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第4章 いろいろ巻き込まれていく流れ
79話 舞い込んだ依頼 ー 特別営業3・4日目終了 ー
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特別営業4日目の閉店後、ビービーさんからこんな報告がなされた。
「ジョージ、それにフェーレースのみんな、いつも本当にありがとうね。おかげ様でカヌウの在庫が順調になくなってきたから、あと2日だけ頑張ってもらえるかい?」
あと2日、ちょうど6月の終わりまでということだ。
「もう大丈夫なんですか?」
「あぁ。セルバイに確認したら、この調子であと2日も頑張ってもらえればいつもどおりの在庫量に戻るってさ」
俺達の会話が聞こえてたのか、ニカッと笑ったライオとミーニャがこんなことを言い出した。
「忙しいのが終わるのって、嬉しい気持ちもあるけど寂しい気持ちもあるよな」
「あっ、わかる! 忙しさに慣れてきたから、お客様とちょっと話しながら料理を出せるようになったもんね!」
すると続いてギルド職員さんまで会話に入ってきた。
「最初は大変だったけど、慣れたらスムーズにいくようになったからな」
「冒険者ギルドって普段は怖がられることが多いけど、常連さんに『おっ、今日もご苦労だな!』なんて話しかけられるようになったもんな」
「普段は煙たがられるか怖がられるかだから、あれは嬉しいよな」
みんな疲れ果ててるはずなのに、料理を食べながら会話を楽しんでいた。
初日なんてそれこそ死んだ魚のような目でご飯を食べるだけだったのにな。
「じゃあ『27日土曜日まで』っていう貼り紙を足すことにしますね。そうしないとカヌウ丼屋だって思われてしまいますし」
「あぁお願いするよ。終了後も勘違いして並ぶ人も出てくるだろうからねぇ」
ようやくこの変則的で忙しい日々が終わると考えたら安心するんだけど、ライオ達が言ってたみたいにどこか寂しくもあった。
(でも大丈夫だろうな。みんなの働きを見てたら、予定どおり7月からは日替わりの提供数も増やしてよさそうだし。まぁこれは最終日にでも話し合おうかな)
楽し気に今日の賄いのチンジャオロースーを頬張るスタッフ達。
束の間の休息ぐらいはゆっくりしてほしいので、今はまだ胸に秘めておこう。
「ジョージさん、俺達が冒険者ギルドをクビになったらここで雇ってもらえるかい?」
ついにはそんな冗談まで飛び出すほど会話が弾んでいた。
ビービーさんも「あんたをジョージの店で働かせるぐらいなら、足腰が立たなくなる年までこき使ってやるよ!」なんて乗ってたし、「まずは掃除から覚えてもらいます!」なんて珍しくニャジーがおどけて返していた。
その光景があまりにも眩しすぎて、目がくらんだ一瞬に地球の職場での出来事がフラッシュバックした。
こっちの世界で自分の店を持つことができて、可愛いスタッフや常連さん、サポートしてくれる優しい人達に囲まれて幸せだから、元の世界に戻りたいって気持ちはほとんどない。
しかしながら俺には1つだけ気がかりなことがある。
「春香、元気でやってるかなぁ?」
「ジョージ、それにフェーレースのみんな、いつも本当にありがとうね。おかげ様でカヌウの在庫が順調になくなってきたから、あと2日だけ頑張ってもらえるかい?」
あと2日、ちょうど6月の終わりまでということだ。
「もう大丈夫なんですか?」
「あぁ。セルバイに確認したら、この調子であと2日も頑張ってもらえればいつもどおりの在庫量に戻るってさ」
俺達の会話が聞こえてたのか、ニカッと笑ったライオとミーニャがこんなことを言い出した。
「忙しいのが終わるのって、嬉しい気持ちもあるけど寂しい気持ちもあるよな」
「あっ、わかる! 忙しさに慣れてきたから、お客様とちょっと話しながら料理を出せるようになったもんね!」
すると続いてギルド職員さんまで会話に入ってきた。
「最初は大変だったけど、慣れたらスムーズにいくようになったからな」
「冒険者ギルドって普段は怖がられることが多いけど、常連さんに『おっ、今日もご苦労だな!』なんて話しかけられるようになったもんな」
「普段は煙たがられるか怖がられるかだから、あれは嬉しいよな」
みんな疲れ果ててるはずなのに、料理を食べながら会話を楽しんでいた。
初日なんてそれこそ死んだ魚のような目でご飯を食べるだけだったのにな。
「じゃあ『27日土曜日まで』っていう貼り紙を足すことにしますね。そうしないとカヌウ丼屋だって思われてしまいますし」
「あぁお願いするよ。終了後も勘違いして並ぶ人も出てくるだろうからねぇ」
ようやくこの変則的で忙しい日々が終わると考えたら安心するんだけど、ライオ達が言ってたみたいにどこか寂しくもあった。
(でも大丈夫だろうな。みんなの働きを見てたら、予定どおり7月からは日替わりの提供数も増やしてよさそうだし。まぁこれは最終日にでも話し合おうかな)
楽し気に今日の賄いのチンジャオロースーを頬張るスタッフ達。
束の間の休息ぐらいはゆっくりしてほしいので、今はまだ胸に秘めておこう。
「ジョージさん、俺達が冒険者ギルドをクビになったらここで雇ってもらえるかい?」
ついにはそんな冗談まで飛び出すほど会話が弾んでいた。
ビービーさんも「あんたをジョージの店で働かせるぐらいなら、足腰が立たなくなる年までこき使ってやるよ!」なんて乗ってたし、「まずは掃除から覚えてもらいます!」なんて珍しくニャジーがおどけて返していた。
その光景があまりにも眩しすぎて、目がくらんだ一瞬に地球の職場での出来事がフラッシュバックした。
こっちの世界で自分の店を持つことができて、可愛いスタッフや常連さん、サポートしてくれる優しい人達に囲まれて幸せだから、元の世界に戻りたいって気持ちはほとんどない。
しかしながら俺には1つだけ気がかりなことがある。
「春香、元気でやってるかなぁ?」
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