、
ケーティは精霊と話が出来るから気になるのか、それともヒロインだから気になるのかは分からない、ミラが口の周りにお菓子を着けながら優雅にお茶を飲む、ソファの横に別で貰ったお菓子が置かれているが、それには手を付けないらしい、

「やっと気が付いたのー?もしかしてそのまま起きないんじゃないの?って話していた所なのー。起きるのに時間が掛かりそうだったから全員まとめて連れてきちゃった、ここは私の部屋なのー。
フフ・・・これで少しの間、美味しいお菓子食べられるわー。ねー!お茶のおかわりまだー?」

「はーい。水の精霊王様お待たせしました。おかわりのお茶はトゥカーナ様が作られた緑茶です。」

「ありがとうーなの!んー!口の中がさっぱりするわね。ケーティは特別に私の事ミラと呼んでいいわ!」

ワゴンを押したケーティはテーブルの近くにワゴンを置き、お茶のおかわりを置いていく、ケーティと目が合った。そのローズピンクの瞳はシャムちゃんと一緒に見えるが、シャムちゃんの髪や瞳の色はもっと明るい、その瞳を見ていると何か思い出せそうなのに思い出せない、

「よし!今なら大丈夫だ、ヒドゥリー行ってくる」

「いってらしゃいませ。副団長!僕はここで応援してますね!」

ヒドゥリーに手を振ると、ローブの内側から細い瓶を何本も取り出し指の間に挟んだ、目を閉じて大きく息を吸い息を吐いた。
私達・・・いや人が魔術師達が魔法をもっと効率よく使えるようになるなら、精霊王に教えを乞う、もっと暮らしを楽になればいい、そうすれば皆の暮らしもより良い物になるだろう、いや、自分の研究の為だな。フフと笑いが漏れた、やっぱり新しい事は楽しいな、

副団長のザウラクは細長い瓶をカチャカチャと鳴らして駆け寄る、ミラの座るソファの近くの床に膝を折って座ると、頭を下げ瓶を高く上げる、ミラは立ち上がると腕を胸の前に組み、女神の様に微笑む、
この構図を見ると、それはまるで信者が女神に何かを献上している様にも見えてしまう、

「精霊王様これで採取した水は使っても・・・」

「オホホホーッ・・・!許可するわー。好きに使ってこれも美味しー!」

「ありがたき幸せでございます。新しい魔法も知りたいのですが、宜しいですか?」

「いいわよー。私新しいお菓子欲しいなー。」

「ではその様に団長に報告します。」


ミラとザウラクは話が終わると共に立ち上がり握手をした。
話の内容を聞かなければ、人類と精霊王が良好な関係を築いていると見えるだろう、しかし今のミラは自分の欲望に逆らえないだけに見える、その証拠に頬にお菓子が付いているが、それを青い精霊が優しく取り、ミラは青い精霊を撫でると、精霊は嬉しそうに上下に揺れていた。
私は気を逸らす為にテーブルの上のお菓子を見る、抹茶、紅茶のクッキーや白いふわふわなお菓子や、それに綿菓子まであった。

恥ずかしいフライングもあったけど、ケーティがここに持って来たお茶とお菓子を皆と楽しむ、お菓子は色とりどりで何を食べようか迷ったが、私は目新しいお菓子を選びそれを摘む、ふわふわマシュマロみたいに柔らかい、1口サイズなのでパクリと口に入れる。ふわふわで甘くて美味しい、中に甘酸っぱいジャムが入っている、

「美味しい!アウラ様これはもしかして・・・」

「カーナそれはワルドが持って来てくれたんだ、エニフ王国王妃様の新作。」

アウラが視線を隣に向ける。私も視線をそちらに向ける、青い瞳と合うが、ワルドは気まずそうに視線を逸らす。私何かした?それともアウラが何か言ったのかもしれない。後ろに立つ従者が気遣う様にワルドに何かを言っている、

