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48 最終話
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「ルーシュ、頑張って…」
普段皇帝をしている時には見せない本来のあどけない表情は泣きそうに歪んでいる。
美形が台無しだ。
アンドュアイスはただ1人、愛した伴侶の手を力強く握りしめた。
「そんなに泣きそうな顔しないで下さいんよアンドュ様、これ位へいk――――っ!!!!」
ルーシュの下腹部に強い痛みが走った。
「皇妃様、そのまま息んで下さい!」
「う、くぁっ!」
「ルーシュ!!」
おぎゃぁぁぁっ
「うま、れ、た」
赤子の泣き声が部屋に響いた。
「はは、ちゃんと産まれた。私とアンドュ様の赤ちゃん……」
「ルーシュルーシュ!有難う!ご苦労様」
「ん、アンドュ様。早く赤ちゃんが見たいんな」
おおよそ皇妃らしくない話し方でルーシュが話す。
赤子の前に目の前の大きな子供の涙も拭わねば。
ルーシュはアンドュアイスの眦に溜まった涙を指で拭ってやった。
「ほら、赤ちゃんを抱っこして、おとーさん?」
「わ、わ!」
産婆から赤子がアンドュアイスの腕に渡される。
アンドュアイスは宝物を抱くように優しく己の血をひく赤子を抱いた。
「金髪だ」
「アンドュ様の色ねん」
「瞳はルーシュと同じ稲穂色」
「え、もう目開いてんの?成長速度早くない我が子!?」
「キンキラキンだね」
アンドュアイスが満面の笑みをルーシュに向けた。
その無垢な笑顔にルーシュの頬は上気し、心臓はバクバクと大きく動く。
結婚して1年たつのにルーシュはいまだ己の夫にベタ惚れである。
「名前どうしよーか?」
「ライトニング」
「ライトニング?」
「物凄い嫌なんですけど天啓が下りました。雷の意味を持つライトニングと命名してはどうか、と」
「天啓て、あ、もしかしてサイヒ!?」
「そのもしかしてです。アンドュ様が私の目の色を稲穂色と言うでしょう?雷は稲妻と言われるんですが、稲が咲くときに良くなるから稲妻と言うのだと。そしてアンドュ様の髪の色も雷の用なので稲穂の色を持つこの子の名前をライトニングに命名しようと、まで天啓内容です。
あ、別に無視しちゃっても良いですよ?サイヒも名づけがどれだけ大切なモノか分かってない様な馬鹿じゃないんで、まぁ一応選択肢の1つには入れてくれ、て感じでしたから」
「ううん、その名前が良い!僕の髪の毛も雷みたい、て言われるもん。僕の髪とルーシュの瞳の色を持ったこの子はまさしく雷だよ。ライトニング、いい名前だね。君は今日からライトニングだよ、僕とルーシュの赤ちゃん」
(名付け親が全能神になってしまった…まぁ加護がありそうで良いか、アンドュ様も喜んでいるんだし)
「あ~苦しかった。これで痛いのは今回はもう終わりなんよね?」
「いえ、後産があるんで終わりでは無いです。寧ろ後産の方がしんどいです皇妃様」
「………マジ?」
その後後産が終わるまでルーシュは苦しむこととなった。
苦しむ姿を見せぬよう、夫に赤子を預けて世話を頼み部屋から追い出したルーシュは妻の鑑であろう。
ルーシュが苦しむ姿を見たらアンドュアイスがパニックになるのは目に見えているので。
「雷帝の異名を取る皇帝陛下があのような方だとは存じ上げませんでした。皇帝の仮面も被れぬほどに狼狽える姿、確かに産婆の私にしか見せられませんね。愛されておるのですね皇妃様」
「んふふ、可愛いでしょ。でも皆には内緒にしてね。アンドュ様があんな純粋な方だって知ったら粉かけてくる輩が増えるから」
「はい、この婆あ口は堅い方で御座いますので」
「あんがとーね」
この時ルーシュは知らなかった。
心友を重きにおく全能神がガフティラベル帝国の王都中に花吹雪を降らせていたのだと言う事を。
全能神に愛された皇帝と皇妃、2人の間に生まれた子もきっと全能神に愛されるのだろう。
希望に満ちた未来が約束されていると誰もが思っていた。
15年後王族貴族を中心に国を揺るがす大惨事が起ることなど誰も想像していなかったのだ。
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ぶつ切りですがこの話は一旦ここで完結です。
続編【護衛している皇太子が男好きの侯爵令嬢に誘惑されて婚約破棄をしようとしているのだがどうすれば良い!?】を書き始めました。
主役は…ライトニング君では無いですがこの話と、
【聖女の力を姉に譲渡し国を出て行った元聖女は実は賢者でした~隣国の後宮で自重せずに生きていこうと思います~】を読んでいれば主人公の正体はすぐにわかると思います(*´▽`*)
