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第2章 そして2章ぐらいで段々問題が起きるんだ
57話 キャトン復活!
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「ご迷惑おかけしました!」
5月28日、お客様がいない日曜日の店内にキャトンの声が響いた。
「おぉキャトン! 退院したのか!!」
「はい、すっかり元気になりました!!」
「よかった、よかったなぁ……」
営業日だけで数えても、キャトンの不在は実に10日にも及んだ。
仕事がキツいっていうのももちろんあったけど、それ以上に『看板娘の不在』が地味に影響が大きかった。
「ジョージさん、この度はうちの娘が――」
「トラージさん、そういうのは無しにしましょう! こうしてキャトンが元気になっただけで満足です。みんなの反応もそうだったでしょう?」
「えぇ。本当に申し、、、いや、ありがとうございます」
店に来る前に、家が近いみんなへの挨拶を済ませてきたと聞いた。
えっ? 誰に聞いたかって?
テンションマックスのミーニャが、走ってわざわざ教えに来てくれたんだ。
話が一息ついたので一口お茶を飲み、業務的な話をさせてもらう。
「いきなりで恐縮ですけど、キャトンの仕事の復帰はいつからにしますか? 退院したばっかりですし、あと何日か様子を見られますよね?」
さすがに退院したから則復帰、というわけにはいかないだろう、とか思ってたんだけど……。
「明日から働かせてください!」
元気すぎるキャトンの声が響く。
何となくトラージさんとサッチェさんを見やると、2人とも苦笑いしていた。
「私達もじっくり話し合ったんですが、キャトンがどうしてもと言いまして」
「それにですねぇ、本人も無理をしてるわけじゃなくて、教会でも最後の方は暇を持て余してたみたいでしてね……」
2人の言葉を受けて再度キャトンの様子を確認すると、ふんすふんすと聞こえてきそうなぐらいに鼻息を荒くして目を輝かせている。
以前の大人しくてやや引っ込み思案なキャトンからは想像できない力強さだ。
「本人が望むならやぶさかではないんですけどね。キャトン、本当に無理はしてないんだな?」
「はいっ! 無理なんてしてません! 教会でも最後の3日ぐらいはずっとイメージトレーニングをしてました!」
なんでこんなにワーカーホリックになっちゃったの!?
教会で何か変な注射とか打たれなかった!?
「じゃあ明日からお願いしようかな。月曜日は全員揃っててゆとりがあるから、少しでもキツくなったら遠慮せずにすぐ言うんだぞ? 無理して働いて倒れたりした方がみんなに迷惑がかかるからな?」
ちなみにこの注意、俺の体験談だ。
体調不良を押して無理して働いて倒れ、救急車で運ばれたことがある。
「はいっ!!」
「トラージさんもサッチェさんも、それでよろしいですか?」
「えぇ、これからも娘をお願いします」
「私は明日のお昼は手が空くので、様子を見に来ますねぇ。無理してるようだったら責任もって連れて帰りますわ」
「もぉ~、お母さんったら!」
ハッハッハッと明るく笑う3人の様子を見て、本当に無理はしてないんだろうなって思えた。
その後に保険の話をさせてもらったけど、こちらは二つ返事で了承された。
(おかえり、キャトン)
晴れ晴れとしたキャトンの笑顔を見て、明日は忙しくなりそうな気がした。
5月28日、お客様がいない日曜日の店内にキャトンの声が響いた。
「おぉキャトン! 退院したのか!!」
「はい、すっかり元気になりました!!」
「よかった、よかったなぁ……」
営業日だけで数えても、キャトンの不在は実に10日にも及んだ。
仕事がキツいっていうのももちろんあったけど、それ以上に『看板娘の不在』が地味に影響が大きかった。
「ジョージさん、この度はうちの娘が――」
「トラージさん、そういうのは無しにしましょう! こうしてキャトンが元気になっただけで満足です。みんなの反応もそうだったでしょう?」
「えぇ。本当に申し、、、いや、ありがとうございます」
店に来る前に、家が近いみんなへの挨拶を済ませてきたと聞いた。
えっ? 誰に聞いたかって?
テンションマックスのミーニャが、走ってわざわざ教えに来てくれたんだ。
話が一息ついたので一口お茶を飲み、業務的な話をさせてもらう。
「いきなりで恐縮ですけど、キャトンの仕事の復帰はいつからにしますか? 退院したばっかりですし、あと何日か様子を見られますよね?」
さすがに退院したから則復帰、というわけにはいかないだろう、とか思ってたんだけど……。
「明日から働かせてください!」
元気すぎるキャトンの声が響く。
何となくトラージさんとサッチェさんを見やると、2人とも苦笑いしていた。
「私達もじっくり話し合ったんですが、キャトンがどうしてもと言いまして」
「それにですねぇ、本人も無理をしてるわけじゃなくて、教会でも最後の方は暇を持て余してたみたいでしてね……」
2人の言葉を受けて再度キャトンの様子を確認すると、ふんすふんすと聞こえてきそうなぐらいに鼻息を荒くして目を輝かせている。
以前の大人しくてやや引っ込み思案なキャトンからは想像できない力強さだ。
「本人が望むならやぶさかではないんですけどね。キャトン、本当に無理はしてないんだな?」
「はいっ! 無理なんてしてません! 教会でも最後の3日ぐらいはずっとイメージトレーニングをしてました!」
なんでこんなにワーカーホリックになっちゃったの!?
教会で何か変な注射とか打たれなかった!?
「じゃあ明日からお願いしようかな。月曜日は全員揃っててゆとりがあるから、少しでもキツくなったら遠慮せずにすぐ言うんだぞ? 無理して働いて倒れたりした方がみんなに迷惑がかかるからな?」
ちなみにこの注意、俺の体験談だ。
体調不良を押して無理して働いて倒れ、救急車で運ばれたことがある。
「はいっ!!」
「トラージさんもサッチェさんも、それでよろしいですか?」
「えぇ、これからも娘をお願いします」
「私は明日のお昼は手が空くので、様子を見に来ますねぇ。無理してるようだったら責任もって連れて帰りますわ」
「もぉ~、お母さんったら!」
ハッハッハッと明るく笑う3人の様子を見て、本当に無理はしてないんだろうなって思えた。
その後に保険の話をさせてもらったけど、こちらは二つ返事で了承された。
(おかえり、キャトン)
晴れ晴れとしたキャトンの笑顔を見て、明日は忙しくなりそうな気がした。
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