「俺は別に・・・精霊王様達の手土産として持ってきたんだ。母上はトゥカーナ嬢のお茶会に出す予定だったらしい、その様子だと元に戻ったらしいな。」

「ワ・・・ワルド様・・・元に戻った・・・ですか?」

「本当に覚えてないのか?俺が見たのはたった半日だった。自分の事をアルゲティだと言って、拒絶されたアウラの落ち込みようが凄かった。
まぁ・・・父上に知られたら面倒だと思っていたが、それ以上の事が起きて今父上達は・・・これ以上ここで話す事ではないな・・・まぁ帰ったら嫌と言う程分かる、ここに来る前にルピーはトゥカーナ嬢に茶会の知らせを持って行ったと思うが・・・、覚えているか?」

「えっ・・・。」

ワルドに言われた事で私の頭は動き出したらしい、記憶の最後を思い出す、一瞬目の前が光った様に見えたと同時に次々と思い出していく、けど全てアルゲティとしての思い出だった。
一瞬目の前が暗くなりフワリした。



あれ?ここは?私はキョロキョロと周りを見る、
懐かしい部屋の床に引かれた畳に座っているのは私と髪の短い女の子、私はこの女の子を知っているクルミだ。
隣に分厚いノートを持ったクルミが座ると、テレビを指さし何かを言っていて、私はゲームを観覧しているらしい、その証拠にクルミがゲームのコントローラーを手に持ち、カチャカチャと操作していた、

画面を見ると会話が続いているが、文字がボヤけて見えない、だけどエニフ王国に来た時に見た教会と森が見えるその奥がほんのり光っていた。

「ミク姉ここだよ、ここでヒロインは空に祈るんだ、ここの湖は白くて魔法を通しやすいんだって、」

「ここなの?でもここは・・・」

白い砂と青い湖、特徴的な果物が奥にいくつも成っている。ここは記憶にある確か・・・アルゲティが祈った湖だったんじゃなかった?あの赤い果物はアルゲティが戦争の時に渡していた果物、
クルミはノートを指さし文字をなぞると、次はテレビ画面を指さした。画面には湖が月と花を映し湖面が揺れていて、ヒロインが湖に入ると、そこで祈るポーズを始めた。奥に黒髪と青瞳の男の人ワルドが手を伸ばしヒロインケーティを止めようとしている様に見える、

「そう。ここで祈る事で奇跡がおきるんだ、ここで隠しキャラのワルドの好感度が上がるんだけど、ここを逃すとワルドはヒロインに見向きもしない、ここが話の分岐点だね、」

「それで何が起きるの?」

「空から乙女が降りてくる、ほら!サブタイトルあるでしょ?空翼の乙女って、特徴的な髪色だからすぐ分かるよほらミク姉、乙女が来たよ、」

クルミはテレビに視線を向ける、光と一緒に降りてくる乙女、光が消え画面に映し出された映像を見て驚いた。オーキッド色の髪を揺らし降りてきたのは、えっ!?アルゲティ?!

「はぁ!これってアルゲティなの?」

「ミク姉やっと乙女ゲームに興味出た?それ開発の人がゲーム発売当時に色々な裏話を雑誌で話していたんだよ、ほらサブタイトルあるでしょ?空翼の乙女って、話題になったから売れたんだ、でも設定がユルユルだから悪役令嬢がするヒロインへの虐めも水と土責め、卒業イベントで断罪もないから、ゲーム雑誌には史上最強のユル設定って書かれてたよ、」



私が横に揺れたのを気が付いたアウラは、私の肩を優しく支え頭を撫でる、私はアウラの優しさと温かさに目頭が熱くなる。けど何で今思い出したの?

「カーナ大丈夫?」

「・・・はい、ありがとうございます。アウラ様・・・自分が覚えているのか、思い出そうとしたら色々と思い出してしまって・・・アウラ様教えて下さい。私はいったい・・・」

「思い出したくもないし、もう二度と経験したくもない、とても最悪な2日間だった。カーナは誰かに攫われた後、あのお方シャムに魂と記憶の解除を完成させられていた、攫われて帰って来てからのカーナは、自分の事をアルゲティと言っていた、そしてカーナとしての記憶が戻らなければ、あのお方はカーナを空の人族にすると言った。ちょうどカーナがどこにいるのかミラ様に相談していて、今日合う約束をしていたんだ。」

