上 下
84 / 107
本編で語られなかったイチャラブ事情

79

しおりを挟む
 アンドゥSide

「ルーシュは何処かな?今日はオグリが居ないから匂いで追跡は出来ないし、頑張って自分で探さないと。僕予知系は苦手なんだけど大丈夫かな?ルーシュ、何処かでコケたりしていないかな?」

 それを人はフラグと言う。
 兎に角アンドュアイスによるカカン王宮探索が始まった。

「えーと、まず人に聞いてみよう」

 アンドュアイスは近くにあった食堂に入った。
 一気に食堂がざわつく。
 とんでもない美形が入って来たのだ。
 男も女も興奮で顔を赤くしている。
 まったくとんでもない誑し体質である。

 近くに居た酒を昼から嗜んでいる屈強な男に尋ねる事にした。

「若葉色の髪に稲穂色の瞳の背の高い少女を見なかったであろうか?」

 キラキラとアンドュアイスにエフェクトがかかっている。
 皇太子スマイルで皆ドッキドキだ。
 食堂に入って来たイケメンは身分迄お高そうなのである。

「あ~ん、どこの貴族の兄ちゃんだ?腰に剣をさしているならそれなりに戦えるんだよな?俺に勝ったら教えてやっても良いぜ~」

 ぷはぁ~と酒臭い息をかけられる。
 どうやらこの屈強な男は同性にはときめかない体質のようだ。
 いや、普通は皆ほとんどそうなのだが、誑し体質のアンドュアイスが悪い。

「では手合わせをしよう。勝った暁には少女の事を教えて貰うぞ?」

「いいぜ、兄ちゃんこっちに来な!」

 こうしてアンドュアイスは闘技場へと移動したのであった。

 :::

 ルーシュSide

「あぁぁぁぁぁ逃げちゃった…だってアンドゥ様があんなこと言うなんて!!女の胸嫌いなはずなのに、私のは気持ちいと、か…………」

 もうルーシュの顔は真っ赤である。
 胸を褒められたのは初めてだ。
 しかも恋する男に褒められたのだ。
 嬉しくない筈が無い。
 だがまだ16歳、思春期のルーシュにはアンドュアイスの言葉は恥ずかしすぎた。

「うぅ~~~いやらしい意味とかじゃなくて大型犬モードで言ってるのは分かっているんだけどさ~~~~」

 そう、その言葉に色は無かった。
 子供がママの胸好き~、と言っているのと同程度の言葉だ。
 だが、だがルーシュは初めて恋したまだ16歳の乙女なのである。
 しかもつい1年ちょっと前まで男として生きて来たし、自分の性認識もどちらかと言うと男よりだった。
 つまりルーシュは女の子歴1年ちょっとなのだ。
 男のあしらい方など知っている筈が無い。

「逃げてきちゃったけどどしよ?しかも足まで挫くし………」

 しっかりとフラグを回収しているルーシュであった。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

王太子さま、側室さまがご懐妊です

家紋武範
恋愛
王太子の第二夫人が子どもを宿した。 愛する彼女を妃としたい王太子。 本妻である第一夫人は政略結婚の醜女。 そして国を奪い女王として君臨するとの噂もある。 あやしき第一夫人をどうにかして廃したいのであった。

王命を忘れた恋

須木 水夏
恋愛
『君はあの子よりも強いから』  そう言って貴方は私を見ることなく、この関係性を終わらせた。  強くいなければ、貴方のそばにいれなかったのに?貴方のそばにいる為に強くいたのに?  そんな痛む心を隠し。ユリアーナはただ静かに微笑むと、承知を告げた。

逃した番は他国に嫁ぐ

基本二度寝
恋愛
「番が現れたら、婚約を解消してほしい」 婚約者との茶会。 和やかな会話が落ち着いた所で、改まって座を正した王太子ヴェロージオは婚約者の公爵令嬢グリシアにそう願った。 獣人の血が交じるこの国で、番というものの存在の大きさは誰しも理解している。 だから、グリシアも頷いた。 「はい。わかりました。お互いどちらかが番と出会えたら円満に婚約解消をしましょう!」 グリシアに答えに満足したはずなのだが、ヴェロージオの心に沸き上がる感情。 こちらの希望を受け入れられたはずのに…、何故か、もやっとした気持ちになった。

