あんたは俺のだから。

そらいろ

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炭酸-tansan-1

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しゅわしゅわと音を鳴らして、水の中で泡が出来ては外に出る事なくあっという間に消える。氷に留まったり、外に出る準備の為にグラスにへばりついたり、でも堪えきれず上に上がっては消えてしまう。

だんだん消える泡が減ってきて、最後にはただの水になる。




「ねぇ、樹矢。」

「ん?なぁに?これ欲しいの?」

久しぶりにゆっくりな朝を過ごす俺らは、朝ごはんを食べに行こうと少し車を運転して着くカフェに立ち寄った。

樹矢は帽子に眼鏡を掛けて変装して、俺は帽子にマスク。

夏の日差しは俺達をジリジリと焼き付けて、アスファルトの照りつけも暑く着々と水分を奪っていった。すぐに飲み物が欲しいとお互いの思いは共通して、足早に店内へと進んだ。


--- 


「いらっしゃいませ。ご注文はいかがなさいますか?」

店員さんが席にやって来て聞く。


「んーっと、このメロンソーダ!」


樹矢が元気に指差して注文する。


「はい。おふたつで…?」


店員さんは俺を見て、また聞く。


「いや、僕はアイスティーのストレートで。あとこの朝食セットを2つ。」


この店でいつも頼むお決まりのメニューを注文する。


「かしこまりました。少々お待ち下さい。」


にこやかに微笑んで、店員さんは席から離れて奥に消えていく。


「珍しいね…。メロンソーダって。」

「このメニューに描いてるのが美味しそうで、見て!」


透明のグラスに注ぎ込まれた綺麗で淡くて薄い緑色のメロンソーダ。赤いさくらんぼが一粒入っていて、一層映える。


「綺麗だね。」

「でしょー!」


嬉しそうに笑う樹矢が被っていた帽子を取る。
髪の毛が少し舞って、目に掛かる。長い前髪を掻き分けると俺をじっと見つめた。


「な、なに…?」
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