あんたは俺のだから。

そらいろ

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密か-hisoka-5

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――

「お疲れ様でーす。」

 長い長い打ち合わせの後は、お世話になっているデザイナーさんから招待されていた新作の展覧会へと向かい、そこで出会った雑誌やブランドの関係者達とお話をして外へ出ると、もう辺りは真っ暗になっている。

 マネージャーは、事務所の仕事があるからと途中で抜けた為、移動する足は無くなっていた。

「さて、連絡するか…。」

 帽子を深く被って街を歩きながら電話を掛ける。
 相手は決まっている。

「…もしもし。」

 数回の呼び出し音が鳴り、途切れたと思えば相手からの返事が来た。

「もしもし。今終わったけど、どこ向かえばいい?」
「お疲れ様。樹矢はどこいんの?車で迎えに行くわ。」
「…分かった。」

 通話を切り、辺りを見渡す。ブランド品が並ぶブティック街のため特に時間が潰せそうな場所も無く、そういえば。と思い出した事があり、ある一つの店に向かい中へと入っていく。

――

 もうすぐ着くと颯からのメッセージを受け取って、目的を果たした店内を出れば、再び眩しいブティック街が目の前に広がった。道に並ぶ車。その中でも一際目立つ外国製の車がクラクションを鳴らす。
 音のした方向を見て、車の運転席に目を向けるとスーツ姿にオレンジ掛かった明るい髪の毛をワックスで上げていて、何処のホストだ。と言いたくなる颯の姿があった。
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