あんたは俺のだから。

そらいろ

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シンパシー-sympathy-4

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「そんな、瀬羅さんに言われると照れます。」

少し俯きながら照れているminaさんとその反応に対してニコニコと微笑んでいる樹矢を横から見て、身長差があまり無い事に驚く

(思ったよりも高いんだな…。)

足元にチラリと目線を落とすとminaさんは低めのミュールを履いていた。

「朱斗さん?とりあえず入場券買いに行きます?」

樹矢が仕事モードに切り替わって俺に聞く。

「ん。買いに行ってくるよ。そこで飲み物でも買って待ってて。」

財布をカバンから取り出してお札を1枚抜き、樹矢へ渡す。

「お釣りいいから。」

そう言い残して俺は、券の販売している窓口へ歩き出した。

数歩先にあった窓口は1つしか開いておらず、平日でオープンしたばかりの時間だからなのか、辺りに人影は無かった。
窓口へ直行して、すみませんと声を掛けると奥から受付の女性が1人、現れた。

「いらっしゃいませ。」

椅子に座りマイク越しに俺に言う。
  
「あ、大人3人で。」

3と指を立てて数字を作って、聴覚だけで無く視覚でも分かるように伝えた。

「かしこまりました。大人の方3名様で3600円です。」
「はい。」

お金を渡して、後ろを振り向く。
樹矢とminaさんは二人でペットボトルを片手に談笑していた。遠くから見ると本当に男女カップルみたいで不思議になる。
嫉妬は全く無くて、被写体として理想的だなとその場でシャッターを押したくなる指を必死に留める。
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