あんたは俺のだから。

そらいろ

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光芒-koubou-2

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海辺の近くにあったそのお店はイタリアンがメインらしく、この産地で美味しいと流通している海鮮系を使った料理がメニューに書かれていた。

「食べたい物がありすぎる…!しゆちゃんどうしよう!」

メニューから顔を覗かせた樹矢は、興奮した様子だった。

「どれでも好きなの頼みなさいよ。俺もお腹空いてるし。」
「はーいっ!」

嬉しそうに店員さんを呼び、メニューを指差しながら注文をする。
店員さんは突然現れた人気モデルに緊張してるのか、顔を赤らめ戸惑いつつも接客をしてくれた。
きっと彼はそんな事気付いていないんだろうな…。と俺はグラスに入っている冷たい水を一口喉に流す。


頼んでいた物が運ばれて来て、次々とテーブルへ置かれる。二人の間には美味しそうできらびやかな料理の数々が並んだ。

「じゃあ、かんぱーい!」

撮影はこの後も続く予定だが、とりあえずお疲れ様と言う事で一杯だけ呑むことにした。

「んーまっい!このシラスピザ最高!」
「このパスタも美味しいよ。雲丹が濃厚…!」

美味しいとお互いに言い合い共有し、空っぽだったお腹が少しずつ満たされていった。


__________________


「はーぁ…。ホントに美味しいお店だったねぇ。」
「予想以上にどれも美味しくて行って良かった。」

店を出てすぐの海辺で、真っ暗な中二人で並んで歩いていると、砂浜を踏みしめる足音が、一つピタリと止まった。

「しゆちゃん…?」

ゆっくりと振り返って名前を呼ぶ

「樹矢…。撮っていい?」

カメラを構えて、彼に問う。
今、この瞬間を撮りたい。そう感覚で感じた俺は、返答を待たずしてシャッターを切っていた。



カシャ_________
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