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幼女編
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朝食後の語らいの後に、お父様をお見送りするそしてお父様は私に毎朝恒例行事をする。
お父様は品良く仕立てられた服装をしているのに、毎朝ハグをしないと仕事が手に付かないらしい、
手をワキワキしながらジリジリ近くお父様と、そんなお父様からジリジリ遠ざかる私、諦めろと兄様に背中を押され遂に捕まる、逃げ出そうと無駄な抵抗をするが、幼女が大人の力に叶わず力強くハグされる
「グッエ!」
貴族令嬢らしからぬ声を出てしまう、明日こそはお父様から抜け出すと誓うが、毎朝生贄の様に兄様に差し出されるのは納得がいかない、今度講義だ!
その日の午後は思い出せた事等を、ノートを書いたり、ロッテと無駄に広い庭を散歩したりして体力を付けたりして過ごした。
◆
今日は兄様の約束した日、兄様が教会から帰って来るので、我が家の広い玄関で姉様と待っていると、兄様はエメラルドの瞳を柔らかくして帰って来た。
「お兄様お帰りなさい!」
「ただいま!っ!!」
私は両手を広げパタパタと兄様に飛びつきながらお迎えをした。もちろん淑女としては失格、
幼女のした事として許して貰う、横の姉様はプルプルと震え兄様を睨み、私を兄様から引き離すと、姉様に抱っこされ連れ出される、なかなか無い抱っこに私は嬉しくて抱きつく、
姉様が離してくれなくて私は抱っこされ、大きな廊下をお喋りして歩く、
我が公爵家自慢のサロンへ着き、ロッテがお茶を入れ3人でのお茶会を開始。
兄様はサッと人払いをする。属性はおおぴらにする事は無く、魔力量は侯爵家って事で想像の範囲内になるらしい、
「教会の魔力検査ってどんな感じだったんですの?」
「大きな球に手をかざすと、属性が分かるんだ、その球の光具合で魔力量がわかる、僕の場合は火、土、水だった」
お姉様がそれを聞いて少し意外そうに呟く、
「まぁお兄様!やはり、お父様とお母様の属性だったのですね?やっぱり精霊は良い子じゃないとお願いを聞いてくれないのかしら?」
姉様は頬に手を置き首を少し傾け、小さく息を吐く、
「ボレアリスもう少し経たないと、分からないらしいんだ、精霊がいつ力を貸してくれるのか条件がまだ不明だからね」
ボレアリスは姉様の名前だ、隣りに座る姉様はことある事に私の手や身体を触る、スキンシップが多いが、私は前世での淋しさもありとても嬉しい気持ちになる。
「お姉様は来年ですね?私にお姉様の属性を教えて下さい」
「えぇ。トゥカーナのも教えてね」
姉様は微笑みながら手を握り、私も握り返す、姉様はプルプルと震え、何かをブツブツと言っている。耳をすませ聞く「やっぱり私の天使・・・」姉様が呟きを、5回繰り返した所で視線を逸らす、多分聞いてはいけない・・・。
「ボレアリス、トゥカーナが困ってるぞ」
兄様に指摘され、ハッとした姉様は私の顔を見て微笑む、あの発言がなければ、姉様の微笑みは聖女と例えられる程に美しく儚い、私はそんな姉様に見蕩れる。
「トゥカーナ約束ね」
「はいお姉様!」
私は嬉しくなりへにゃりと笑う、
今日のお茶菓子は、一口サイズのケーキやクッキー、
一口で入らないお菓子は、お嬢様らしく作法通りにして食べる。
けして無理やりに一口で行ってはいけない、これもお茶会の練習になるので、その時は姉様もロッテも厳しく躾ける、兄様は「皆通る道だ」と遠い目をしていた。何があったの?兄様?
もしクッキーを無理やり口に入れようとすると怒られる・・・是非幼女の1口で作って欲しい!
