あんたは俺のだから。

そらいろ

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幼馴染-osananajimi-5

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「お疲れ様でーす。次の準備するんで着替えて待機でお願いします。」

スタッフさんが二人に声を掛ける。

「はーい。」
「はいっ!」

俺は撮影した写真のデータを見返すためにモニターに向かおうとすると…。

「朱斗っ!」

下の名前を呼ばれて、立ち止まった。
振り返ると鶫が俺の方に近づいてくる。

「……朱斗さん、知り合い?」

樹矢がとまどいながら声を掛ける。

「え…っと。お、幼馴染なんです…。」

たどたどしく返答をして、鶫を見ると少し目に涙を浮かせていた。

「朱斗…やっと会えた…。やっと…。」

泣きそうな顔になってる鶫に俺は焦り、ここはマズイから。と樹矢を置いて急ぎ足で2人になれるような空き部屋へと鶫の腕を取り連れて行った。



「鶫…。ホントに鶫なんだよな…?」

さっきの撮影中のモヤモヤは消える事なく、どうしていきなり彼が目の前に現れたのかを聞く。

「間違いなく杠葉鶫だよ。朱斗の幼馴染の。」

「どうして…こんなとこに?モデルなんていつから…?」

高校を卒業したと同時にフリーカメラマンで生計を立てるため家を出た俺は、大学へ進学した鶫とはスケジュールが合わず徐々に疎遠になり、連絡も取らなくなっていた。

「実はね…朱斗と連絡取らなくなった頃、通ってた大学でフォトグラフ部のポートレートのモデルをしてたの。ある日、ミスコンに出場する様に友達に勧められて、ノリで出てみたらグランプリを取っちゃって、そこから今の事務所さんにスカウトしてもらったんだ。」

鶫は会っていなかった間の事を話す。

「それから徐々にモデルの仕事が増えていって、この半年で雑誌の専属までさせてもらえる様になったんだよ。」

全然、知らなかった…。
むしろ、今まで鶫を撮らなかったのが不思議なくらい…。彼がモデルの道を進んでいたなんて…。

「そうなんだ…。ほんと、ビックリしたよ。」

未だに動揺は隠せずにいる。

「モデルの道に進むキッカケをくれたのは朱斗なんだけどね。」

「お、俺?」
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