9 / 244
散歩日和-sanpobiyori-1
しおりを挟む
冬の朝は明るくなるのが早い。
普段、朝は苦手だから布団にぬくぬくと籠もりたいタイプだけど冬の寒くてこの澄んだ空気が漂う朝が好きだったりする。
しかも、撮影をするのに今はすごく向いている。
ふいにカメラマンとしての血が騒いで、たまたま朝早く起きた俺はまだ隣ですやすやと寝ている恋人を起こすための手段を考えて実行した。
「みぃくん……、起きて」
彼の頭を優しく手のひらから指先を使って撫でて耳元でそう囁いた。すると、
…ガバッ!!!
樹矢は勢い良くベッドから跳ね起きた。
「何!朱ちゃんどうしたの!」
焦った様子だけど顔は寝ぼけている。そして、俺の事を探す。その様子が可愛いなと思った。
バチッと目線が合う。樹矢はやっと俺を見つけた。
「んふふっ。樹矢、朝から面白いね」
思わず笑ってしまうと、とぼけた顔であれぇ?と言いながら彼は頭を掻いた。
「ねぇ、今から俺に付き合ってよ」
「ん?こんな朝早くからどこか行くの?朱ちゃんにしては珍しいね」
確かに、外に誘うなんて滅多にしないもんな。ましてや樹矢は世に顔を出してるモデル。バレたら大変だからね。
「朝日を使って写真が撮りたい。樹矢をモデルにしてな。……駄目??」
「っ!!そんなの駄目じゃない!むしろ歓迎!大歓迎!嬉しい!」
いつもの笑顔を向けて俺に優しく抱きついた。
「ただし、メガネは必須な。服装はお前のセンスに任せる。」
「了解。すぐに着替えてくる!」
寝起きと思えないほどの早い動きで寝室から出ていった樹矢を見て、ふふっとまた笑ってしまった。
普段、朝は苦手だから布団にぬくぬくと籠もりたいタイプだけど冬の寒くてこの澄んだ空気が漂う朝が好きだったりする。
しかも、撮影をするのに今はすごく向いている。
ふいにカメラマンとしての血が騒いで、たまたま朝早く起きた俺はまだ隣ですやすやと寝ている恋人を起こすための手段を考えて実行した。
「みぃくん……、起きて」
彼の頭を優しく手のひらから指先を使って撫でて耳元でそう囁いた。すると、
…ガバッ!!!
樹矢は勢い良くベッドから跳ね起きた。
「何!朱ちゃんどうしたの!」
焦った様子だけど顔は寝ぼけている。そして、俺の事を探す。その様子が可愛いなと思った。
バチッと目線が合う。樹矢はやっと俺を見つけた。
「んふふっ。樹矢、朝から面白いね」
思わず笑ってしまうと、とぼけた顔であれぇ?と言いながら彼は頭を掻いた。
「ねぇ、今から俺に付き合ってよ」
「ん?こんな朝早くからどこか行くの?朱ちゃんにしては珍しいね」
確かに、外に誘うなんて滅多にしないもんな。ましてや樹矢は世に顔を出してるモデル。バレたら大変だからね。
「朝日を使って写真が撮りたい。樹矢をモデルにしてな。……駄目??」
「っ!!そんなの駄目じゃない!むしろ歓迎!大歓迎!嬉しい!」
いつもの笑顔を向けて俺に優しく抱きついた。
「ただし、メガネは必須な。服装はお前のセンスに任せる。」
「了解。すぐに着替えてくる!」
寝起きと思えないほどの早い動きで寝室から出ていった樹矢を見て、ふふっとまた笑ってしまった。
0
お気に入りに追加
136
あなたにおすすめの小説


サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。

久々に幼なじみの家に遊びに行ったら、寝ている間に…
しゅうじつ
BL
俺の隣の家に住んでいる有沢は幼なじみだ。
高校に入ってからは、学校で話したり遊んだりするくらいの仲だったが、今日数人の友達と彼の家に遊びに行くことになった。
数年ぶりの幼なじみの家を懐かしんでいる中、いつの間にか友人たちは帰っており、幼なじみと2人きりに。
そこで俺は彼の部屋であるものを見つけてしまい、部屋に来た有沢に咄嗟に寝たフリをするが…

ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる