169 / 244
密か-hisoka-1
しおりを挟む
知りたくない事を知ってしまった背徳感は、良い時と悪い時がある。今回は明らかに後者。
最悪だ…。
――
「んー…。なん、じ…。」
何となく寝すぎた気がする。それはまだ陽が昇っていなくて、室内も暗いからだ。
枕元に置いていた携帯を手探りで探し出して画面をつければ、明るくボウっと光った。細める目で時間を見れば朝の6時を回ったばかり。
(6時のわりには外が暗いな…。雨降るのか?)
スッキリしない寝起きで特に回転もしていない脳内で考える。隣には、スヤスヤと眠る恋人がいてそれだけで微笑んでしまう。
(起きたら、またキスしよう。)
腕の中に恋人を抱いて安心感と共に瞼を閉じれば、またすぐに眠りにつく。
ピピピッ…。ピピピッ…。
眠りについたのがついさっきかの如く、携帯のアラームが鳴り響く。それは7時を知らせる合図で、もうあれから1時間経ってしまったのか…。と至福の二度寝時間の過ぎていく速さに驚いて絶望する。
「んんぅー…。」
起きたくないけれど起きないと仕事に遅れる…と、毎朝の葛藤に身体をよじる。しかも、今日は隣にいるしゆちゃんとの撮影じゃない為モチベーションが鼻から低かった。
「んんぅ。みぃ、くん…。」
ほとんど毎朝俺よりも早く起きるしゆちゃんは、珍しく今日は寝坊助さんでさっきと変わらず胸の中でまだ、眠っている。
「可愛い…。」
ギュッと抱きしめてふわふわの髪の毛にキスを落とす。
(溶けて…ひとつになれたら良いのに。)
願い続ける願いは、今日もまた心に留める。
ピロロロ…!ピロロロ…!
幸せの余韻に浸っていると、携帯から今度は着信音が鳴り響いた。思わず身体がビクッとなり、携帯を手に取って画面を見る。
「びっくりしたぁ…。…ん?」
着信相手の名前は、もう長年見ていなかった駆け出しの読者モデル時代の知り合いだった。
最悪だ…。
――
「んー…。なん、じ…。」
何となく寝すぎた気がする。それはまだ陽が昇っていなくて、室内も暗いからだ。
枕元に置いていた携帯を手探りで探し出して画面をつければ、明るくボウっと光った。細める目で時間を見れば朝の6時を回ったばかり。
(6時のわりには外が暗いな…。雨降るのか?)
スッキリしない寝起きで特に回転もしていない脳内で考える。隣には、スヤスヤと眠る恋人がいてそれだけで微笑んでしまう。
(起きたら、またキスしよう。)
腕の中に恋人を抱いて安心感と共に瞼を閉じれば、またすぐに眠りにつく。
ピピピッ…。ピピピッ…。
眠りについたのがついさっきかの如く、携帯のアラームが鳴り響く。それは7時を知らせる合図で、もうあれから1時間経ってしまったのか…。と至福の二度寝時間の過ぎていく速さに驚いて絶望する。
「んんぅー…。」
起きたくないけれど起きないと仕事に遅れる…と、毎朝の葛藤に身体をよじる。しかも、今日は隣にいるしゆちゃんとの撮影じゃない為モチベーションが鼻から低かった。
「んんぅ。みぃ、くん…。」
ほとんど毎朝俺よりも早く起きるしゆちゃんは、珍しく今日は寝坊助さんでさっきと変わらず胸の中でまだ、眠っている。
「可愛い…。」
ギュッと抱きしめてふわふわの髪の毛にキスを落とす。
(溶けて…ひとつになれたら良いのに。)
願い続ける願いは、今日もまた心に留める。
ピロロロ…!ピロロロ…!
幸せの余韻に浸っていると、携帯から今度は着信音が鳴り響いた。思わず身体がビクッとなり、携帯を手に取って画面を見る。
「びっくりしたぁ…。…ん?」
着信相手の名前は、もう長年見ていなかった駆け出しの読者モデル時代の知り合いだった。
0
お気に入りに追加
136
あなたにおすすめの小説


サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。

久々に幼なじみの家に遊びに行ったら、寝ている間に…
しゅうじつ
BL
俺の隣の家に住んでいる有沢は幼なじみだ。
高校に入ってからは、学校で話したり遊んだりするくらいの仲だったが、今日数人の友達と彼の家に遊びに行くことになった。
数年ぶりの幼なじみの家を懐かしんでいる中、いつの間にか友人たちは帰っており、幼なじみと2人きりに。
そこで俺は彼の部屋であるものを見つけてしまい、部屋に来た有沢に咄嗟に寝たフリをするが…

ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる