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第1章 小説の第1章は大体説明みたいな感じだよね
13話 営業についてあれこれ決定した
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「メニューと営業方法も決めたし、必要な備品を工業区に発注しに行かないとな」
ヌコヌコとミーニャと話した数日後、悩みに悩んでようやく店の方針を決めることができた。
<営業時間>
・昼:11時~14時(ラストオーダー13時半)
・夜:17時~20時(ラストオーダー19時半)
昼夜それぞれ3時間ずつの計6時間の営業だ。俺は仕込みや管理があるから時間外も適宜休憩をとりながら働くことになるけど、たぶん半日仕事で済むと思う。
「アイドルタイムに一旦閉めれるってのもいいよなぁ」
以前勤めていた店はブラックだった。
朝、日が昇る前に出勤し、日付が変わるか変わらないかのギリギリの時間まで働く。
この労働サイクルを1ヶ月ほぼ休みなしで繰り返す日々。
しかも、会社の規定時間外にタイムカードの打刻があれば本部からお叱りを受けるため、早めに出勤して働いた時間や夜遅くまで残った時間はすべてサービス残業として処理されていた。
さらにはランチ終了後からディナー開始前の一般的にアイドルタイムと呼ばれる、お客様が少ない時間もぶっ通しで営業してたから、仕込みが終わらずそのままディナータイムに突入することも多かった。
ぶっちゃけ休憩なんて取る暇がなかった。休憩なんかしてたら確実に仕事が終わらないからね。
アイドルタイムは、ランチやディナーに比べて少ないといえどお客様はゼロではない。仕込みをしながらオーダーをこなさないといけないし、料理を出したら必然的に洗い物もでる。食材や備品の発注も時間を見てやらないといけない。
けど、ランチやディナーに比べるとお客様は少ないから、人件費のことを考えると必要以上の人員数を配置できないという魔の時間帯。
飲食業に従事している、もしくは従事していたことがある人にはそのツラさを深く共感してもらえることだろう。
それに比べると天国のような職場だ。
さすが自分の城!
<メニューと価格>
・日替わり定食(銀貨1枚)のみ
(月) ショウガ焼き定食
(火) カラアゲ定食
(水) ステーキ丼定食
(木) トンカツ定食
(金) チキン南蛮定食
(土) 焼肉定食
(日) 休み
※昼30食、夜20食限定。
ステーキ丼以外のメニューにはご飯が付き、全メニューに味噌汁と小鉢が付く定食だ。
ご飯はお代わり無料にしようかと考えたけど、冒険者を中心とした身体を動かす人の食欲は想像以上のものらしく、採算が取れそうにないため大盛り無料で妥協。
スキマ時間を見つけては街の飲食店に調査がてら食事に行ったりした。
どの店も味は悪くなかったけど、値段の高い香辛料を使えないせいかどこか一味足りない感じだった。
こちらは調味料をふんだんに使えるというアドバンテージがあるから、料理のクオリティで負けることはないだろう。
営業曜日についてだけど、王都では日曜日は極力休みを取ることが推奨されているらしいので従うことにした。っていうか休みたい。サービス業なのに日曜日休めるとか最高じゃね?
お酒を出すつもりはないから、夜遅くまで開ける必要もない。
「定食で銀貨1枚、1,000円はちょっと高い気もするけど、あんまり美味しくない料理で銅貨8枚ぐらい取ってる店も多かったし大丈夫だろ。クレーム多けりゃ値段下げればいいし」
本社や上司に伺いを立てる必要もないし、そのへんは臨機応変に対応していこう。
<営業方法>
・完全前払い、セルフ方式
「これじゃなきゃとてもじゃないけどやってられない」
受付に1人、レジ係として立ってもらう。
まだ返事はもらってないけど、脳内シミュレーションではミーニャが受付に立っていた。
・先に銀貨1枚を支払ってもらい、番号札を渡す。
・番号札は同じものが2枚あり、1枚はお客様へ渡し、もう1枚は厨房へ流す。
・料理が出来上がったら受け渡し台に料理を置き、番号を呼ぶ。
・自分の番号が呼ばれたら、お客様は自分で料理を受け取りに行き番号札を返却。
・お客様が受け取りにきたら、ご飯を大盛りか普通盛りか聞き茶碗によそう。※少盛りも可能だが割引はなし。
・料理を渡したら厨房の番号札も処理済みの箱に入れる。
「この食券代わりの番号札、食札?を工業区の職人さんに作ってもらおう」
昼の方がやや予定数が多く30食であるため、1番から30番までをお客様用と厨房用の2組ずつ作ってもらう。計60枚。
「紛失とか破損の可能性も考えて無地の札も作ってもらおう。40枚頼めば全部で100枚になるからちょうどいいね」
他にいい方法があるんだろうけど、脳みそ少なめの俺の頭じゃこれが限界。むしろよく考えたと褒めてほしい。
