32 / 37
【31話】
しおりを挟む
その日の晩、ルークとクオンはサイヒの部屋へと来ていた。
昨夜の話とアンドュアイスをどうするかについて情報を合わせるためにサイヒがルークとクオンを部屋に招いたのだ。
「で、第2皇太子妃とアンドュアイス殿が不義密通していたと」
「私の【盗聴】の魔術に抜かりはない」
いやソコは胸を張って自慢するところでは無いと思う。
だがサイヒのやることに一々突っ込んでいては話は進まない。
クオンは出来る男なのである。
「それにしても一晩ぶっ通しとは、その体力に恐れ入った…しばらく女の嬌声は聞きたくない……」
珍しくサイヒの目が死んでいる。
無理もない。
一晩、嬌声と睦言を聞いていたのだ。
「だが2人は、その、最後までは、していないのであろう?」
コテリ、とルークが小首を傾げた。
大変愛らしい仕草ではある
(が、私は男に可愛い仕草は求めていない!何時もの冷徹な皇太子は何処にやった!?)
クオンは心の中で突っ込む。
決して声に出したりはしない。
このご時世、どんな発言が不敬罪と取られるか分からないからだ。
クオンは出来る男なので(ry
「ルーク、男女の交わりと言うのはな、破瓜をせずとも出来るのだぞ」
「???」
「後ろの穴を使うんだ」
「うし、ろ?………っ!!」
ルークの顔が真っ赤になる。
どうやら話が通じたようだ。
首まで真っ赤に染まっている。
この調子なら全身真っ赤だろう。
誰も確認しようとするものがこの場に居なくて良かったモノだ。
この可憐な反応を見たらノーマルな者でも1線を超えてしまいかねない。
「まぁ元気な精子が膣迄頑張ったと言う話も聞いたことがあるし、案外遠くない未来で失敗をするかもな」
「嫌な処女受胎だなオイ…」
「それにしても後ろで1晩中とは恐れ入った。何処迄拡張と調教したらそんな真似が出来るんだ…」
「その話を聞く限り、第2皇太子妃とアンドュアイス殿はだいぶ前から関係があったと思って良さそうだな」
「うむ、私もそう思う」
サイヒとクオンは内容はともかくその眼差しは真剣だ。
ルークを狙うモノを始末出来るかもしれないチャンスなのだ。
ここで情報を照らし合わせて、次の行動を読まなければいけない。
相手よりも半歩でも優位に立たなければ、全てがひっくり返さるかも知れない。
アンドュアイスにはそれだけの権力と富とカリスマ性がある。
ルークにカリスマ性が無いと言う訳ではない。
上流階級の者にルークを支持する者も多数いる。
だがルークを白。
アンドュアイスを黒と例えるなら。
白が黒に染まることがあっても、黒を白で染める事は出来ない。
決着を早くつけねばルークの味方サイドが敵の手に渡る可能性は多大にある。
そのためサイヒとクオンは真剣なのだが、ルークは違った方に真剣だった。
「何故にだいぶ前から関係があったと分かるのだ?」
「ルーク、後ろの穴はもともと排泄するための器官だ。モノを受け入れるようにはなっていない。それが1晩中排泄器官で快楽を感じれると言うなら、相当長い時間をかけて開発したとしか思えないと言う事だ。これは男女であっても男同士の行為であっても同じだな」
「男同士で出来るのか!?」
「物理的には可能だぞ?」
(男同士で可能男同士で可能男同士で可能男同士で可能男同士で可能………)
ルークの頭はその言葉がぐるぐると回っている。
質問するルークが悪いのか。
答えるサイヒが悪いのか。
「では第2皇太子妃の背後も洗ってみよう。下手すると属国が反国に回りかねない」
「あぁ頼んだクオン。私は魔術と法術と格闘以外はからっきしなのでな」
(その3つが人間離れしているのだがな…本当に味方側に引き込めて良かった人材だ。アンドュアイスが先にサイヒを手に入れていたら今頃王制がひっくり返っていたかもしれないな……)
「殿下、今日はそろそろ帰りましょう。あまり遅いと色々疑いをかけられかねません」
「あ、あぁ…分かった……」
心此処に在らずと言った声でルークが答えた。
:::
その夜、クオンは内密にルークの部屋に呼び出されていた。
「どうしたのですか殿下?」
「いや、今日の話を聞いて思ったのだが…」
(殿下がついにアンドュアイスが危険だと言う事に気付いて下さったか!)
