32 / 59
【30話】
しおりを挟む
本日は南の果ての土地で宿泊することになりました。
ノクターンさんが住んでいる邸の1番豪華な部屋です。
誰も統治していない土地なのに本当に色々と素晴らしい街として成り立っています。
この邸も王都の貴族の邸にも負けない大きさで気品もあります。
何でも”ロゼの瞳の聖女”が現れた時のために建てられた邸らしいです。
なので私たちは1番豪華な部屋、つまりは主賓室でお泊りとなったのですが…。
ベッドが1つしかありません。
私は客間で皇太子様に部屋を開け渡そうとしたら物凄い勢いで反対されました。
その反対も駄目らしく、一緒の部屋で過ごすことになったのですが。
皇太子様、目が怖いです。
ギラギラしてるんですが。
「何故そんなに私と同室を嫌がるんだ?」
「結婚前の男女が同じ部屋で寝るなんて、乱れてます!」
「ポリフォニーだった頃は同室の日もあったじゃないか」
「それは護衛ですから、旅先で同室で寝なければいけない日もありましたからね」
「今日も同じような者だろう?」
「ポリフォニーは男!私は女です!」
「ぶっちゃけポリフォニーにも欲情していたから、男女の差なんて関係ないぞ?」
「そのぶっちゃけ聞きたくなかったです……」
「良し!カノン、それなら今からポリフォニーに変身しよう!それなら一緒の部屋でも問題ない♬」
「ポリフォニーにも欲情するなら変身しても問題アリですよ!」
「何だ…ポリフォニーにならないのか………」
何故落ち込むのですか皇太子様。
と言うかずっと聞きたかったんですよね。
「皇太子様は―――」
「名前!」
「フォルテシモ様は、カノンとポリフォニーどっちが好きなのですか!?」
「同一人物ではないか。私が好きなのは其方だぞ?」
「確かに同一人物ですけど、最初はそれも知らなかったじゃないですか」
「まぁ自分でも男に惹かれて驚いたが、問題ない!私が好きなのはカノンであれポリフォニーであれ其方であることには変わりない!」
いや、キリッとされましても。
男に欲情とか…問題大ですよ………。
これから私は男相手にも嫉妬することがあると考えなければいけないのですか?
「さあカノン!今晩はポリフォニーになろう!そして一緒のベッドで眠ろう!男同士だから問題ない♬変身!変身!さぁ変身だカノン♬」
無茶苦茶楽しそうですね皇太子様。
男同士でも欲情するなら問題だらけじゃないですか。
そしてやっぱりポリフォニーが好き過ぎじゃないですかこのお方?
「変身は無理です。あれは神様の奇跡なので私が自由に変身できるわけじゃないのです。今回カノンに戻れたのも神様の計らいですし、神様が術を解いてくれなければ私はこれからもポリフォニーの予定でしたよ。
カノンに戻れたからフォルテシモ様と婚姻できるわけですけど。それにしてもサービスが過ぎますよ…私、神様に可愛がられていたんですね………」
「カノン、随分と神様に愛されているようだが、カノンも神様が大好きなようだな?」
「当たり前じゃないですか!大好きですよ!私を助けてくれて、力をくれて、復讐を遂げさせてくれて、またカノンに戻してくれて、驚くぐらいの財産になるこの土地を用意してくれて。
正直これ程神様が私にして下さるとは思いませんでした。
あぁ、直接会ってお礼がしたいですね。マロン様とクオン様とクロタン様にもお礼が言いたいです」
「随分天界は楽しかったらしいなぁ………」
あれ?
皇太子様の目が絶対零度の冷たさに変わってるんですけど、私何かやらかしましたか?
ノクターンさんが住んでいる邸の1番豪華な部屋です。
誰も統治していない土地なのに本当に色々と素晴らしい街として成り立っています。
この邸も王都の貴族の邸にも負けない大きさで気品もあります。
何でも”ロゼの瞳の聖女”が現れた時のために建てられた邸らしいです。
なので私たちは1番豪華な部屋、つまりは主賓室でお泊りとなったのですが…。
ベッドが1つしかありません。
私は客間で皇太子様に部屋を開け渡そうとしたら物凄い勢いで反対されました。
その反対も駄目らしく、一緒の部屋で過ごすことになったのですが。
皇太子様、目が怖いです。
ギラギラしてるんですが。
「何故そんなに私と同室を嫌がるんだ?」
「結婚前の男女が同じ部屋で寝るなんて、乱れてます!」
「ポリフォニーだった頃は同室の日もあったじゃないか」
「それは護衛ですから、旅先で同室で寝なければいけない日もありましたからね」
「今日も同じような者だろう?」
「ポリフォニーは男!私は女です!」
「ぶっちゃけポリフォニーにも欲情していたから、男女の差なんて関係ないぞ?」
「そのぶっちゃけ聞きたくなかったです……」
「良し!カノン、それなら今からポリフォニーに変身しよう!それなら一緒の部屋でも問題ない♬」
「ポリフォニーにも欲情するなら変身しても問題アリですよ!」
「何だ…ポリフォニーにならないのか………」
何故落ち込むのですか皇太子様。
と言うかずっと聞きたかったんですよね。
「皇太子様は―――」
「名前!」
「フォルテシモ様は、カノンとポリフォニーどっちが好きなのですか!?」
「同一人物ではないか。私が好きなのは其方だぞ?」
「確かに同一人物ですけど、最初はそれも知らなかったじゃないですか」
「まぁ自分でも男に惹かれて驚いたが、問題ない!私が好きなのはカノンであれポリフォニーであれ其方であることには変わりない!」
いや、キリッとされましても。
男に欲情とか…問題大ですよ………。
これから私は男相手にも嫉妬することがあると考えなければいけないのですか?
「さあカノン!今晩はポリフォニーになろう!そして一緒のベッドで眠ろう!男同士だから問題ない♬変身!変身!さぁ変身だカノン♬」
無茶苦茶楽しそうですね皇太子様。
男同士でも欲情するなら問題だらけじゃないですか。
そしてやっぱりポリフォニーが好き過ぎじゃないですかこのお方?
「変身は無理です。あれは神様の奇跡なので私が自由に変身できるわけじゃないのです。今回カノンに戻れたのも神様の計らいですし、神様が術を解いてくれなければ私はこれからもポリフォニーの予定でしたよ。
カノンに戻れたからフォルテシモ様と婚姻できるわけですけど。それにしてもサービスが過ぎますよ…私、神様に可愛がられていたんですね………」
「カノン、随分と神様に愛されているようだが、カノンも神様が大好きなようだな?」
「当たり前じゃないですか!大好きですよ!私を助けてくれて、力をくれて、復讐を遂げさせてくれて、またカノンに戻してくれて、驚くぐらいの財産になるこの土地を用意してくれて。
正直これ程神様が私にして下さるとは思いませんでした。
あぁ、直接会ってお礼がしたいですね。マロン様とクオン様とクロタン様にもお礼が言いたいです」
「随分天界は楽しかったらしいなぁ………」
あれ?
皇太子様の目が絶対零度の冷たさに変わってるんですけど、私何かやらかしましたか?
0
お気に入りに追加
494
あなたにおすすめの小説

