あんたは俺のだから。

そらいろ

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甘露-kanro-1

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彼のキスは甘い。
何故か分からないけど、キスする度に甘いなって何時も思う。始めはリップクリームか何かと思っていたけど、そうじゃないらしい。

「んっん…っふぅん……」

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お風呂も入ってベッドに入り寝ようとした時、樹矢は俺を後ろからギュッと抱きしめた。
そのまま眠りにつこうとゆっくり瞳を閉じると、首筋にピリッと痛みを感じた。

「いっ…。み、樹矢?」

驚いて振り返り樹矢を見ると、ニッ。っと悪そうに口角を上げた。

「えへへっ。久しぶりにしゆちゃんに跡付けちゃった!」

「えっ!おまっ…え!」

ベッドから起き、俺は驚いて首に手を当てる。

「しゆちゃんは俺のーっ。」

嬉しそうに樹矢も起き上がり、俺に正面から抱きついてくる。

「ホントに…あんたは…。」

仕方無いなぁ。と樹矢の頭を撫でる。相変わらずサラサラな髪の毛…。綺麗な茶色に染まってる…。あれ、ピアス変えた?最近ずっと、耳に髪の毛掛かってて気づかなかった…。

「樹矢、ピアス変えた…?」

「ん?変えたよ?ちょっとシンプルなのにしてみたんだ。」

「そっか。気づかなかった。」

「ど?似合う?」

そう言って、樹矢はピアスが見えるように髪の毛を耳に掛けてくれた。

この角度、カッコイイな…。

少し見上げて首を傾げて見せたその表情はふんわりと柔らかい笑顔で、寝間着のせいか何時もより首筋がよく見えて男らしさが滲み出ていた。
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