良かったらアンドュとルーシュの息子のライトニング君も成長した姿で登場するので読んでやって下さい(*- -)(*_ _)ペコリ
普段皇帝をしている時には見せない本来のあどけない表情は泣きそうに歪んでいる。
美形が台無しだ。
アンドュアイスはただ1人、愛した伴侶の手を力強く握りしめた。
「そんなに泣きそうな顔しないで下さいんよアンドュ様、これ位へいk――――っ!!!!」
ルーシュの下腹部に強い痛みが走った。
「皇妃様、そのまま息んで下さい!」
「う、くぁっ!」
「ルーシュ!!」
おぎゃぁぁぁっ
「うま、れ、た」
赤子の泣き声が部屋に響いた。
「はは、ちゃんと産まれた。私とアンドュ様の赤ちゃん……」
「ルーシュルーシュ!有難う!ご苦労様」
「ん、アンドュ様。早く赤ちゃんが見たいんな」
おおよそ皇妃らしくない話し方でルーシュが話す。
赤子の前に目の前の大きな子供の涙も拭わねば。
ルーシュはアンドュアイスの眦に溜まった涙を指で拭ってやった。
「ほら、赤ちゃんを抱っこして、おとーさん?」
「わ、わ!」
産婆から赤子がアンドュアイスの腕に渡される。
アンドュアイスは宝物を抱くように優しく己の血をひく赤子を抱いた。
「金髪だ」
「アンドュ様の色ねん」
「瞳はルーシュと同じ稲穂色」
「え、もう目開いてんの?成長速度早くない我が子!?」
「キンキラキンだね」
アンドュアイスが満面の笑みをルーシュに向けた。
その無垢な笑顔にルーシュの頬は上気し、心臓はバクバクと大きく動く。
結婚して1年たつのにルーシュはいまだ己の夫にベタ惚れである。
「名前どうしよーか?」
「ライトニング」
「ライトニング?」
「物凄い嫌なんですけど天啓が下りました。雷の意味を持つライトニングと命名してはどうか、と」
「天啓て、あ、もしかしてサイヒ!?」
「そのもしかしてです。アンドュ様が私の目の色を稲穂色と言うでしょう?雷は稲妻と言われるんですが、稲が咲くときに良くなるから稲妻と言うのだと。そしてアンドュ様の髪の色も雷の用なので稲穂の色を持つこの子の名前をライトニングに命名しようと、まで天啓内容です。
あ、別に無視しちゃっても良いですよ?サイヒも名づけがどれだけ大切なモノか分かってない様な馬鹿じゃないんで、まぁ一応選択肢の1つには入れてくれ、て感じでしたから」
「ううん、その名前が良い!僕の髪の毛も雷みたい、て言われるもん。僕の髪とルーシュの瞳の色を持ったこの子はまさしく雷だよ。ライトニング、いい名前だね。君は今日からライトニングだよ、僕とルーシュの赤ちゃん」
(名付け親が全能神になってしまった…まぁ加護がありそうで良いか、アンドュ様も喜んでいるんだし)
「あ~苦しかった。これで痛いのは今回はもう終わりなんよね?」
「いえ、後産があるんで終わりでは無いです。寧ろ後産の方がしんどいです皇妃様」
「………マジ?」
その後後産が終わるまでルーシュは苦しむこととなった。
苦しむ姿を見せぬよう、夫に赤子を預けて世話を頼み部屋から追い出したルーシュは妻の鑑であろう。
ルーシュが苦しむ姿を見たらアンドュアイスがパニックになるのは目に見えているので。
「雷帝の異名を取る皇帝陛下があのような方だとは存じ上げませんでした。皇帝の仮面も被れぬほどに狼狽える姿、確かに産婆の私にしか見せられませんね。愛されておるのですね皇妃様」
「んふふ、可愛いでしょ。でも皆には内緒にしてね。アンドュ様があんな純粋な方だって知ったら粉かけてくる輩が増えるから」
「はい、この婆あ口は堅い方で御座いますので」
「あんがとーね」
この時ルーシュは知らなかった。
心友を重きにおく全能神がガフティラベル帝国の王都中に花吹雪を降らせていたのだと言う事を。
全能神に愛された皇帝と皇妃、2人の間に生まれた子もきっと全能神に愛されるのだろう。
希望に満ちた未来が約束されていると誰もが思っていた。
15年後王族貴族を中心に国を揺るがす大惨事が起ることなど誰も想像していなかったのだ。
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ぶつ切りですがこの話は一旦ここで完結です。
続編【護衛している皇太子が男好きの侯爵令嬢に誘惑されて婚約破棄をしようとしているのだがどうすれば良い!?】を書き始めました。
主役は…ライトニング君では無いですがこの話と、
【聖女の力を姉に譲渡し国を出て行った元聖女は実は賢者でした~隣国の後宮で自重せずに生きていこうと思います~】を読んでいれば主人公の正体はすぐにわかると思います(*´▽`*)
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