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第5章 光輝く大海原

第40話 宝物庫の鍵を探しに魔法族の町へ

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「ウンディーネ、何か方法無いの?」
「あることはあるが、今の段階では、厳しいかも知れんぞ?」
「厳しいと言うと?」
 マコトが聞いた。
「敵が強いんじゃ。海底神殿なんだがな、ボスがいるんじゃよ」


「そのボスはどれくらい強いの?」
 ミアが聞いた。
「今のレベルで倒せるかどうか……」
「とりあえず行ってみよう」
「本当に良いんじゃな?」
「ああ」
 マコトたちは海底神殿へ向かった。


【海底神殿 1階】
「ここが海底神殿……」
 ラミアが息を飲む。
「広いな」
「ボスはこの地下二階にいる」
 ウンディーネが言った。
「たどり着けるかな?」
「探すしかないだろうな」


 30分歩くが、先に進む階段が見つからない。
「どこにあるの~」
 ラミアが地団駄を踏む。
「まあまあ」
 手で制するが、むにっと何かを掴む。
「……」
「マコト? 何か言うことは?」
「すみません」
「……はあ。私には良いって言ったでしょ?」
「じゃあ、もっと」
「調子に乗るな!」
 ラミアに叩かれる。


「マコト、こっちの道は?」
 ミーナが横の道を指す。
「当たりかもな。行ってみよう」
「誉めて」
「でかしたぞ」
 ミーナの頭を撫でる。
「悪くない」
 ミーナは嬉しそうだった。


【海底神殿 地下一階】
『なんだ、おまえらは? この俺と相手しろ!』
 シーパイレーツが現れた。


「相手は水だな。ミーナ、雷だ」
「言われなくても。〝雷光ライトニング〟!」
 雷属性の中でもやや強力な威力を持つ〝雷光〟を放つ。
『ぐう、やるな』
「バカな。まだ、生きてるなんて!」


『こっちから行くぞ。〝津波〟』
 シーパイレーツは威力は普通だが、全員にダメージを与える水属性魔法〝津波〟を放つ。
「うわっ」


「大したことないわね」
「待て、ラミア。炎は効かないぞ」
「分かってるわよ」
「〝沸血ブラッド・ボイル〟!」
 〝沸血〟は血を沸騰させる魔法。威力は強くなくても、致命傷を与えることが出来る。
『ぐわあ。血が、血がぁ!』
 シーパイレーツは内側から蒸発した。


「先に進もう」
「マコト、血、吸わせて」
「魔力が切れ掛かったのか?」
 そう言って、首を出す。
「手首で良いわ」
 ラミアが甘噛みをして、血を吸う。
「ありがとう。もう平気よ」
「このフロアは割りと分かりやすいな」
「あそこに何かある」
 ミアが下を指差す。
「行ってみよう」


 マコトたちは下に降りて、ミアが指差した方へ向かう。そこにあったのは……
「これは黄金の書」
『よくぞ、見つけた。そなたたちに力を与えよう』
***

・マコト 勇者
攻撃:1000
守備:900
魔力:650
魔法耐性:40

・ラミア 吸血鬼族
攻撃:850
守備:830
魔力:1250
魔法耐性:55

・ミア ミイラ族
攻撃:750
守備:650
魔力:1050
魔法耐性:43

・ミーナ エルフ族
攻撃:810
守備:950
魔力:1310
魔法耐性:62

・クリス 僧侶
攻撃:680
守備:770
魔力:1160
魔法耐性:47

・マリアンナ 魔法使い
攻撃:700
守備:730
魔力:1830
魔法耐性:72

・からくりマシン モンスター
攻撃:1240
守備:1300
魔力:980
魔法耐性:51

・ウンディーネ スライム
攻撃:690
守備:1180
魔力:820
魔法耐性:???

・ミズナシ ???
攻撃:900
守備:1030
魔力:1340
魔法耐性:83

・リリア スライム
攻撃:(620)
守備:(710)
魔力:(1010)
魔法耐性:(49)

※まだ、正式な仲間ではないため、ステータスは予定値
***

『必ずや、魔物を倒すんだ』
 声は消えた。

【海底神殿 地下二階】
「まさか、こんなところに人間が来るとはな。まあ、ここで死ぬから、良いんだが。さあ、掛かってこい!」
 シードラゴンが現れた。
 シードラゴンは激しい吹雪を降らせた。
「くっ。こいつは効くな」


「ラミア、炎をでっかくいけ」
「任せといて! 〝大業火・炎爆ミレニアム・バースト〟!」
 吸血鬼族の中で最大級の最高位威力を誇る〝大業火・炎爆〟は魔力の8割を消費するが、与えたダメージの半分魔力が返ってくる。だから、実質3~4割魔力を使う計算になる。


「ぐう。なかなかやるではないか。だが、終わりだ! 〝凍結〟!」
 シードラゴンが魔法を放つ。なんと、ラミアが凍ってしまった。〝凍結〟は相手の体力を毎回約2割削っていく。こちらは動けないので、どうしようもなく、魔法を解除する方法はない。


「ラミアが死んじゃう!」
 ミアが慌てる。
「落ち着け! マリアンナ、魔法で頼む」
「分かったわ! 〝封魔・炎掌・改ディメント・フルアジャスト〟!」
 〝封魔・炎掌・改〟は相手の魔法を封じ、かつ炎のダメージを与え続ける魔法の強力版。熱で氷系の魔法の威力を下げる効果もある。


「ぬぅ。動けん」
 〝凍結〟が2割減らすなら、〝炎掌〟は3割減らす。改の場合は威力が毎回上がっていく。
「ぬわぁ。持たん、体が。燃えていく。燃え尽きる。覚えてろー!」
 シードラゴンは滅びた。ラミアに掛かっていた魔法が切れた。
「ラミア、大丈夫か?」
「マコト、寒い」


 マコトはラミアを抱き締めた。
「あっ。マコトの体、暖かい。キスして」
「ん」
「ん」
 ラミアの体を光が包み、みるみる回復していく。
「……ありがとう……」
 海底の封印が解け、魔法族の町が復活した。
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