マコトが異世界で亜人と一緒に旅をして、最強になるためにチートを身に着けるけど、魔王を倒せなかった。

第３章 複雑ダンジョン～迷路地帯

第17話 カーナル水原

「ここを抜けると、水原地帯ですな」
「かなり広そうね」
「私のモンスターのスキルを使わねばなりますまい」

　マコトたちは水原地帯に着いた。
「そこまで深くないな」
「湖みたいなものですから。〝氷結〟」
　しかし、変化がない。
「おかしいですな」

「愚か者めが。ワシがいるのを忘れたか？」
　大きなゴーレムが現れた。
「お前は水ゴーレム。どうしてここに？」
「ごちゃごちゃうるさい！　勝負しろ！」

「俺が片付ける」
　マコトはゴーレムに斬りかかる。二つに分かれたが、効果はない。
「分が悪いな」
「食らえ！」
　水ゴーレムは水しぶきを飛ばした。
「きゃっ」
　マコトたちは濡れてしまった。

「大丈夫か？」
「こっち見ないで！」とラミアが叫んだ。
　しかし、見てしまった。ミアは包帯が濡れ、体が見えてしまっているし、ラミアは服が透け、ミーナは顔に怒りマークをつけている。クリスは自分の体を抱いている。

「マコト、覚悟は良いな？」とミーナが凄んだ。
「待てっ！　ん？」
　ミーナは雷を当てるつもりだ。なら、
「ミーナ、そいつをゴーレムに投げろ！」
「その前にお前だ！」
「わっ」
　マコトは避けた。雷がゴーレムに当たり、消え去った。

「なぜ避けた！」とミーナがわめく。
「殺す気か！」
「私たちは恥ずかしかったんだ」と声が小さくなる。
「マコト」
「どうした、ミア？」
　ミアはマコトの顔を自分の胸に押し付ける。
「おしおき」
　これはご褒美では？

「ぁん♡息かけないでください。くすぐったい」
「ミアも感じてるんじゃないわよ！」とラミアが怒る。
「うらやま、もといなんてことを」とミーナが言った。

　ミアたちはマコトに叱った後で、服を乾かすことに。
「全くとんでもないことになった」とミーナがため息をつく。
「はじめから、雷当ててれば」とマコトが言うと、
「お前が攻撃するからだろう」と反論される。

「はじめから分かってた」
　ミアに言われてしゅんとする。
「まあ、倒したんだし、この辺に」とクリスがなだめると、
「クリスだって、恥ずかしかったんでしょ？」とラミアに言われる。
「それはそうだけど……」
　クリスはもっと見せてもよかったとゴニョゴニョ言って、ラミアに怒られる。

「そろそろ行きませんか？」
「そうだな」
「では、〝氷結〟！」
　水原が氷り、通れるようになった。
「この先は水の洞窟ですな」

「どこにもないぞ？」
「水ですから」とからくりマシンが解説する。
「分かったわ」とラミアが言った。
「マジか」
「ええ。水の中・・・なんでしょう？」と聞くと、
「左様」とからくりマシンが答えた。
「そういうことか」
「行きましょう」