「私も拡張した方が良いのだろうか?」
「はい?」
「いや、だから、本来排泄に使う器官だから慣らさないと入らないのだろう?サイヒのモノがどれくらいかは知らないが、慣らしておいた方がスムーズに事が進めらr」
ガフッ
ドサリッ!!
「クオン!どうしたんだクオン!誰か医者を呼べ!クオンが血を吐いて倒れた!!」
ルークの叫びに衛生兵たちが部屋に入る。
吐血して倒れたクオンの惨状を見てすぐに救護室へと連れて行かれることになった。
その後クオンは、スクワラル商会が今絶賛売り出し中の胃痛に特化したポーションのお陰で一命を取りとめたらしい……。
昨夜の話とアンドュアイスをどうするかについて情報を合わせるためにサイヒがルークとクオンを部屋に招いたのだ。
「で、第2皇太子妃とアンドュアイス殿が不義密通していたと」
「私の【盗聴】の魔術に抜かりはない」
いやソコは胸を張って自慢するところでは無いと思う。
だがサイヒのやることに一々突っ込んでいては話は進まない。
クオンは出来る男なのである。
「それにしても一晩ぶっ通しとは、その体力に恐れ入った…しばらく女の嬌声は聞きたくない……」
珍しくサイヒの目が死んでいる。
無理もない。
一晩、嬌声と睦言を聞いていたのだ。
「だが2人は、その、最後までは、していないのであろう?」
コテリ、とルークが小首を傾げた。
大変愛らしい仕草ではある
(が、私は男に可愛い仕草は求めていない!何時もの冷徹な皇太子は何処にやった!?)
クオンは心の中で突っ込む。
決して声に出したりはしない。
このご時世、どんな発言が不敬罪と取られるか分からないからだ。
クオンは出来る男なので(ry
「ルーク、男女の交わりと言うのはな、破瓜をせずとも出来るのだぞ」
「???」
「後ろの穴を使うんだ」
「うし、ろ?………っ!!」
ルークの顔が真っ赤になる。
どうやら話が通じたようだ。
首まで真っ赤に染まっている。
この調子なら全身真っ赤だろう。
誰も確認しようとするものがこの場に居なくて良かったモノだ。
この可憐な反応を見たらノーマルな者でも1線を超えてしまいかねない。
「まぁ元気な精子が膣迄頑張ったと言う話も聞いたことがあるし、案外遠くない未来で失敗をするかもな」
「嫌な処女受胎だなオイ…」
「それにしても後ろで1晩中とは恐れ入った。何処迄拡張と調教したらそんな真似が出来るんだ…」
「その話を聞く限り、第2皇太子妃とアンドュアイス殿はだいぶ前から関係があったと思って良さそうだな」
「うむ、私もそう思う」
サイヒとクオンは内容はともかくその眼差しは真剣だ。
ルークを狙うモノを始末出来るかもしれないチャンスなのだ。
ここで情報を照らし合わせて、次の行動を読まなければいけない。
相手よりも半歩でも優位に立たなければ、全てがひっくり返さるかも知れない。
アンドュアイスにはそれだけの権力と富とカリスマ性がある。
ルークにカリスマ性が無いと言う訳ではない。
上流階級の者にルークを支持する者も多数いる。
だがルークを白。
アンドュアイスを黒と例えるなら。
白が黒に染まることがあっても、黒を白で染める事は出来ない。
決着を早くつけねばルークの味方サイドが敵の手に渡る可能性は多大にある。
そのためサイヒとクオンは真剣なのだが、ルークは違った方に真剣だった。
「何故にだいぶ前から関係があったと分かるのだ?」
「ルーク、後ろの穴はもともと排泄するための器官だ。モノを受け入れるようにはなっていない。それが1晩中排泄器官で快楽を感じれると言うなら、相当長い時間をかけて開発したとしか思えないと言う事だ。これは男女であっても男同士の行為であっても同じだな」
「男同士で出来るのか!?」
「物理的には可能だぞ?」
(男同士で可能男同士で可能男同士で可能男同士で可能男同士で可能………)
ルークの頭はその言葉がぐるぐると回っている。
質問するルークが悪いのか。
答えるサイヒが悪いのか。
「では第2皇太子妃の背後も洗ってみよう。下手すると属国が反国に回りかねない」
「あぁ頼んだクオン。私は魔術と法術と格闘以外はからっきしなのでな」
(その3つが人間離れしているのだがな…本当に味方側に引き込めて良かった人材だ。アンドュアイスが先にサイヒを手に入れていたら今頃王制がひっくり返っていたかもしれないな……)
「殿下、今日はそろそろ帰りましょう。あまり遅いと色々疑いをかけられかねません」
「あ、あぁ…分かった……」
心此処に在らずと言った声でルークが答えた。
:::
その夜、クオンは内密にルークの部屋に呼び出されていた。
「どうしたのですか殿下?」
「いや、今日の話を聞いて思ったのだが…」
(殿下がついにアンドュアイスが危険だと言う事に気付いて下さったか!)
