あんたは俺のだから。

そらいろ

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サプライズ-surprise-4

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パラパラとめくる。

当たり前だけど、どのページも俺が撮った樹矢がいる。
自分で撮影して、ロケーションも考えて、何度も打ち合わせを重ね、最後はレタッチまでした。
いつもする当たり前の仕事なのに、樹矢との夢が現実になり物に残る事が嬉しくて、今の自分を限界まで出し切った作品になった。

「なんか、すでに懐かしいな…。」

二人でロケをしに旅行に行った写真も、スタジオに何日も通って撮影を繰り返した写真も、今になっては過去の事で最近なはずなのにアルバムを見ているようだった。

ページをめくり続けて、最後になる。
もう最後か…。と名残惜しくも一枚、ぺらっとめくった。


最後の写真は、表紙と同じモノクロ。
樹矢の横顔が見えて、ページを最後まで開くとフィルムカメラにキスしている写真だった。

「これ…。」

間違うはずがない。これは…俺のカメラだ。

「こんなの、いつ…?」

撮影した覚えが全く無く、困惑して必死に記憶を辿るけども何処にも辿り着けなくて視線を上げ、目の前にいる本人に聞く。

「filmっていうタイトルだから、フィルムカメラとキスする写真を最後に入れたかった。…って言うのは建前でね。」

微笑みながら俺を見る。その笑みは嬉しそうで、少し照れ臭そうで、更に困惑する。

「しゆちゃんとキスする写真が良かったんだけど流石にダメだからさ…。代わりにしゆちゃんのフィルムカメラにキスしちゃった!」

「おま…っ、何でこんな…。」

一気に全身の体温が上がる。
もう一度、視線を落として写真を見る。

「っ…!」
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