「つってもフードコートの呼び出しベルのシステムをパクっただけなんだけどね」
誰に聞かれたわけでもないけど、なんとなく自嘲しながら工業区へ出かける準備を始めた。
ヌコヌコとミーニャと話した数日後、悩みに悩んでようやく店の方針を決めることができた。
<営業時間>
・昼:11時~14時(ラストオーダー13時半)
・夜:17時~20時(ラストオーダー19時半)
昼夜それぞれ3時間ずつの計6時間の営業だ。俺は仕込みや管理があるから時間外も適宜休憩をとりながら働くことになるけど、たぶん半日仕事で済むと思う。
「アイドルタイムに一旦閉めれるってのもいいよなぁ」
以前勤めていた店はブラックだった。
朝、日が昇る前に出勤し、日付が変わるか変わらないかのギリギリの時間まで働く。
この労働サイクルを1ヶ月ほぼ休みなしで繰り返す日々。
しかも、会社の規定時間外にタイムカードの打刻があれば本部からお叱りを受けるため、早めに出勤して働いた時間や夜遅くまで残った時間はすべてサービス残業として処理されていた。
さらにはランチ終了後からディナー開始前の一般的にアイドルタイムと呼ばれる、お客様が少ない時間もぶっ通しで営業してたから、仕込みが終わらずそのままディナータイムに突入することも多かった。
ぶっちゃけ休憩なんて取る暇がなかった。休憩なんかしてたら確実に仕事が終わらないからね。
アイドルタイムは、ランチやディナーに比べて少ないといえどお客様はゼロではない。仕込みをしながらオーダーをこなさないといけないし、料理を出したら必然的に洗い物もでる。食材や備品の発注も時間を見てやらないといけない。
けど、ランチやディナーに比べるとお客様は少ないから、人件費のことを考えると必要以上の人員数を配置できないという魔の時間帯。
飲食業に従事している、もしくは従事していたことがある人にはそのツラさを深く共感してもらえることだろう。
それに比べると天国のような職場だ。
さすが自分の城!
<メニューと価格>
・日替わり定食(銀貨1枚)のみ
(月) ショウガ焼き定食
(火) カラアゲ定食
(水) ステーキ丼定食
(木) トンカツ定食
(金) チキン南蛮定食
(土) 焼肉定食
(日) 休み
※昼30食、夜20食限定。
ステーキ丼以外のメニューにはご飯が付き、全メニューに味噌汁と小鉢が付く定食だ。
ご飯はお代わり無料にしようかと考えたけど、冒険者を中心とした身体を動かす人の食欲は想像以上のものらしく、採算が取れそうにないため大盛り無料で妥協。
スキマ時間を見つけては街の飲食店に調査がてら食事に行ったりした。
どの店も味は悪くなかったけど、値段の高い香辛料を使えないせいかどこか一味足りない感じだった。
こちらは調味料をふんだんに使えるというアドバンテージがあるから、料理のクオリティで負けることはないだろう。
営業曜日についてだけど、王都では日曜日は極力休みを取ることが推奨されているらしいので従うことにした。っていうか休みたい。サービス業なのに日曜日休めるとか最高じゃね?
お酒を出すつもりはないから、夜遅くまで開ける必要もない。
「定食で銀貨1枚、1,000円はちょっと高い気もするけど、あんまり美味しくない料理で銅貨8枚ぐらい取ってる店も多かったし大丈夫だろ。クレーム多けりゃ値段下げればいいし」
本社や上司に伺いを立てる必要もないし、そのへんは臨機応変に対応していこう。
<営業方法>
・完全前払い、セルフ方式
「これじゃなきゃとてもじゃないけどやってられない」
受付に1人、レジ係として立ってもらう。
まだ返事はもらってないけど、脳内シミュレーションではミーニャが受付に立っていた。
・先に銀貨1枚を支払ってもらい、番号札を渡す。
・番号札は同じものが2枚あり、1枚はお客様へ渡し、もう1枚は厨房へ流す。
・料理が出来上がったら受け渡し台に料理を置き、番号を呼ぶ。
・自分の番号が呼ばれたら、お客様は自分で料理を受け取りに行き番号札を返却。
・お客様が受け取りにきたら、ご飯を大盛りか普通盛りか聞き茶碗によそう。※少盛りも可能だが割引はなし。
・料理を渡したら厨房の番号札も処理済みの箱に入れる。
「この食券代わりの番号札、食札?を工業区の職人さんに作ってもらおう」
昼の方がやや予定数が多く30食であるため、1番から30番までをお客様用と厨房用の2組ずつ作ってもらう。計60枚。
「紛失とか破損の可能性も考えて無地の札も作ってもらおう。40枚頼めば全部で100枚になるからちょうどいいね」
他にいい方法があるんだろうけど、脳みそ少なめの俺の頭じゃこれが限界。むしろよく考えたと褒めてほしい。
「つってもフードコートの呼び出しベルのシステムをパクっただけなんだけどね」
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