「私も拡張した方が良いのだろうか?」
「はい?」
「いや、だから、本来排泄に使う器官だから慣らさないと入らないのだろう?サイヒのモノがどれくらいかは知らないが、慣らしておいた方がスムーズに事が進めらr」
ガフッ
ドサリッ!!
「クオン!どうしたんだクオン!誰か医者を呼べ!クオンが血を吐いて倒れた!!」
ルークの叫びに衛生兵たちが部屋に入る。
吐血して倒れたクオンの惨状を見てすぐに救護室へと連れて行かれることになった。
その後クオンは、スクワラル商会が今絶賛売り出し中の胃痛に特化したポーションのお陰で一命を取りとめたらしい……。
0
お気に入りに追加
74
あなたにおすすめの小説
月の後宮~孤高の皇帝の寵姫~
真木
恋愛
新皇帝セルヴィウスが即位の日に閨に引きずり込んだのは、まだ十三歳の皇妹セシルだった。大好きだった兄皇帝の突然の行為に混乱し、心を閉ざすセシル。それから十年後、セシルの心が見えないまま、セルヴィウスはある決断をすることになるのだが……。
どうやら夫に疎まれているようなので、私はいなくなることにします
文野多咲
恋愛
秘めやかな空気が、寝台を囲う帳の内側に立ち込めていた。
夫であるゲルハルトがエレーヌを見下ろしている。
エレーヌの髪は乱れ、目はうるみ、体の奥は甘い熱で満ちている。エレーヌもまた、想いを込めて夫を見つめた。
「ゲルハルトさま、愛しています」
ゲルハルトはエレーヌをさも大切そうに撫でる。その手つきとは裏腹に、ぞっとするようなことを囁いてきた。
「エレーヌ、俺はあなたが憎い」
エレーヌは凍り付いた。
後宮の棘
香月みまり
キャラ文芸
蔑ろにされ婚期をのがした25歳皇女がついに輿入り!相手は敵国の禁軍将軍。冷めた姫vs堅物男のチグハグな夫婦は帝国内の騒乱に巻き込まれていく。
☆完結しました☆
スピンオフ「孤児が皇后陛下と呼ばれるまで」の進捗と合わせて番外編を不定期に公開していきます。
第13回ファンタジー大賞特別賞受賞!
ありがとうございました!!
イケメン彼氏は年上消防士!鍛え上げられた体は、夜の体力まで別物!?
