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悋気-rinki-10
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樹矢が俺をじっと見る。目が怖い。
それに負けず、視線を逸らすことなく話を続ける。
「今、動画サイトで人気の人なんだけど、見た目はスゴく綺麗な方なの。本当に女の人みたいに。」
「本当に女の人…?」
「そう、男だったんだよ。見た目が女性なだけで中身は正真正銘の男。今日はその人と昔からお世話になってるカメラマンさん達との打ち合わせだったの。二回目だからか、なんか距離感近くて俺もビックリした。」
「そう、なんだ…。そっか…。」
安心して樹矢の肩の力が抜けたのか、車のハンドルに顔を伏せる。
「心配しすぎ。後、嫉妬しすぎ。」
「仕方ないでしょ。好きなんだから。」
チラッと俺の方を見る。
「…浮気したと思ったのか?」
「そんな事無いって思いたかった。しゆちゃん信じられなくなったら、俺の価値なんて無くなる…。そんなの嫌だ。しゆちゃんの為の俺でありたいのに、って。」
手を伸ばして樹矢の頭を撫でる。
サラサラの綺麗な茶髪が俺の指と指の間を通り抜ける。
「あんたは俺を信じとけ。minaさん、確かに綺麗でドキドキするけど、それは被写体としてだから。」
「しゆちゃん、その人にドキドキすんの?」
「え…うん…。まぁ…。」
(やばい事言ったか…?)
不安で心臓の鼓動が早くなる。
シートベルトを外してこっちに樹矢の顔が近づいてくる。助手席の窓ガラスに俺の頭につくまで追い込まれる。俺の左側に右腕を肘ついて、一言聞く。
「俺よりも?」
俺を逃さない樹矢の視線に吸い込まれて、頬に触れて顔を引き寄せ口を塞ぐ。
やっぱり俺の一番の被写体は他の誰でもない。
瀬羅樹矢であり、俺の恋人だ…。
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それに負けず、視線を逸らすことなく話を続ける。
「今、動画サイトで人気の人なんだけど、見た目はスゴく綺麗な方なの。本当に女の人みたいに。」
「本当に女の人…?」
「そう、男だったんだよ。見た目が女性なだけで中身は正真正銘の男。今日はその人と昔からお世話になってるカメラマンさん達との打ち合わせだったの。二回目だからか、なんか距離感近くて俺もビックリした。」
「そう、なんだ…。そっか…。」
安心して樹矢の肩の力が抜けたのか、車のハンドルに顔を伏せる。
「心配しすぎ。後、嫉妬しすぎ。」
「仕方ないでしょ。好きなんだから。」
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「そんな事無いって思いたかった。しゆちゃん信じられなくなったら、俺の価値なんて無くなる…。そんなの嫌だ。しゆちゃんの為の俺でありたいのに、って。」
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「あんたは俺を信じとけ。minaさん、確かに綺麗でドキドキするけど、それは被写体としてだから。」
「しゆちゃん、その人にドキドキすんの?」
「え…うん…。まぁ…。」
(やばい事言ったか…?)
不安で心臓の鼓動が早くなる。
シートベルトを外してこっちに樹矢の顔が近づいてくる。助手席の窓ガラスに俺の頭につくまで追い込まれる。俺の左側に右腕を肘ついて、一言聞く。
「俺よりも?」
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やっぱり俺の一番の被写体は他の誰でもない。
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