完結 「愛が重い」と言われたので尽くすのを全部止めたところ

音爽(ネソウ)
恋愛
アルミロ・ルファーノ伯爵令息は身体が弱くいつも臥せっていた。財があっても自由がないと嘆く。 だが、そんな彼を幼少期から知る婚約者ニーナ・ガーナインは献身的につくした。 相思相愛で結ばれたはずが健気に尽くす彼女を疎ましく感じる相手。 どんな無茶な要望にも応えていたはずが裏切られることになる。

側妃、で御座いますか?承知いたしました、ただし条件があります。

とうや
恋愛
「私はシャーロットを妻にしようと思う。君は側妃になってくれ」 成婚の儀を迎える半年前。王太子セオドアは、15年も婚約者だったエマにそう言った。微笑んだままのエマ・シーグローブ公爵令嬢と、驚きの余り硬直する近衛騎士ケイレブ・シェパード。幼馴染だった3人の関係は、シャーロットという少女によって崩れた。 「側妃、で御座いますか?承知いたしました、ただし条件があります」 ********************************************        ATTENTION ******************************************** *世界軸は『側近候補を外されて覚醒したら〜』あたりの、なんちゃってヨーロッパ風。魔法はあるけれど魔王もいないし神様も遠い存在。そんなご都合主義で設定うすうすの世界です。 *いつものような残酷な表現はありませんが、倫理観に難ありで軽い胸糞です。タグを良くご覧ください。 *R-15は保険です。

【完結】捨てられ正妃は思い出す。

なか
恋愛
「お前に食指が動くことはない、後はしみったれた余生でも過ごしてくれ」    そんな言葉を最後に婚約者のランドルフ・ファルムンド王子はデイジー・ルドウィンを捨ててしまう。  人生の全てをかけて愛してくれていた彼女をあっさりと。  正妃教育のため幼き頃より人生を捧げて生きていた彼女に味方はおらず、学園ではいじめられ、再び愛した男性にも「遊びだった」と同じように捨てられてしまう。  人生に楽しみも、生きる気力も失った彼女は自分の意志で…自死を選んだ。  再び意識を取り戻すと見知った光景と聞き覚えのある言葉の数々。  デイジーは確信をした、これは二度目の人生なのだと。  確信したと同時に再びあの酷い日々を過ごす事になる事に絶望した、そんなデイジーを変えたのは他でもなく、前世での彼女自身の願いであった。 ––次の人生は後悔もない、幸福な日々を––  他でもない、自分自身の願いを叶えるために彼女は二度目の人生を立ち上がる。  前のような弱気な生き方を捨てて、怒りに滾って奮い立つ彼女はこのくそったれな人生を生きていく事を決めた。  彼女に起きた心境の変化、それによって起こる小さな波紋はやがて波となり…この王国でさえ変える大きな波となる。  

婚約者は、今月もお茶会に来ないらしい。

白雪なこ
恋愛
婚約時に両家で決めた、毎月1回の婚約者同士の交流を深める為のお茶会。だけど、私の婚約者は「彼が認めるお茶会日和」にしかやってこない。そして、数ヶ月に一度、参加したかと思えば、無言。短時間で帰り、手紙を置いていく。そんな彼を……許せる?  *6/21続編公開。「幼馴染の王女殿下は私の元婚約者に激おこだったらしい。次期女王を舐めんなよ!ですって。」 *外部サイトにも掲載しています。(1日だけですが総合日間1位)

元侯爵令嬢は冷遇を満喫する

cyaru
恋愛
第三王子の不貞による婚約解消で王様に拝み倒され、渋々嫁いだ侯爵令嬢のエレイン。 しかし教会で結婚式を挙げた後、夫の口から開口一番に出た言葉は 「王命だから君を娶っただけだ。愛してもらえるとは思わないでくれ」 夫となったパトリックの側には長年の恋人であるリリシア。 自分もだけど、向こうだってわたくしの事は見たくも無いはず!っと早々の別居宣言。 お互いで交わす契約書にほっとするパトリックとエレイン。ほくそ笑む愛人リリシア。 本宅からは屋根すら見えない別邸に引きこもりお1人様生活を満喫する予定が・・。 ※専門用語は出来るだけ注釈をつけますが、作者が専門用語だと思ってない専門用語がある場合があります ※作者都合のご都合主義です。 ※リアルで似たようなものが出てくると思いますが気のせいです。 ※架空のお話です。現実世界の話ではありません。 ※爵位や言葉使いなど現実世界、他の作者さんの作品とは異なります(似てるモノ、同じものもあります) ※誤字脱字結構多い作者です(ごめんなさい)コメント欄より教えて頂けると非常に助かります。

処理中です...