72 / 107
本編で語られなかったイチャラブ事情
68
しおりを挟む
「助けてサイエモ――――ンッ!!!」
フレイムアーチャの侯爵武家”ドラゴニア公爵家”に声が響いた。
勿論ルーシュの部屋からである。
「いい加減その呼び方は止めんか?」
ゲシッと背中を蹴られた。
背中を蹴るまでが様式美である。
そしてお馴染みの背中に付いた足跡。
今回はブーツだったので何時もよりヒールの分痛かった。
「サイヒーッ助けてくれよ―――――っ!」
「良いではないかお泊り旅行。ついに大人の階段を登る時が来たか?」
「お前やっぱり覗いてたんね!?」
「たまたま見えただけだ、気にするな」
「そのたまたまの回数が多すぎない?」
「全能神は世界中に気を配らないといけないからな。そしてたまたたまお前とアンドュがじゃれてるところに出くわすだけだ。カカンは風呂文化が良いぞ?たっぷり肌を磨いて三つ指ついてアンドュをベッドの上で待つが良い」
今日もサイエモンは意地悪である。
可愛い子ほど虐めたい。
全能神も心友の前では年相応の女の子だ。
なんて言ってもまだ18歳。
心友と絡むときくらい素でいたいのだ。
そしてルーシュはサイヒに魅了されないから素で居れる希少な存在である。
なので虐めながらもちゃんと協力はしてやるのがサイヒのスタンスである。
「まぁ私から姉上に話を通して王宮の書庫に入れるようにしてやろう。大聖女の伴侶の書いた魔導書もちゃんとあるぞ。因みに内容はここ1000年でもトップクラスに高位知識だ」
「マジで?サンキューサイヒ!」
(と言うか書物の内容を把握している私が手を貸したら次元移動の術くらい授けてやるのだが、楽しそうなので放っておいてみよう)
「何かお前楽しそうじゃね?」
「いやいや故郷を思い出して愉悦に浸っているだけだ。そう言えばまだルークをカカンに連れて行ってなかったな、今度連れて行ってやるとしよう。ルークは花も好きだから喜ぶであろうな」
「じゃぁ4人で旅行しよう!そうしよう!」
「お前アンドュと2人きりになりたくないだけだろ」
「え、いや、その、な………」
「嘘をつくことに向いてないな。私はルークとイチャイチャしたいから例え心友でも愛犬でもその時間の妨げになるものはいらんぞ?お前らもイチャイチャしたら良いではないか」
「そんな!アンドュ様とイチャイチャなんて…心臓が潰れる………」
「その時は蘇生してやるから安心してイチャイチャしたら良い」
ヴェー、とルーシュが唸る。
追い詰められた珍獣のような鳴き声だとサイヒは思った。
面白いから口には出さないが。
「下着はちゃんと新品をは着けていくことだな。男と女の2人旅、何かが起こるやもしれんからな」
「何もねーよ!寧ろ無さ過ぎてこっちが困ってんのよ!!」
「ではイイ機会ではないか。頑張ってアンドュを誘惑するんだな。カカンはそう言う雰囲気になりたいなら最高の国だぞ。
花は咲き乱れてるし、食べ物も美味しい、風呂も充実、と新婚旅行先NO1の国だからな」
「………アンドュ様、そう言う雰囲気になるのかな私で?」
あれだけ愛を囁かれ続けてまだ自分に自信のないルーシュである。
まぁアンドュアイスの過去が過去だけにルーシュが一歩踏み出す勇気がないのは仕方ない。
相手は生粋の女嫌いなのだ。
ルーシュ、サイヒ、ドラゴニア家の皆さま、そしてサイヒの寵愛を受けている女の子は別枠らしいが。
その中でもルーシュは本当の本当に特別なのだが、お子ちゃまなルーシュはまだ気付かない。
「まぁアンドュは肉欲が殆どないからそう言う事には発展せんかもしれんが、良い雰囲気は作れると思うぞ?16歳ならキス位はしても早すぎではないだろう。お休みのキスをするくらいには進展があると良いな」
「サイエモンが割と真面目な事言ってる………」
「姉上に話を通すのは止めておこうか?あぁん?」
「すんませんでした――――っ!!!」
見事な土下座であったと後にサイヒは語ったのだった。
婚前旅行が上手くいくかどうか、全てはルーシュの方にかかっているようである。
フレイムアーチャの侯爵武家”ドラゴニア公爵家”に声が響いた。
勿論ルーシュの部屋からである。
「いい加減その呼び方は止めんか?」
ゲシッと背中を蹴られた。
背中を蹴るまでが様式美である。
そしてお馴染みの背中に付いた足跡。
今回はブーツだったので何時もよりヒールの分痛かった。
「サイヒーッ助けてくれよ―――――っ!」
「良いではないかお泊り旅行。ついに大人の階段を登る時が来たか?」
「お前やっぱり覗いてたんね!?」
「たまたま見えただけだ、気にするな」
「そのたまたまの回数が多すぎない?」
