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学園編
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しおりを挟む爽やかな音楽が鳴っている、頭の片隅でぼんやりとそれを聞く、段々と頭が目覚め、回り出す。
最近憂鬱だった夢を見てない事に気がつき、嬉しくて飛び起きる。
「やった!今日見なかった!」
ヒラヒラと羽根が一枚目の前に落ちて、その羽根を手の上に乗せる、昔王城であった事を思い出し、慌てて姿見で全身の確認をする。髪色は全部染まっているから問題は無い、目の色もあれから変わって無い、背中も異常は無い、そこで安堵の息が出て、全身にチカラが入らずペタリと座り込み、羽根を手元に寄せ指先でクルクル回す。
「この羽根は・・・母様?それとも父様?」
何故あるのか、わからない何か用事でもあったのだろうか?私が頭を悩ませていたら、光の球が目の前で現れ、光を散らしパッと人型になっる、
「久しぶりね!私復活よ!」
「もしかしてミュー?」
「失礼しちゃうわ!忘れたの?!私が居ない間に他の精霊と魔法使って無いわよね!」
「使ってないわよ・・・。ミューおかえりなさい」
あ・・・うん、相変わらずだ・・・と1人で笑う。
今の外見で仕方が無いとぼやき、白いドレスを身にまとい、サラサラの髪は、その下のお嬢様巻きは無い、聞くと止めたと言っていた。
「ミューどうして倒れたの?」
「簡単に説明すると、強くなったの」
簡単すぎない?と聞き返し詳しく聞く、
ミューは元々精霊のチカラは強く、今までは上位の存在として生きていた。今世で私との契約でまた上の存在となったらしい・・・
強くなって帰って来る系は、ヒーロー系に良くある話しだね。
大概ピンチの時に帰って来るよね?私今・・・ピンチかも。
「音楽が終わっ・・・遅刻しちゃう!ミュー!私の髪色をお願い。」
「任せるのよ!」
髪色がパッと変わると、私は慌て急いで着替えを済ませる。
「ミュー!また後でね」
「・・・待ってるわよ!」
ミューに手を振り優雅な急ぎ足で学園に向かう、転移魔法陣は、ギリギリの時に便利と息を切らせ思う。
貴族令嬢は肩で息を切らせ、手を扇子の様にパタパタとしない。(多分)もちろん誰も居ないのを確認済み
教室前に着く前に息を整え、ハンカチで汗を拭き取れば、準備万端!すまし顔で教室に入る、
「おはようトゥカーナ?」
「アリス先生おはようございます?」
疑問形は疑問形で返します。私がすまし顔で教室に入るも誰も居ず、アリス先生だけが教壇で立っていた。
「アリス先生クラスの皆さんは?」
「トゥカーナ・・・プリントを渡しましたね?それに書いてありますよ?」
私は渡されたプリントを出す。渡された日はバタバタとしてたし、けして忘れていた訳では無い・・・きっと
「トゥカーナ・・・鞄の中に入れっ放しでしたね?」
「ごめんなさい。アリス先生」
呆れ顔でアリス先生は、仕方がない妹だわ、そこが可愛いのだけど・・・長い独り言を呟き説明する。
「今。エントランスにテーブルを置き、トランプ大会の真っ最中、途中参加は出来ないわ」
「えぇ!?」
昔不正があったからと説明され納得し、その代わり、とアリス先生は人差し指を立て、かくれんぼ、に参加出来るわ!とドヤ顔で言い放つと
かくれんぼの生徒・・・まだ集合してないのよ。と困り顔頬に手を置きため息を零す。まずはそこに行きましょう!アリス先生は私を集合場所まで連れ歩き到着する。
「ここは・・・」
辺りを見回し自分の現在の場所を確認する。
ここはグランド、大きな運動場。本当にこの場所で?アリス先生に再度確認をする。
「アリス先生本当に集合場所はここ?」
アリス先生は首を縦に下ろし、ちらほらと居る生徒に大きな声で話し始めた
「ここに居る生徒達に隠れて貰います。見つけるのは私がするわ。今から100まで数えます、見つかったら罰として補習を受けてもらいます!いきますよ!よーいドン!」
補習と聞いた生徒は必死で逃げ惑う、私はキョロキョロと辺りを見回すが、どこに逃げて良いのかわからないが、移動する速度は競歩の速さそれを目指して歩く、
普通に歩いていても迷子になるのに・・・と呟き、適当に歩みを進め、いつの間にか屋上庭園にたどり着く、
顔さえ見る事が出来ない人の声を聞いてから、あれから花畑に苦手意識を持っていて、ここに来たくは無かった。
ベンチに座り目の前で揺れる花達を見つめ、時間も忘れぼっーと・・・過ごす
「トゥカーナ見つけた!私の補習GETよ」
にこやかに笑うアリス先生を見て不安な気持ちが吹き飛び私も笑う。
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