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第1章

いきなり

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 主人公いつきと彼のメイドちひろは雇い主から残酷な宣告を受ける。
「いつき、ちひろ、君たちは明日からここへ行ってくれ」
「えっ、ここって」
 いつきは紙を見て驚く。
「ここって、無人島・・・ですよね?」
「ああ。最近はごく最小限の資源などは置いてあるらしい。しばらくこの会社を閉めるから、そうだな。2ヶ月は行ってくれ」
「そんなに?」

「旅費は出す。船を出せば、隣町まで行けるし買い物も出来るが、島にあるもので何とかしてくれ」
「買い物に使う費用は出ないのですか?」
 メイドのちひろが尋ねる。
「残念ながら、無理だ」
「そんな」
「最近は経費がかさみ、余分に出せる金がないのだ」
 しかし、いつきは知っていた。雇い主が無駄遣いをしていることを。

「いつき、頑張りましょう。私がいますから」
「ちひろ、ありがとう」
「決まったみたいだな。無人島までは船で一人3000円かかる。2ヶ月経ったらこっちから迎えに行く。それまではこれで頼む」
 いつきは1万円受けとる。
「時間はどれくらいかかるんですか?」
「片道3時間だ」
「結構ありますね」

「ここから船乗り場に向かうからここに来てくれ。準備があるから今日は帰っていい」
「分かりました」
 いつきとちひろは家に帰った。

「大変なことになりましたね」
「ええ。私、そんなに下着持ってないのよ」
「買いに行きます?」
「……エッチ」
「そういう意味じゃないですよ」
 あわてて弁解する。
「クスクス。分かってますよ」
 いつきはハプニングでちひろの着替えを見てしまったことがある。ちひろの体はきれいで、胸も発達している。

「いつき、エッチなこと考えてますね?」
「ギクッ」
「分かりやすい反応ですね。いつきには下着姿見られてるので、余計恥ずかしいです」
「ごめん」
「謝らなくて良いです。いつきになら見られても平気です」
 ちひろが服に手を掛ける。
「早く用意しちゃおう」
「そうですね」
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