あんたは俺のだから。

そらいろ

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恍惚-koukotu-4

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「はぁ…はぁ…っ…」

彼が力尽きたようにバタリと俺に乗っかってくる。

「はぁ、はぁ…しゆちゃん……」

幼馴染しかそのあだ名で呼ばないな。と彼の温もりを感じながら思った。

「しゆちゃん…好き…?」

顔は俺の肩にうずくまっていたので見えなかったが、彼は不安そうに聞いてきた。

「俺の事、しゆちゃんに必要としてほしい…。」

力強くギュッと抱きしめる腕は細く少し筋肉質で男らしさを感じてまた、ドキッと胸が高鳴った。

「好き…だと思う。何故か分からないけど、あんたを守りたいと思った。抱かれて、すごく愛おしくて気持ちが抑えられなくて、あんたの笑顔を俺はずっとそばで見たいと思った。」

泣いているのか、少し震える彼を目一杯腕を広げて抱きしめ返した。

「大丈夫…。あんたの隣にいてやるよ。こんな俺で良ければ、ずっといてやる。だから、笑ってくれ。」



樹矢……愛してる…。





樹矢はその後、涙目になりながら安心したのか眠りについた。

寂しかったんだな。きっと。
孤独を味わって来たんだろうな…。
俺が手を差し伸べるよ。助けるよ。救ってやるよ。

樹矢のキラキラした大切な笑顔を俺は守りたいから。


そばに居させてください。



_______________


それから俺達は月日を追うごとに関係を深めていった。
樹矢のファンクラブも無事に開設され、そこに載っている写真はファンのみならず世間で話題になった。

人気は伸びて行って、色々な雑誌から声が掛かり、樹矢はすっかり人気モデルへとなったのだ。
それに比例するように俺自身もカメラマンの仕事の依頼が格段に増えていった。



「しゆちゃん…愛してる。ありがとう。」

彼は以前よりもキラキラした笑顔で素直に言った。


__________これが本当の、彼の笑顔だ…。
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