あんたは俺のだから。

そらいろ

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白黒-shirokuro-2*

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 樹矢と約束をした後、撮影現場から出て俺は自分の車に仕事道具を乗せて一人で目的地に向かう。相手はあくまでも表に立つ人間。男同士だとしても、変に噂が出るのは迷惑が掛かる。

 家から近い、よく通っている居酒屋の個室へ入ると、樹矢は先に到着していた。
 やっと……二人だけの時間が始まった。



「かんぱーい!今日もお疲れ様っ、朱ちゃん♡」
「樹矢もお疲れ様」
「今日の俺、どうだった?イケてた??」

 ワクワクする子供のような目で俺の顔を見つめる。

「今日も良かったよ」
「えぇ!それだけー?もっと感想あるでしょー!」
「……ねぇよ」
「嘘だー!朱ちゃん、俺が良い顔した時ドキッとしてたでしょ。カッコイイって思ってたのお見通しなんだから!」


 やっぱり敵わない。
 天然なのになんでこんなに俺の事分かってるんだろう。ポーカーフェイスしてるはずなのになんで見破られるんだろう。


「ね?正解でしょ?」

 クシャって俺の好きな笑顔をする樹矢。
 ……好きだなぁ。


「あ!俺の事好きって今思った??ねぇ、ねぇ、朱ちゃん!」

 ホント、敵わないな。
 俺は思わず苦笑いしてしまった。

「思ったよ。……樹矢のことが好きだからな」



「………っ!朱ちゃん!!!」

 樹矢の大きな身体が俺に覆い被さりぎゅっと抱きしめられた。
 そんなのも束の間でちゅっとキスされて、俺も樹矢を抱きしめ返した。

 ちゅ…ちゅ……ちゅっ…

 樹矢に押し倒された状態でこいつが歯止めなんかかかるはずもなく、どんどんキスが深くなっていく。

「んっ…んんっ…みきっ……や…!ここ店っ…!」

 深い口づけから解放されたと思えば、樹矢は。

「みぃくんって呼んで」

(いや、そこかよ……!!)

「だめ!ここお店だから!するなら家帰ろう、すぐそこだし、ね?………みぃくん」



 最後に呟いた一言によって、樹矢の表情に余裕が無くなったのが分かった。
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