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【37話】
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「サイヒ様、用意が出来ました」
サロンにクロタン様が帰ってきました。
お茶が終わる時間に合わせて用事を済ませてきた様子です。
流石は出来る黒猫クロタン様です!
猫の中の猫です!
クロタン様ほどの優秀な美猫、この先出会うことは無いでしょう。
「カノン」
「勿論1番はフォルテシモ様ですよ」
皇太子様の方を向いて笑顔で言いました。
すると雰囲気がす、と優しくなります。
本当に器が小さくて、これじゃぁ放っておくことが出来ないじゃ無いですか。
また1つ、こうやって自分が皇太子様から離れられない理由を増やしてしまします。
ようは惚れた弱み、ですね。
「カノン、クロタンに付いて行くが良い。【変体】の魔術を授ける」
「有難うございます神様!クロタン様!」
これで、皇太子様とポリフォニーの仲も捨てずにすみます。
婚約者でも無くて、男同士で、護るものと護られるものだったけど、確かにカノンとは違う繋がりが皇太子様とポリフォニーにはあったのです。
そして私は貪欲にソレも欲しいと願いました。
神様はソレを私に下さるのです。
どこまで私を甘やかせてくださるのですか神様?
もう私の信仰心は神様にしか向けられないでしょう。
どんな奇跡を見ても、神様の御業でないなら感動もしないでしょう。
それ程までに、神様は私の心を独占しているのです。
あ、皇太子様はまた別枠ですよ?
「カノン、来るが良いぞ」
「は、はい!」
そして私は長い尻尾を揺ら揺ら揺らす、お尻がキュート♡な黒猫のクロタン様の後ろをついていくのでした。
眼福この上ないです。
皇太子様は…神様に任せても大丈夫ですよね?
特に魔王様とはお話が合うみたいでしたから。
そして私はクロタン様に付いて行って、神様が天界で住む悪魔たちのために建てられたと言う『魔道の塔』へと向かうのでした。
:::
トントントントン
「ふふ、フォルテシモ殿。カノンならもう少しで戻ってくる、落ち着きたまえ」
「す、すみません!」
扉を開けようとしたらそんな会話が聞こえてきました。
皇太子様、離れていた時間15分ほどじゃ無いですか…。
待ちきれなかったのですか…………?
待つのが苦手で貧乏ゆすりする癖抜けてないのですね。
「サイヒ様、完了しました」
「うむ、入りなさいポリフォニー」
神様の甘い声に導かれて私は応接間に入ります。
ポリフォニーとして。
「ポ、リ、フォニー………」
皇太子様が固まりました。
流石に仮面をつけていない屈強な男の姿は抵抗があったのでしょうか?
仮面付けてたから女顔で想像してたんでしょうか?
残念ながら私はかなり男らしい顔立ちです。
背も皇太子様より高いし体に厚みもあります。
ただ変わらないのはロゼの瞳。
白金の髪は現在漆黒です。
それに合わせて衣装も黒。
何だか期待を裏切って済まない気になって来たと言いましょうか………。
「か…恰好イイ……………」
ポッ、何て音が聞こえそうな程、皇太子様が分かりやすく頬をバラ色に染めたのでした。
サロンにクロタン様が帰ってきました。
お茶が終わる時間に合わせて用事を済ませてきた様子です。
流石は出来る黒猫クロタン様です!
猫の中の猫です!
クロタン様ほどの優秀な美猫、この先出会うことは無いでしょう。
「カノン」
「勿論1番はフォルテシモ様ですよ」
皇太子様の方を向いて笑顔で言いました。
すると雰囲気がす、と優しくなります。
本当に器が小さくて、これじゃぁ放っておくことが出来ないじゃ無いですか。
また1つ、こうやって自分が皇太子様から離れられない理由を増やしてしまします。
ようは惚れた弱み、ですね。
「カノン、クロタンに付いて行くが良い。【変体】の魔術を授ける」
「有難うございます神様!クロタン様!」
これで、皇太子様とポリフォニーの仲も捨てずにすみます。
婚約者でも無くて、男同士で、護るものと護られるものだったけど、確かにカノンとは違う繋がりが皇太子様とポリフォニーにはあったのです。
そして私は貪欲にソレも欲しいと願いました。
神様はソレを私に下さるのです。
どこまで私を甘やかせてくださるのですか神様?
もう私の信仰心は神様にしか向けられないでしょう。
どんな奇跡を見ても、神様の御業でないなら感動もしないでしょう。
それ程までに、神様は私の心を独占しているのです。
あ、皇太子様はまた別枠ですよ?
「カノン、来るが良いぞ」
「は、はい!」
そして私は長い尻尾を揺ら揺ら揺らす、お尻がキュート♡な黒猫のクロタン様の後ろをついていくのでした。
眼福この上ないです。
皇太子様は…神様に任せても大丈夫ですよね?
特に魔王様とはお話が合うみたいでしたから。
そして私はクロタン様に付いて行って、神様が天界で住む悪魔たちのために建てられたと言う『魔道の塔』へと向かうのでした。
:::
トントントントン
「ふふ、フォルテシモ殿。カノンならもう少しで戻ってくる、落ち着きたまえ」
「す、すみません!」
扉を開けようとしたらそんな会話が聞こえてきました。
皇太子様、離れていた時間15分ほどじゃ無いですか…。
待ちきれなかったのですか…………?
待つのが苦手で貧乏ゆすりする癖抜けてないのですね。
「サイヒ様、完了しました」
「うむ、入りなさいポリフォニー」
神様の甘い声に導かれて私は応接間に入ります。
ポリフォニーとして。
「ポ、リ、フォニー………」
皇太子様が固まりました。
流石に仮面をつけていない屈強な男の姿は抵抗があったのでしょうか?
仮面付けてたから女顔で想像してたんでしょうか?
残念ながら私はかなり男らしい顔立ちです。
背も皇太子様より高いし体に厚みもあります。
ただ変わらないのはロゼの瞳。
白金の髪は現在漆黒です。
それに合わせて衣装も黒。
何だか期待を裏切って済まない気になって来たと言いましょうか………。
「か…恰好イイ……………」
ポッ、何て音が聞こえそうな程、皇太子様が分かりやすく頬をバラ色に染めたのでした。
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