あんたは俺のだから。

そらいろ

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相互-sougo-2

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「み、きや?夜ご飯……っ」
「朱ちゃんでいいや」

 忍ばせた手で腰を引き寄せ、寝室に誘導される。
 突然でよろつく足取りも支えられ、優しくベッドへと俺を押し倒すと、樹矢はじっと俺を見ていた。

「何?」

 行為の続きをすぐにしてこない。

「ほんと、可愛い……」

 緩んだ頬と細くなる目が一瞬見えて、視界は樹矢の顔でいっぱいになる。
 深く、深く口付ける。舌をゆっくり出せば直ぐに絡み取られ、俺の口内を堪能する。次第に唾液の混ざる音が鳴り始めて、無意識に吐息もお互いの間から漏れる。

「……っん、…ふ、っ…ん……」

 決して声を出しては行けない訳じゃない。むしろ樹矢以外誰にも聞かれる事が無いその声は、それすらも食い尽くすように欲深く貪られる。
 吐く息も間々ならないのに、強欲は止まらない。苦しくなってきて、どんどん乱れるのが分かる。そして下腹部も疼きだしていた。

「っ……ん、はぁ…!ぁ!っ……」

 左手は俺の頭を撫でるように添え、右手はついに大きく盛り上がり始める俺のモノを取り出した。

「トロトロ……エッチなんだから、俺の朱ちゃん……」


 ゆるりと動き始めるその手は、俺のそそり立つそれを包んで優しく上下に動き始める。優しさしか伝わってこないその動きに、幸せをまた感じる。

「朱斗さん。幸せって……なんだろね」

 付き合う前、一度呑みに行った時に聞かれた質問が脳裏に過ぎった。同時に、志御さんの何処か虚ろ気な欠けた何かを探している表情も浮かぶ。


「っん…、ぅ…ぁ、ん。みぃ、くん?」
「ん……?何?」

 動く手は止まらない。樹矢は俺を真っ直ぐ見て伺う。

 次々に襲ってくる快感に喘ぐ声で聞きたい事がかき消されないように精一杯に我慢し、俺は樹矢に聞く。

「い、ま……幸せ?」

 ピタリと手の動きが止まり、俺は樹矢を見るとその瞳にはお互いが綺麗に映った。寝室の時計が時間を刻む音をさっき以上に響かせている。どれだけ経っただろう。いや、さほど時間は経過していないのかもしれない。

 次に音を奏でたのは、俺と樹矢の口づけを合わせたリップ音だった。

「朱ちゃんが幸せなら、俺は幸せだよ。出会った時以上に朱ちゃんに惚れちゃってて、きっと朱ちゃんもそうだと思ってるよ?」
「俺は……樹矢とこうして居れて、幸せだ」
「二人で居れるってだけ?」

 その眼差しは、樹矢の意地悪なスイッチが入っていた。

「……樹矢を撮ってる時、ご飯を美味そうに食べる時、見送ってくれる時、おやすみって腕の中で言えた時、俺を……俺の事をこうして、抱いてくれる時……。全部が幸せだ」
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