(完結)醜くなった花嫁の末路「どうぞ、お笑いください。元旦那様」
音爽(ネソウ)
ファンタジー
容姿が気に入らないと白い結婚を強いられた妻。
本邸から追い出されはしなかったが、夫は離れに愛人を囲い顔さえ見せない。
しかし、3年と待たず離縁が決定する事態に。そして元夫の家は……。
*6月18日HOTランキング入りしました、ありがとうございます。

思い出してしまったのです
月樹《つき》
恋愛
同じ姉妹なのに、私だけ愛されない。
妹のルルだけが特別なのはどうして?
婚約者のレオナルド王子も、どうして妹ばかり可愛がるの?
でもある時、鏡を見て思い出してしまったのです。
愛されないのは当然です。
だって私は…。

冷遇妻に家を売り払われていた男の裁判
七辻ゆゆ
ファンタジー
婚姻後すぐに妻を放置した男が二年ぶりに帰ると、家はなくなっていた。
「では開廷いたします」
家には10億の価値があったと主張し、妻に離縁と損害賠償を求める男。妻の口からは二年の事実が語られていく。

婚約破棄……そちらの方が新しい聖女……ですか。ところで殿下、その方は聖女検定をお持ちで?
Ryo-k
ファンタジー
「アイリス・フローリア! 貴様との婚約を破棄する!」
私の婚約者のレオナルド・シュワルツ王太子殿下から、突然婚約破棄されてしまいました。
さらには隣の男爵令嬢が新しい聖女……ですか。
ところでその男爵令嬢……聖女検定はお持ちで?


婚約破棄の後始末 ~息子よ、貴様何をしてくれってんだ!
タヌキ汁
ファンタジー
国一番の権勢を誇る公爵家の令嬢と政略結婚が決められていた王子。だが政略結婚を嫌がり、自分の好き相手と結婚する為に取り巻き達と共に、公爵令嬢に冤罪をかけ婚約破棄をしてしまう、それが国を揺るがすことになるとも思わずに。
これは馬鹿なことをやらかした息子を持つ父親達の嘆きの物語である。
【完結】もう…我慢しなくても良いですよね?
アノマロカリス
ファンタジー
マーテルリア・フローレンス公爵令嬢は、幼い頃から自国の第一王子との婚約が決まっていて幼少の頃から厳しい教育を施されていた。
泣き言は許されず、笑みを浮かべる事も許されず、お茶会にすら参加させて貰えずに常に完璧な淑女を求められて教育をされて来た。
16歳の成人の義を過ぎてから王子との婚約発表の場で、事あろうことか王子は聖女に選ばれたという男爵令嬢を連れて来て私との婚約を破棄して、男爵令嬢と婚約する事を選んだ。
マーテルリアの幼少からの血の滲むような努力は、一瞬で崩壊してしまった。
あぁ、今迄の苦労は一体なんの為に…
もう…我慢しなくても良いですよね?
この物語は、「虐げられる生活を曽祖母の秘術でざまぁして差し上げますわ!」の続編です。
前作の登場人物達も多数登場する予定です。
マーテルリアのイラストを変更致しました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる