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本編で語られなかったイチャラブ事情

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 本日はルーシュがガフティラベル帝国に宿泊する日だ。
 2泊3日である。
 泊まる部屋はルーシュ専用の部屋が用意されている。
 アンドュアイス的には一緒の部屋で時間を過ごしたいみたいだが。
 ルーシュが却下を出した。
 流石に10歳年下の異性を時期皇帝の寝室に出入りさせるのは体面が悪い。
 ぶーたれるアンドュアイスだが、ルーシュが街でデートをしようと誘うと一気に機嫌は良くなる。
 アンドュアイスは現在帝都探索にはまっているのである。

 串焼き
 フライドポテト
 チョコバナナ
 フルーツパフェ

 どれも王宮では出されない料理だ。
 B級グルメはどうやらアンドュアイスの心を掴んだらしい。
 でも1人でお忍びで食べに来ても美味しくない。
 ルーシュが一緒だととびっきり美味しいご馳走に早変わりだ。
 【認識阻害】の神具を与えたくれたサイヒには感謝してもし足りない。

 だが本日は問題があった。
 ルーシュは月の物が前の晩から始まっていたのだ。
 ルーシュの月の物の症状は重い。

 頭が痛い。
 腹が痛い。
 腰が痛い
 体が重い。
 視界が暗い。
 情緒が不安定。

 絶不調極まりない。

 なのでルーシュはアンドュアイスに隠れてポーションを定期的に飲んでいた。
 月の物の症状に効くマロン特製のポーションだ。
 1回量は小瓶1つ。
 それだけで症状がすっ、と治まる。
 マロン様様である。

 だが依存性が高いためマロンから飲み過ぎに注意をされている。

 普段のルーシュなら幾らしんどくても依存性のあるポーションは飲まない。
 でも今日は別。
 アンドュアイスが楽しんでいるのに水を差したくない。

「ねぇルーシュ、さっきからコソコソ何を飲んでるの?」

 コテリ、と小首を傾げてアンドュアイスがルーシュの顔を覗き込む。
 どうやらこっそり飲んでいるつもりだったのはルーシュだけだったらしい。
 完全に最初からバレていたようである。

(どうしよう…そろそろ飲まないと体動けなくなる………)

 ひょい、とアンドュアイスが小瓶を取り上げた。

「ただの栄養ドリンクですよ」

「何回も飲まなくちゃならないの?」

「数回に分けた方が効くんです」

「じゃぁ僕も分けて貰うね♬」

 そして小瓶の中身をアンドュアイスが飲もうとして…

「駄目ですそれ依存性高いですから―――っ!!」

 アンドュアイスがすっ、と小瓶を高く持ち上げた。
 最初から飲む気が無かったようだ。

(さよなら私の報われない努力………)

「何でこんなの飲んでるかな?依存性高い栄養ドリンク?それ、体に悪いよね?」

「……………」

(アンドュ様が怖いなんて思ったの初めてだ…どうしよう、怖い…怒られるの、嫌だ、嫌われたくない…………)

 じわり、とルーシュの双眸に涙が浮かぶ。
 症状が出てきているのだ。
 情緒不安定な心が制御出来ない。

「ごめ、なさい…嫌い、にならないで………」

「ルーシュ?」

「ごめ……………」

 ふらり、とルーシュの身体が揺れて、そのまま地面に倒れそうになる。
 それをアンドュアイスが簡単に支えた。
 片腕でルーシュの身体を己の胸に抱き込む。

(あ~目の前真っ暗、だぁ………)

 そうして真っ白な顔色のルーシュが意識を失った。
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