あんたは俺のだから。

そらいろ

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妬心-toshin-2

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「お疲れ様でしたー!」

朝から一日かけての撮影が無事に終わり、俺は感情が溢れる前に現場を離れようと挨拶を済ませて早足で控え室へと向かった。


置いていた荷物をまとめ、ふぅ。と深呼吸をして廊下に出てスタジオの出口を目指す。
廊下をスタスタと歩いていると後ろからバタバタと足音が近づいてきた。


大きな人影が俺の隣に来ると、彼は腕を引っぱってきた。


「えっ…ちょ、ちょっと…樹矢っ…!」


俺は抵抗しようにもビクともせず、樹矢の事を呼んでも全く反応してくれない。顔が見えないから表情も分からず、ただ樹矢の背中についていくだけだった。

「樹矢っ…!ねぇ、樹矢ってば…。」

スタジオの外へと出ても止まらずに歩き続ける。

しばらく歩いてピタリと止まったのは、家から距離はあるがよく通っていたカフェだった。

中に入り案内されるのはいつもの個室部屋。
割と広くてソファもあり、人目も気にせず快適に過ごせるため二人で気に入っていた穴場だった。

部屋に入り扉が閉まると同時に、樹矢は振り返り俺に迫ってくる。壁に腕を抑えつけられ、顔が近づいてくる。

「しゆちゃん。今日どうしたの。」

やっと見えた樹矢の顔は怖く、投げ掛ける声も低く落ち着いていた。

「あの子の事、考えてたの?幼馴染って言ってたよね。気になるの?」

俺の腕を掴む手にぐっと力が入る。

「撮影の合間、二人で何してたの?俺を置いて。」

怖い…樹矢が静かに怒っている。怖くて目を逸らしたいのにじっと見つめる樹矢から逃げられない。




感情が溢れる………。
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