「全能神は世界中に気を配らないといけないからな。そしてたまたたまお前とアンドュがじゃれてるところに出くわすだけだ。カカンは風呂文化が良いぞ?たっぷり肌を磨いて三つ指ついてアンドュをベッドの上で待つが良い」
今日もサイエモンは意地悪である。
可愛い子ほど虐めたい。
全能神も心友の前では年相応の女の子だ。
なんて言ってもまだ18歳。
心友と絡むときくらい素でいたいのだ。
そしてルーシュはサイヒに魅了されないから素で居れる希少な存在である。
なので虐めながらもちゃんと協力はしてやるのがサイヒのスタンスである。
「まぁ私から姉上に話を通して王宮の書庫に入れるようにしてやろう。大聖女の伴侶の書いた魔導書もちゃんとあるぞ。因みに内容はここ1000年でもトップクラスに高位知識だ」
「マジで?サンキューサイヒ!」
(と言うか書物の内容を把握している私が手を貸したら次元移動の術くらい授けてやるのだが、楽しそうなので放っておいてみよう)
「何かお前楽しそうじゃね?」
「いやいや故郷を思い出して愉悦に浸っているだけだ。そう言えばまだルークをカカンに連れて行ってなかったな、今度連れて行ってやるとしよう。ルークは花も好きだから喜ぶであろうな」
「じゃぁ4人で旅行しよう!そうしよう!」
「お前アンドュと2人きりになりたくないだけだろ」
「え、いや、その、な………」
「嘘をつくことに向いてないな。私はルークとイチャイチャしたいから例え心友でも愛犬でもその時間の妨げになるものはいらんぞ?お前らもイチャイチャしたら良いではないか」
「そんな!アンドュ様とイチャイチャなんて…心臓が潰れる………」
「その時は蘇生してやるから安心してイチャイチャしたら良い」
ヴェー、とルーシュが唸る。
追い詰められた珍獣のような鳴き声だとサイヒは思った。
面白いから口には出さないが。
「下着はちゃんと新品をは着けていくことだな。男と女の2人旅、何かが起こるやもしれんからな」
「何もねーよ!寧ろ無さ過ぎてこっちが困ってんのよ!!」
「ではイイ機会ではないか。頑張ってアンドュを誘惑するんだな。カカンはそう言う雰囲気になりたいなら最高の国だぞ。
花は咲き乱れてるし、食べ物も美味しい、風呂も充実、と新婚旅行先NO1の国だからな」
「………アンドュ様、そう言う雰囲気になるのかな私で?」
あれだけ愛を囁かれ続けてまだ自分に自信のないルーシュである。
まぁアンドュアイスの過去が過去だけにルーシュが一歩踏み出す勇気がないのは仕方ない。
相手は生粋の女嫌いなのだ。
ルーシュ、サイヒ、ドラゴニア家の皆さま、そしてサイヒの寵愛を受けている女の子は別枠らしいが。
その中でもルーシュは本当の本当に特別なのだが、お子ちゃまなルーシュはまだ気付かない。
「まぁアンドュは肉欲が殆どないからそう言う事には発展せんかもしれんが、良い雰囲気は作れると思うぞ?16歳ならキス位はしても早すぎではないだろう。お休みのキスをするくらいには進展があると良いな」
「サイエモンが割と真面目な事言ってる………」
「姉上に話を通すのは止めておこうか?あぁん?」
「すんませんでした――――っ!!!」
見事な土下座であったと後にサイヒは語ったのだった。
婚前旅行が上手くいくかどうか、全てはルーシュの方にかかっているようである。
0
お気に入りに追加
1,108
あなたにおすすめの小説
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
【完結】ドアマットに気付かない系夫の謝罪は死んだ妻には届かない
堀 和三盆
恋愛
一年にわたる長期出張から戻ると、愛する妻のシェルタが帰らぬ人になっていた。流行病に罹ったらしく、感染を避けるためにと火葬をされて骨になった妻は墓の下。
信じられなかった。
母を責め使用人を責めて暴れ回って、僕は自らの身に降りかかった突然の不幸を嘆いた。まだ、結婚して3年もたっていないというのに……。
そんな中。僕は遺品の整理中に隠すようにして仕舞われていた妻の日記帳を見つけてしまう。愛する妻が最後に何を考えていたのかを知る手段になるかもしれない。そんな軽い気持ちで日記を開いて戦慄した。
日記には妻がこの家に嫁いでから病に倒れるまでの――母や使用人からの壮絶な嫌がらせの数々が綴られていたのだ。
冷遇された第七皇子はいずれぎゃふんと言わせたい! 赤ちゃんの頃から努力していたらいつの間にか世界最強の魔法使いになっていました
taki210
ファンタジー
旧題:娼婦の子供と冷遇された第七皇子、赤ちゃんの頃から努力していたらいつの間にか世界最強の魔法使いになっていた件
『穢らわしい娼婦の子供』
『ロクに魔法も使えない出来損ない』
『皇帝になれない無能皇子』
