あんたは俺のだから。

そらいろ

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秋桜-cosmos-2

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「だーかーら、特別な場所だって。」
「特別って…。全然わかんないー!」

カメラのレンズを取り替えて、設定を変える。
カチャカチャと鳴る音が電車内に響くが、誰も気になんてしない。

「次はー……。……。」

車掌のアナウンスが放送される。
目指す目的のある駅名だ。

「お。鶫、降りる。」

ストラップを首に掛けて、立ち上がれば鶫も直ぐ後を追った。

「結局教えてくれないのかよー。」

頰を膨らませて拗ねた鶫を見るのは今までで数え切れない。それでも俺のする事を賛同して協力してくれるのは、信頼とそれまで過ごす年数があるからだろう。

「駅出て歩いたらすぐ着くから…。多分。」
「多分って!行ったことないの?」
「無い!早く行こ。」


呆れる鶫も何度も見ている。
改札を通り、現れる外へと通じる階段を上がった。俺ら以外にこの駅に降りた人は誰も居ない。開けて見る空は薄いオレンジ色の夕陽が出てきて、これから黄昏に向かっていた。

もうすぐ、暗闇に包まれる。

携帯を出して、GPSで今いる場所を確認する。
あらかじめ行きたいロケ地には目印を打っているその地図には、分かりやすく道案内してくれていた。

「よし、こっちだって。急ごう。」

日が落ちるまでに撮りたい。見たい。
自分の目で見た物をレンズ越しにそれ以上の作品にして伝えるのはカメラマンの仕事だ。
例え、小さな輝きでも見逃さずに捕らえる。そして磨き上げるのは腕次第。

(ワクワクするこの感じ…、堪らない。)
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