子供だけでお茶会の時は、姉様も許してくれるが、ロッテやお母様はすぐに言ってくる、令嬢らしくある為に、最近は呪文を唱えている。
「お淑やかに、そしてがっつがない!」
前世で速く食べてマサの遊びに付き合ってり、勉強教えていたりと、まるでお母さんの様に面倒を見ていた為、毎日がバタバタだった、呪文の一つでも言っておかないと、がっつきそうで怖い、
お父様は品良く仕立てられた服装をしているのに、毎朝ハグをしないと仕事が手に付かないらしい、
手をワキワキしながらジリジリ近くお父様と、そんなお父様からジリジリ遠ざかる私、諦めろと兄様に背中を押され遂に捕まる、逃げ出そうと無駄な抵抗をするが、幼女が大人の力に叶わず力強くハグされる
「グッエ!」
貴族令嬢らしからぬ声を出てしまう、明日こそはお父様から抜け出すと誓うが、毎朝生贄の様に兄様に差し出されるのは納得がいかない、今度講義だ!
その日の午後は思い出せた事等を、ノートを書いたり、ロッテと無駄に広い庭を散歩したりして体力を付けたりして過ごした。
◆
今日は兄様の約束した日、兄様が教会から帰って来るので、我が家の広い玄関で姉様と待っていると、兄様はエメラルドの瞳を柔らかくして帰って来た。
「お兄様お帰りなさい!」
「ただいま!っ!!」
私は両手を広げパタパタと兄様に飛びつきながらお迎えをした。もちろん淑女としては失格、
幼女のした事として許して貰う、横の姉様はプルプルと震え兄様を睨み、私を兄様から引き離すと、姉様に抱っこされ連れ出される、なかなか無い抱っこに私は嬉しくて抱きつく、
姉様が離してくれなくて私は抱っこされ、大きな廊下をお喋りして歩く、
我が公爵家自慢のサロンへ着き、ロッテがお茶を入れ3人でのお茶会を開始。
兄様はサッと人払いをする。属性はおおぴらにする事は無く、魔力量は侯爵家って事で想像の範囲内になるらしい、
「教会の魔力検査ってどんな感じだったんですの?」
「大きな球に手をかざすと、属性が分かるんだ、その球の光具合で魔力量がわかる、僕の場合は火、土、水だった」
お姉様がそれを聞いて少し意外そうに呟く、
「まぁお兄様!やはり、お父様とお母様の属性だったのですね?やっぱり精霊は良い子じゃないとお願いを聞いてくれないのかしら?」
姉様は頬に手を置き首を少し傾け、小さく息を吐く、
「ボレアリスもう少し経たないと、分からないらしいんだ、精霊がいつ力を貸してくれるのか条件がまだ不明だからね」
ボレアリスは姉様の名前だ、隣りに座る姉様はことある事に私の手や身体を触る、スキンシップが多いが、私は前世での淋しさもありとても嬉しい気持ちになる。
「お姉様は来年ですね?私にお姉様の属性を教えて下さい」
「えぇ。トゥカーナのも教えてね」
姉様は微笑みながら手を握り、私も握り返す、姉様はプルプルと震え、何かをブツブツと言っている。耳をすませ聞く「やっぱり私の天使・・・」姉様が呟きを、5回繰り返した所で視線を逸らす、多分聞いてはいけない・・・。
「ボレアリス、トゥカーナが困ってるぞ」
兄様に指摘され、ハッとした姉様は私の顔を見て微笑む、あの発言がなければ、姉様の微笑みは聖女と例えられる程に美しく儚い、私はそんな姉様に見蕩れる。
「トゥカーナ約束ね」
「はいお姉様!」
私は嬉しくなりへにゃりと笑う、
今日のお茶菓子は、一口サイズのケーキやクッキー、
一口で入らないお菓子は、お嬢様らしく作法通りにして食べる。
けして無理やりに一口で行ってはいけない、これもお茶会の練習になるので、その時は姉様もロッテも厳しく躾ける、兄様は「皆通る道だ」と遠い目をしていた。何があったの?兄様?
もしクッキーを無理やり口に入れようとすると怒られる・・・是非幼女の1口で作って欲しい!
子供だけでお茶会の時は、姉様も許してくれるが、ロッテやお母様はすぐに言ってくる、令嬢らしくある為に、最近は呪文を唱えている。
「お淑やかに、そしてがっつがない!」
前世で速く食べてマサの遊びに付き合ってり、勉強教えていたりと、まるでお母さんの様に面倒を見ていた為、毎日がバタバタだった、呪文の一つでも言っておかないと、がっつきそうで怖い、
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