すずなり。
恋愛
私が働く食堂にやってくる消防士さんたち。
翔馬「俺、チャーハン。」
宏斗「俺もー。」
航平「俺、から揚げつけてー。」
優弥「俺はスープ付き。」
みんなガタイがよく、男前。
ひなた「はーいっ。ちょっと待ってくださいねーっ。」
慌ただしい昼時を過ぎると、私の仕事は終わる。
終わった後、私は行かなきゃいけないところがある。
ひなた「すみませーん、子供のお迎えにきましたー。」
保育園に迎えに行かなきゃいけない子、『太陽』。
私は子供と一緒に・・・暮らしてる。
ーーーーーーーーーーーーーーーー
翔馬「おいおい嘘だろ?」
宏斗「子供・・・いたんだ・・。」
航平「いくつん時の子だよ・・・・。」
優弥「マジか・・・。」
消防署で開かれたお祭りに連れて行った太陽。
太陽の存在を知った一人の消防士さんが・・・私に言った。
「俺は太陽がいてもいい。・・・太陽の『パパ』になる。」
「俺はひなたが好きだ。・・・絶対振り向かせるから覚悟しとけよ?」
※お話に出てくる内容は、全て想像の世界です。現実世界とは何ら関係ありません。
※感想やコメントは受け付けることができません。
メンタルが薄氷なもので・・・すみません。
言葉も足りませんが読んでいただけたら幸いです。
楽しんでいただけたら嬉しく思います。
イケメン社長と私が結婚!?初めての『気持ちイイ』を体に教え込まれる!?
すずなり。
恋愛
ある日、彼氏が自分の住んでるアパートを引き払い、勝手に『同棲』を求めてきた。
「お前が働いてるんだから俺は家にいる。」
家事をするわけでもなく、食費をくれるわけでもなく・・・デートもしない。
「私は母親じゃない・・・!」
そう言って家を飛び出した。
夜遅く、何も持たず、靴も履かず・・・一人で泣きながら歩いてるとこを保護してくれた一人の人。
「何があった?送ってく。」
それはいつも仕事場のカフェに来てくれる常連さんだった。
「俺と・・・結婚してほしい。」
「!?」
突然の結婚の申し込み。彼のことは何も知らなかったけど・・・惹かれるのに時間はかからない。
かっこよくて・・優しくて・・・紳士な彼は私を心から愛してくれる。
そんな彼に、私は想いを返したい。
「俺に・・・全てを見せて。」
苦手意識の強かった『営み』。
彼の手によって私の感じ方が変わっていく・・・。
「いあぁぁぁっ・・!!」
「感じやすいんだな・・・。」
※お話は全て想像の世界のものです。現実世界とはなんら関係ありません。
※お話の中に出てくる病気、治療法などは想像のものとしてご覧ください。
※誤字脱字、表現不足は重々承知しております。日々精進してまいりますので温かく見ていただけると嬉しいです。
※コメントや感想は受け付けることができません。メンタルが薄氷なもので・・すみません。
それではお楽しみください。すずなり。
男装魔法使い、女性恐怖症の公爵令息様の治療係に任命される
百門一新
恋愛
男装姿で旅をしていたエリザは、長期滞在してしまった異国の王都で【赤い魔法使い(男)】と呼ばれることに。職業は完全に誤解なのだが、そのせいで女性恐怖症の公爵令息の治療係に……!?「待って。私、女なんですけども」しかも公爵令息の騎士様、なぜかものすごい懐いてきて…!?
男装の魔法使い(職業誤解)×女性が大の苦手のはずなのに、ロックオンして攻めに転じたらぐいぐいいく騎士様!?
※小説家になろう様、ベリーズカフェ様、カクヨム様にも掲載しています。
身代わり婚~暴君と呼ばれる辺境伯に拒絶された仮初の花嫁
結城芙由奈
恋愛
【決してご迷惑はお掛けしません。どうか私をここに置いて頂けませんか?】
妾腹の娘として厄介者扱いを受けていたアリアドネは姉の身代わりとして暴君として名高い辺境伯に嫁がされる。結婚すれば幸せになれるかもしれないと淡い期待を抱いていたのも束の間。望まぬ花嫁を押し付けられたとして夫となるべく辺境伯に初対面で冷たい言葉を投げつけらた。さらに城から追い出されそうになるものの、ある人物に救われて下働きとして置いてもらえる事になるのだった―。
アルバートの屈辱
プラネットプラント
恋愛
妻の姉に恋をして妻を蔑ろにするアルバートとそんな夫を愛するのを諦めてしまった妻の話。
『詰んでる不憫系悪役令嬢はチャラ男騎士として生活しています』の10年ほど前の話ですが、ほぼ無関係なので単体で読めます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる