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学園編

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森林浴を楽しんだ後、少し辺りを散策していると、いつの間にか森を抜けていた。そこは見渡す限り一面お花畑が広がっており、先程までの晴天は無く、少し肌寒く感じる程。そして辺りは霧が掛かり始め、風が優しく流れ、色とりどりの花を優しく揺らす・・・。それが何とも幻想的な世界を生み出していた。

それも今世でも前世でも見た事も無い花、なんの花だろうか?と手に取り観察するが、スィートピー?それらしい花なのだけど、違う種類の花にも見える。地面を見るとカラカラに乾いていて、綺麗な花なのに枯れてしまうのは嫌なぁ。と考え、ミューにお願いをする事に、

「ミューお願いこの花畑に地面に潤いを。」

前にミューから教えて貰った、やり方でお願いをする。ちなみに先輩ヒロインは、精霊から始まるのだけれど、ミューツンデレが言うには、

「他の精霊が来たらどうするのよ!私がトゥカーナアルゲティの契約精霊なの!浮気する気?!」

と怒られ、私はビックリして思わずごめんなさい。と謝った事件があった為。それと浮気?・・・と思わず吹き笑いをしまった為さらに怒られた。ごめん。前にそんな事がありました。そんな事を思い出している内に、

光がすぅーっと目の前にやって来た。
光から人の姿に変わると衣装も変わる・・・。何だか前世で妹達と見ていたTVの変身シーンにそっくり。何とは言わない。後ろに大きなリボンが着いていて、見た目がとても可愛らしく。白と黒の猫がいたら完璧


「任せて頂戴!この私が来たからには、花に水やりしてあげるわ!」

辺り一面私を避ける様に花にシャワーが優しく降り注ぎ、タイミングを見てパチンと指を鳴らすと、シャワーが降り止む、それと同時に晴天が戻り、その太陽の光を浴びた花達がキラキラと水滴で、輝いて見えとても綺麗!

「ミューありがとう!すごいわ!流石ね!」
「フフーン!私凄いでしょ!次魔法を使う時も呼んでね!」
「分かっているわミュー!頼りにしてますよ」

ミューはお嬢様ドリル巻きを手で背中に払い避け光になり帰って行く、私は手を振り見送る。

流石ミューツンデレね、今日まで先輩指導の元、私と一緒に沢山練習したから、雨の様にシャワーが出るのは、練習の賜物だよね!
自己満足だろうが、先輩ヒロインの様にスムーズに使える様になりたいと思う。

辺りを見渡し、少し離れた場所に休憩には丁度いい木陰がある、私は花を踏まない様に歩き、木陰で休憩をする。そこに丁度いい風が吹き抜ける、今日は暖かい。少し眠い・・・寝不足が祟った様だ・・・。少しの間だけと言い訳をしつつ、私はいつの間にか寝ていた。





どれくらい寝たのだろうか?太陽の位置はまだ低い位置にあるから、そんなには寝ていないはず。と自分に言い訳をして、とりあえず馬車がある場所まで戻る事に、迷子防止策もしていたので、目印は覚えている、腰掛けに使っていた石、目印の葉っぱを置いた大きな木があると、すぐ近くに広場があるはずだと、急ぎ足で進む

急いだ結果、私は置いて行かれてしまった様で、自業自得とはいえ、ぼんやりとしか外を見ていなかった為、どちらに向かえば良いのかさえわからない。ここに居ても仕方が無いと、半ば諦め先へ進む事にする。

帽子深く被り直して、湖へ行こう!と少しだけ安心したからだろうか?グゥーとお腹が鳴る。

私は最初に休憩した石まで戻り、そこに座ってバナナを食べる、令嬢は果物をかじりついてはいけない。皮を剥いたら半分に折り、更に半分に折り、そこから一口サイズに折る、折った残りはハンカチの上で待機。そこまでして、やっと口に入れられる。最初は不便だと感じたが慣れたと思う。そうだと信じたい!

