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24話 屋上の人影
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学生時代の私は様々なアルバイトを経験した。
そのうちの1つがパチンコ店でのアルバイトで、田舎の店舗だから暇なのに時給はよかったし、何よりもバイト同士の仲が良くて働きやすいのが最高だった。
私がバイトしていた店舗は立体駐車場があり、確か6階層だったと記憶している。
1階が店舗、2階が半事務所・半駐輪場、3~5階が一般駐車場で、6階屋上駐車場はほぼ従業員専用となっていた。
これはパチンコ店でのバイトが休みだった時の話。遊びに出かけていて、バイクで帰宅中のことだった。
「あれ? こんなド平日なのに屋上に人がいるって珍しいな」
川向こうに見えるバイト先のパチンコ店、その屋上に人影が見えた。
屋上の壁から頭がひょっこり出ている。
前述したように、田舎にある店舗だったためイベント日以外はお客さんが少ない。
屋上まで車が埋まるほどお客さんは来ないし、わざわざ屋上に車を停めるお客さんもいない。
「従業員の誰かかな?」
お客さんに低層階の駐車スペースを譲るという意味で、従業員は屋上への駐車が義務付けられていたので、私は安易にそう考えた。清掃も兼ねた見回りで屋上に行くことがあったが、これまでもド平日に屋上にいたのは従業員か別契約で雇っている警備員ぐらいなもんだった。
「店外点検行ってきまーす」
翌日、夕方からのシフトで働いていた私はインカムで他の従業員に伝えた。
他のお店がどうかわからないが、私が働いていた店舗ではホール外の、例えば非常階段だったり、駐車場・駐輪場などの店外の点検および清掃を定時でおこなっていた。
「倉庫、異常なーし」
「駐輪場、異常なーし」
と言っても外注の清掃スタッフや警備員がいるため、やることはそんなに多くない。
倉庫の鍵が閉まっているかを確認したり、落書きなどをされていないかチェックしたりと、警備や清掃の漏れがないかを確認する作業だ。
そして最後が屋上のパトロール。
「屋上、異常なー、、、、、」
昨日の出来事などすっかり忘れてしまっていた私は絶句した。
昨日だってよく考えれば気づいていたはずだ。
2~5階層までの駐車場は飛び降りや落下事故防止のために安全ネットを張り巡らせているのだが、6階の屋上だけはネットが張れない。そこで屋上には3mぐらいの高さの壁3が設けられており、さらにその上に有刺鉄線付きのフェンスまで設置されている。
つまり、人間の頭が出るような高さじゃないのだ。
遠近法のこともあり、昨日私がぼんやりと遠くから見やった時はその壁の高さを疑問に思わなかったが、目の前で見るとその高さを思い知る。間違ってもその壁から頭が出ることはない。
「昨日俺が視たのは……?」
屋上点検もそこそこに、急いでみんながいるホールへと逃げ帰るのだった。
そのうちの1つがパチンコ店でのアルバイトで、田舎の店舗だから暇なのに時給はよかったし、何よりもバイト同士の仲が良くて働きやすいのが最高だった。
私がバイトしていた店舗は立体駐車場があり、確か6階層だったと記憶している。
1階が店舗、2階が半事務所・半駐輪場、3~5階が一般駐車場で、6階屋上駐車場はほぼ従業員専用となっていた。
これはパチンコ店でのバイトが休みだった時の話。遊びに出かけていて、バイクで帰宅中のことだった。
「あれ? こんなド平日なのに屋上に人がいるって珍しいな」
川向こうに見えるバイト先のパチンコ店、その屋上に人影が見えた。
屋上の壁から頭がひょっこり出ている。
前述したように、田舎にある店舗だったためイベント日以外はお客さんが少ない。
屋上まで車が埋まるほどお客さんは来ないし、わざわざ屋上に車を停めるお客さんもいない。
「従業員の誰かかな?」
お客さんに低層階の駐車スペースを譲るという意味で、従業員は屋上への駐車が義務付けられていたので、私は安易にそう考えた。清掃も兼ねた見回りで屋上に行くことがあったが、これまでもド平日に屋上にいたのは従業員か別契約で雇っている警備員ぐらいなもんだった。
「店外点検行ってきまーす」
翌日、夕方からのシフトで働いていた私はインカムで他の従業員に伝えた。
他のお店がどうかわからないが、私が働いていた店舗ではホール外の、例えば非常階段だったり、駐車場・駐輪場などの店外の点検および清掃を定時でおこなっていた。
「倉庫、異常なーし」
「駐輪場、異常なーし」
と言っても外注の清掃スタッフや警備員がいるため、やることはそんなに多くない。
倉庫の鍵が閉まっているかを確認したり、落書きなどをされていないかチェックしたりと、警備や清掃の漏れがないかを確認する作業だ。
そして最後が屋上のパトロール。
「屋上、異常なー、、、、、」
昨日の出来事などすっかり忘れてしまっていた私は絶句した。
昨日だってよく考えれば気づいていたはずだ。
2~5階層までの駐車場は飛び降りや落下事故防止のために安全ネットを張り巡らせているのだが、6階の屋上だけはネットが張れない。そこで屋上には3mぐらいの高さの壁3が設けられており、さらにその上に有刺鉄線付きのフェンスまで設置されている。
つまり、人間の頭が出るような高さじゃないのだ。
遠近法のこともあり、昨日私がぼんやりと遠くから見やった時はその壁の高さを疑問に思わなかったが、目の前で見るとその高さを思い知る。間違ってもその壁から頭が出ることはない。
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