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第3章 複雑ダンジョン~迷路地帯

第26話 迷路地帯の入り口

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「ウンディーネ様、迷路地帯の入り口はどこにあるんですか?」とマコトが聞いた。
「それじゃがな、上から見ないと分からないんじゃよ。だから、たどり着けない人がたくさんいるらしい」
「たどり着ける人もいるんですか?」
「まれに鳥使いと呼ばれるものがいるらしいが、そいつらなら簡単だろうな」
「じゃあ、私たちはどうするの?」
 ラミアがウンディーネに聞いた。
「どうするって? 〝調べる〟に決まってるだろう」

「聞いた私がバカだったわよ」
「まあ、いいじゃないか」
 ミーナがなだめる。
「迷路、楽しそう」
「迷うから気を付けてな」
 楽しそうにするミアに注意する。

「誰にも見えないところで、マコトさんと」
 クリスがムフフと笑う。
「何をするつもりなの?」
 怪しく思ったラミアが聞く。
「なんでもないわよ」

「マコトさんと迷路デート」
 マリアンナが嬉しそうにする。
「マリアンナは何をするつもりなの?」
 また、ラミアが聞く。

「私はマコトさんにパフパフ」
「それはダメ!」
 ミアの言葉にラミアが突っ込む。

「ラミアも突っ込んでばかりいないで、自分も言ったらどうだ?」
 ミーナが提案する。

「私は……マコトとキスしたい」
「えー!」
 ラミアの発言にクリスとマリアンナが不満を言う。
「結局はラミアも同じじゃないか」
 ミーナが呆れる。

「ワシは精をもらえれば満足じゃ。その代わり、ワシの胸を堪能させてやろう」
「勘弁してください。迷路で力尽きますよ」
 マコトがやれやれとウンディーネの発言に手を上げる。
「ワシとまぐわいたくないのか?」
「そういうわけじゃ」
「ウンディーネ様、進みましょう」
 しびれを切らしたからくりマシンが先を促す。


 しばらく入り口を探すが、見つからない。
「こっち側であってるんですか?」
 マコトがウンディーネに聞いた。
「だから、調べとるんだろうが」
「ようは〝分からない〟と言うことね」
 納得したようにラミアが言った。

「向こう側も調べる?」
 ミアがマコトに聞く。
「その方がいいな」
 全員で反対側へ移動する。そして、少しして「マコト、見つけた」とミアが言った。
「偉いぞ」
 マコトはミアの頭を撫でた。
「ん」

「これで迷路に入れるわね」
 ラミアが意気揚々と言った。
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