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プロローグ

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 私の名前はルーシュ・サウザント・ドラゴニア。
 軍事国家『フレイムアーチャ』の公爵家に生まれた第8子だ。
 私の上には姉が7人。
 ドラゴニア家は武で名をはせたお家柄だ。
 後継ぎがいないなど言語道断だった。

 そして何をトチ狂ったか私の父親は私を男として育てることにした。

 幸いにして剣術と魔術に才能のあった私は軍事学校を飛び級で卒業。
 12歳で国家聖騎士団に最年少所属を果たす。
 そして3年。
 あらゆる武功を私は上げた。

 生まれた時から男として育てられたので男社会で生きる事に息苦しさは無い。
 むしろ女社会で暮らすことの方が私にとっては苦痛だ。
 このまま武功を上げてドラゴニア家の時期公爵として家の後を継ぐのだと信じていたが、父からの《急ぎ帰れ》の電報に私は即刻で実家へ帰った。

 もしや父が大病にでも侵されたのであろうか?
 はやる胸とざわつく予感を抱えながら実家へと戻る。

「ルーシュ、お前に弟が産まれた。これからは弟のラーシャを跡取りとして育てる。お前は戦死したことにするから、令嬢としての作法を覚えた後直ぐ神殿に入って貰う。聖女付の侍女として我が国へ貢献するが良い」

 父を半殺しにした私は悪くないと思う。
 半殺しにしてはポーションをかけて再び半殺しにすると言う行為を数十回に渡って行ったが、決して私は悪くないと思う。
 ポーション代は父持ちだ。
 私は法力が無いので回復魔術を使えないので仕方ないだろう。
 
 法力がないのに神殿に入るとはこれ如何に!?
 父め、相当私の存在を隠したいようだな。

 そして3か月後、私はドナドナされて神殿へ送り出される事となった。
 父が一々私に委縮しているのが鬱陶しかったが母が泣きながら抱きしめてくれたのでチャラにする。
 母に感謝しろ父よ。

 まだ嫁いでいない下から3人の姉も私を涙で見送る。
 私の姉上マジ天使。
 母と姉の為、女として第2の人生を頑張ってやんよ。

 それにしても聖女か。
 きっと慈悲深い美女さんなのだろう。
 同性愛者ではないが男として育てられて私はどちらかと言うと、むさい男より可愛い女の子が好きだ。
 あくまでプラトニックだが。

 :::

「あんたが私付の侍女?ふ~ん精々身の回りの事、手を抜かずに働いてよね。国に尽くしてる私に尽くすのがあんた等の仕事なんだから」

 え、コレが聖女?
 何か凄いウザいんですけど?
 コレの相手毎日しないといけないの?

 聖女と挨拶を交わして5分、すでに私は戦場の前線が恋しくなった。
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