誰も見ていないと思って気を抜くと、見ていたりするので、そこは気が抜けない。バナナのかじり付きを、家でやった時のロッテの素早い取り上げや、姉様の素早い扇子攻撃等、幼い頃は色々と貰ったものだ・・・と感傷に浸っている内に食べ終わる。

もちろん!バナナの皮はお持ち帰りです。シータに渡すと肥料になるみたいで、生ゴミのいい処理法だね、と関心しました。


私は道を歩いて湖に向かう事にしたけど、やっぱり方向がわからないので、道の真ん中に立ち棒を倒して方向を決める。棒が倒れた方向は、右決めた!しばらく歩いていると、遠く前から馬が3頭こちらへ来る、私避ける為に隅に寄り、歩いていたら、

「カーナ?どうしたの?」

聞き慣れた声を掛けられ見上げると、アウラが馬から降りてきていた、私の手をさらりと取ると、安心させる様に、両手で私の手を包みこみ、お互いに顔を見ている、私としてはちょっと恥ずかくなり、俯いていると、湖に向かう馬車はどうした?と私に聞いてくる、聞かれている当の本人は、これが本当の白馬の王子様だね。なんて他人事の様に思えてくるから本当不思議。

アウラの回りを見ると、3頭のうちの一頭は白い馬で、残りの2頭の馬はツヤツヤな黒毛の馬、学園外だと流石に1人にされない様で、アウラの護衛2人も、私が1人で歩いている事に、ビックリしていた。私はここに来てアウラに、手を握られた安心感を貰う、かなり1人は寂しかった。それを隠す為の言い訳が思いつかず、寝ていた事を話してしまう。

「アウラ様?実は馬車で気分が悪くなり、馬車の休憩時間に木陰で休憩をしている内に寝てしまった様で・・・。」
「今は大丈夫?」
「はい。今はスッキリしてます。アウラ様心配して頂き、ありがとうございます。」
「カーナ?心配するのは当然だよ!僕はカーナの婚約者だからさ」

アウラが、一緒に行こうカーナ!と手を差し出し、私は首を傾げ頬に手をあてる

「アウラ様私、馬に乗った事無いのです。」
「カーナ大丈夫!任せて!」

アウラは私の手を握ると、ヒョイと馬の背中に乗せた。私は何が起きたのかわからず、ボーゼンとしていると、ゆっくり出発するから大丈夫!とアウラは話す。

動き始めた馬にビックリして、思わずへっぴり腰になり、パカパカと蹄の音が心地よくなるが、怖いものは怖いのだ!

私は現実逃避を始めた・・・。空綺麗だなぁ。ちょっと気持ち悪いから、沢山空気吸って落ち着こう、下見たらダメだ上向こう・・・。鳥さんがピヨピヨ飛んでいて、私も飛んでいきたい!とか、あの蝶々綺麗。でも落ち着いた頃仕返しをしたい!等考えているうちに段々と湖へ近づいていく、





湖がすぐ近くなり、湖周辺が綺麗に整備されていて、辺りにお土産を売っている売店、魚屋、釣具、宿屋等色々な店がある。釣具の横が魚屋なのが、ちょっとした闇を感じさせる。

アウラと一緒に馬で到着して、湖に着くなりサラダ巻き3人娘に泣き付かれる、

「乗って来ないので、先生の馬車に乗ったのだと思いましたよ!」
「ごめんなさい。木漏れ日とそよ風が気持ち良くてうたた寝をしていたの。心配お掛けして申し訳無いです。」

3人共ご無事だから良かったです!と言ってくれた。私は嬉しくて少し泣いてしまい、ニッコリと微笑む

「ご心配頂きありがとうございます」

サラダ巻き3人娘がビックリした様子で、こちらを見ていたので、涙をハンカチで拭う、よし!
それでも私は馬上の揺れが収まらず、帰り時間まで湖傍の木のベンチから離れられなかった。帰りの時間までの間、ずっとアウラと一緒に話しをしていた、夏の休みになったら、もう一度来る約束をして、アウラは馬で帰る為に湖で別れ、私は馬車で学園に帰る

その馬車の中、令嬢達も疲れているのか、黙っていてこの中はとても静かだ、そして今日の出来事をぼんやりと考える、またあの花見れるかな?私はあの花を一輪摘んでいて、寮に着いたら花を押し花にするつもり。何だかこの花は離してはいけない、そんな気がして落ち着かない気持ちになる。

私はこちらの世界で生きる!そして学園イベントを乗り切る!そう決めたのだから。
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