皇帝ガレスと娼婦ソーニャの間に生まれた第七皇子ルクスは、魔力が少ないからという理由で無能皇子と呼ばれ冷遇されていた。
だが実はルクスの中身は転生者であり、自分と母親の身を守るために、ルクスは魔法を極めることに。
毎日人知れず死に物狂いの努力を続けた結果、ルクスの体内魔力量は拡張されていき、魔法の威力もどんどん向上していき……
『なんだあの威力の魔法は…?』
『モンスターの群れをたった一人で壊滅させただと…?』
『どうやってあの年齢であの強さを手に入れたんだ…?』
『あいつを無能皇子と呼んだ奴はとんだ大間抜けだ…』
そして気がつけば周囲を畏怖させてしまうほどの魔法使いの逸材へと成長していたのだった。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
旦那様、そんなに彼女が大切なら私は邸を出ていきます
おてんば松尾
恋愛
彼女は二十歳という若さで、領主の妻として領地と領民を守ってきた。二年後戦地から夫が戻ると、そこには見知らぬ女性の姿があった。連れ帰った親友の恋人とその子供の面倒を見続ける旦那様に、妻のソフィアはとうとう離婚届を突き付ける。
if 主人公の性格が変わります(元サヤ編になります)
※こちらの作品カクヨムにも掲載します
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
断腸の思いで王家に差し出した孫娘が婚約破棄されて帰ってきた
兎屋亀吉
恋愛
ある日王家主催のパーティに行くといって出かけた孫娘のエリカが泣きながら帰ってきた。買ったばかりのドレスは真っ赤なワインで汚され、左頬は腫れていた。話を聞くと王子に婚約を破棄され、取り巻きたちに酷いことをされたという。許せん。戦じゃ。この命燃え尽きようとも、必ずや王家を滅ぼしてみせようぞ。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
完結 喪失の花嫁 見知らぬ家族に囲まれて
音爽(ネソウ)
恋愛
ある日、目を覚ますと見知らぬ部屋にいて見覚えがない家族がいた。彼らは「貴女は記憶を失った」と言う。
しかし、本人はしっかり己の事を把握していたし本当の家族のことも覚えていた。
一体どういうことかと彼女は震える……
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
愛される日は来ないので
豆狸
恋愛
だけど体調を崩して寝込んだ途端、女主人の部屋から物置部屋へ移され、満足に食事ももらえずに死んでいったとき、私は悟ったのです。
──なにをどんなに頑張ろうと、私がラミレス様に愛される日は来ないのだと。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
前世の記憶が蘇ったので、身を引いてのんびり過ごすことにします
柚木ゆず
恋愛
※明日(3月6日)より、もうひとつのエピローグと番外編の投稿を始めさせていただきます。
我が儘で強引で性格が非常に悪い、筆頭侯爵家の嫡男アルノー。そんな彼を伯爵令嬢エレーヌは『ブレずに力強く引っ張ってくださる自信に満ちた方』と狂信的に愛し、アルノーが自ら選んだ5人の婚約者候補の1人として、アルノーに選んでもらえるよう3年間必死に自分を磨き続けていました。
けれどある日無理がたたり、倒れて後頭部を打ったことで前世の記憶が覚醒。それによって冷静に物事を見られるようになり、ようやくアルノーは滅茶苦茶な人間だと気付いたのでした。
「オレの婚約者候補になれと言ってきて、それを光栄に思えだとか……。倒れたのに心配をしてくださらないどころか、異常が残っていたら候補者から脱落させると言い出すとか……。そんな方に夢中になっていただなんて、私はなんて愚かなのかしら」
そのためエレーヌは即座に、候補者を辞退。その出来事が切っ掛けとなって、エレーヌの人生は明るいものへと変化してゆくことになるのでした。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
王妃そっちのけの王様は二人目の側室を娶る
家紋武範
恋愛
王妃は自分の人生を憂いていた。国王が王子の時代、彼が六歳、自分は五歳で婚約したものの、顔合わせする度に喧嘩。
しかし王妃はひそかに彼を愛していたのだ。
仲が最悪のまま二人は結婚し、結婚生活が始まるが当然国王は王妃の部屋に来ることはない。
そればかりか国王は側室を持ち、さらに二人目の側室を王宮に迎え入れたのだった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる