あんたは俺のだから。

そらいろ

文字の大きさ
上 下
46 / 244

花弁雪-hanabirayuki-4

しおりを挟む
「すっごく綺麗だね……。」

樹矢はじっと、写真を見つめる。

「これ、雪…?今日降ってたらしいね。」

ずっと室内だったから見れてないんだけど。と言いつつ俺の肩に顔を乗せて来た。

「ほんと、綺麗…なんか、花吹雪の中にカフェがある見たい。」

俺が撮りたかったものを意図も簡単に理解してくれて嬉しかった。

「急に降ってきたから、なんとかして使えないかなって撮り方をちょっと変えてみたんだ。」

「しゆちゃん、さすがー!」

嬉しそうに笑って、俺もこの中で撮って欲しかったなぁー。と羨ましそうに呟いた。


「温かくなったら、桜を見に行こう。本物の花吹雪の中で、あんたの事を撮ってやるよ。」

「ほんと?行く行く!楽しみ!」

彼は急に顔を上げてバンザーイと手を上げて喜んだ。

「樹矢は?今日はどうだった?」

「色んな服が着れてすっごく楽しかったよ!あ、そうそう。これ!しゆちゃんに!」

差し出した手には紙袋があり、俺は受け取る。

「なに?これ。」

「あけてあけてっ。」

紙袋の中の包装紙を開けると、ニット帽が現れた。

「帽子…?」

「そう!しゆちゃんと俺でお揃いーっ。」

樹矢は自分の頭を指差して見せた。そこには手に持っているニット帽とは色違いの物を被っていた。

「いやぁ、新作ブランドが俺のツボでさ、この帽子が特に可愛くて、しゆちゃんと一緒に被りたいなって思ってすぐに買っちゃった!」

嬉しい……。

「……あ、ありがと。」

ちゅ…

「かわいっ…。」

樹矢は俺に軽くキスして、囁いた。
俺、多分いま顔真っ赤だ…。はずかし…。

「は、はやく飯食うぞ。」

顔を見せたくなくて、俯いたまま俺は立ち上がり、リビングへ向かった。樹矢は後ろから着いてくる。

「はーいっ!今日は何ー?」

「外は寒かったから鍋。」

「なら、食べて身体を温めてしゆちゃんには心も温めてもーらおっ!」


嬉しそうにぴょんぴょんと笑って言う。




__________ありがとう、みぃくん
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

騙されて快楽地獄

てけてとん
BL
友人におすすめされたマッサージ店で快楽地獄に落とされる話です。長すぎたので2話に分けています。

壁乳

リリーブルー
BL
俺は後輩に「壁乳」に行こうと誘われた。 (作者の挿絵付きです。)

BL団地妻-恥じらい新妻、絶頂淫具の罠-

おととななな
BL
タイトル通りです。 楽しんでいただけたら幸いです。

大学生はバックヤードで

リリーブルー
BL
大学生がクラブのバックヤードにつれこまれ初体験にあえぐ。

サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由

フルーツパフェ
大衆娯楽
 クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。  トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。  いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。  考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。  赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。  言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。  たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

久々に幼なじみの家に遊びに行ったら、寝ている間に…

しゅうじつ
BL
俺の隣の家に住んでいる有沢は幼なじみだ。 高校に入ってからは、学校で話したり遊んだりするくらいの仲だったが、今日数人の友達と彼の家に遊びに行くことになった。 数年ぶりの幼なじみの家を懐かしんでいる中、いつの間にか友人たちは帰っており、幼なじみと2人きりに。 そこで俺は彼の部屋であるものを見つけてしまい、部屋に来た有沢に咄嗟に寝たフリをするが…

吊るされた少年は惨めな絶頂を繰り返す

五月雨時雨
BL
ブログに掲載した短編です。

処理中です...