攫われた辺りの記憶を思い出そうとしても、頭の中はまだ混乱していて、スッとは出て来なかった。私は頭を横に振ると、アウラは優しく抱きしめ自身の胸に私の頭を寄せる。私はアウラの背中に手を回したアウラの優しい香りがする、自分のなのかそれともアウラのなのかそれも分からない程に鼓動が速い、

「思い出せません。でも・・・」

「いいんだカーナが無事なら・・・」

「ちょっといいか?」

スワロキンが視線を部屋の端に向け私達もそちらに視線を向けると、赤と白の魔法陣が丁度出来上がる所だった。私とアウラとケーティが立ち上がり頭を下げようとすると、スワロキンは「いらん」と私達を座らせる。

辺りが青から赤と白に染まると魔法陣は消える、その光の中から真っ赤な髪とワインレッド色のつり上がった瞳をした男の人、この人が火属性の精霊王ルクバトだと分かる、薄手の黒いシャツと同じ黒のスラックス、その上にベースが赤色で襟や所々が黒いコートを羽織り、隣にいる女の人に手を出す。
その女の人はルクバトの手を取ると、膝下まである金色の髪を揺らし魔法陣から出ると、髪色と同じ金色の瞳を私達の方に顔を向け微笑む、
ドレスの端を摘まんで前に進み、私達がいるテーブル近くに来る、白がベースのドレスだけど、金糸で何か模様を刺繍してあって神々しく見えた、私達が来た精霊王達を見ると、ルクバトが視線を上げ私達を睨む、

「待たせたな話を聞かせろ、スワロキン何故だ、こんなに地の人族がいる?こいつら必要か?」

「スワロキンお招きありがとう。それとルクバト、話し方が話し方が汚いわ、それにしてもミュー久しぶりね。話しは始まって無いのね?」

「フィレム様久しぶりなのよ。スワロキン様に待てと言われたから話しはまだなのよ」

「さて全員揃ったし、スワロキン話を聞かせてちょうだい、」

ルクバトとフィレムが一緒のソファに座ると、フィレムは私を1度見ると、視線をスワロキンに戻した。
レモン色の瞳が私をチラリと見て口を開く、ザウラクやヒドゥリーも釣られ私を見る、

「あぁ・・・。あの国は2度空の人族を襲った為、1度目に何らかの呪いが発動していた。しかも1人は翼を毟られた事でそれが強力なものになった、その羽根を持った奴の悪行が影響しているのだと思う、この地は死に絶えた土地になった。お前達は空の人族これを知っているか?」

王族に関わる私達は頷くが、ザウラクとヒドゥリーは頭を横に振るが、ワルドと従者は頷いている、

「地の人族はそれを正確に伝えてないのか、」

スワロキンは私を見るので私は手を少し上げると、スワロキンは顎で私を指す。

「その事は私が話します。まだ頭の中が混乱しているけど、」

私はアルゲティが捕まってからの話と、戦地での出来事等を話す。話が終わるとワルドは顔を顰め珊瑚が広がる床を見ていたが顔をあげ私を見る、

「モーコブ帝国は名前を忘れられた国の名前か、お前は・・・」

私はワルドの話を途中で遮った。よく分からないけど時間がない気がする。

「そこでお願いがあるんです。私をある所に・・・いえ、ケーティも一緒に連れて行って欲しい、そこである事を試したいの」

「えっ!?私ですか?トゥカーナ様!」

いきなり話を振られたケーティは慌てて立ち上がったが、スワロキンに手を下に引かれ慌てて座り直した。
ルクバトとフィレムは感情を探るように私を見る、私も譲れないと精霊王達を1人づつ見る、先に折れたのは精霊王達だった。フィレムが他の精霊王達を見て頷く、

「いいわ、けど先に説明が欲しいわね、何をする気なの?」

「詳しくは言えないのだけど、空翼の乙女を呼び出すわ、そこならエニフ王国ではないから、空の人族も来られると思う、何故って言えないけど時間が無いと思うの」

私はここにいる全員と視線を合わせる、アウラとケーティは頷き同意してくれているが、ワルドは私と目を合わせず頷いた。ミラが特大の魔法陣を作ると、ザウラクは目を輝かせそれを見る、

「じゃあ移動しましょー。ミクロンまたお願いねー」

ミラの号令で私達は転移した。
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