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【13話】
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「はぁ~疲れたぁ~」
「ご苦労様です皇太子様、御茶は飲まれますか?」
「ポリフォニーが淹れてくれるなら飲む」
「本当に私に仕事を回すのが好きですね皇太子様は」
はぁ、と思わずため息が出ました。
呆れた目で見ていますが仮面越しなのでバレていないでしょう。
子供のように服に皺が寄るのも気にせずソファにゴロリと横になるその姿、皇太子として失格じゃないですか?
少なくとも皇太子様に好意を持っている少女たちの半分は幻滅しますよ?
貴方は『冷酷なる青の皇太子様』で通っているんですから。
そう皇太子様は巷では冷徹な皇太子として有名なのです。
笑顔の1つも浮かべませんから。
仮面のように張り付いた表情。
他者を見おろすときの蔑んだ双眸(本人にその気は無い)。
感情の籠っていない冷たい声。
その全てが皇太子様の冷酷のパーツを作っています。
唯一笑うのは政が係わった時くらですね。
政治ごととなると笑顔も安売りになります。
カレンとの婚約もこの1つのようです。
政治にかかわる政略結婚なので笑顔のバーゲンセールと言う訳です。
本日、夜会の間延々と聞かされた愚痴にコレが入っていました。
カレンも可哀想にwwwww
あ、すみません本音ですよ?
草生やしてしましましたけどね。
カノンを見てると思って接しているそうです。
知らなかったとは言え、私(カノン)の事、本当に大好きでいてくれたんですね。
正直嬉しいです。
今は別に好きな相手が居るみたいですが。
「甘いロイヤルミルクティーにシロップたっぷりなパンケーキが食べたい!」
「太りますよ?」
「年寄りたちへの心の込めてない挨拶のせいで碌に食事出来なかった!お腹が空いたし低血糖でイライラする!」
「はぁ、今日だけですよ?」
「ありがとうポリフォニー」
ニッコ――――――ッ♡
満面の笑み…何ですよね……。
冷徹と冷酷は何処に置いて来たんでしょうか?
「服が皺になります。ちゃんと着替えておくこと、20分くらいで出来ますからそれまでにシャワーくらい浴びといて下さい。人を呼びますか?」
「自分で出来る」
「私には手伝いさせるくせに、他の使用人の手は借りようとしないですよね皇太子様。そんなに私に過労してほしいですか?」
「だって…ポリフォニーは特別だから、ソレに護衛なんだから裸の私を守るためにも傍に居た方が良いだろう?」
何赤くなっているんですか?
「護衛が必要なら私が居ない時こそ別の護衛を付けるべきなのでは?」
「私はむさ苦しい野郎は嫌いだ」
「私もむさ苦しい野郎ですよ?皇太子様より背が高いですし、筋肉だってあります。まぁムダ毛は無いですけどね(神様が嫌がりましたから)」
「ポリフォニーは、そう言うのとは違うんだ。男だけど、良い匂いするし……」
「……皇太子様、耳鼻科に行きましょうか」
「あーっもう良いから!早くパンケーキ!私は身支度は1人で済ませるから早く作って来てくれ!」
「知らない人が来ても扉は空けちゃ駄目ですよ?」
「お前は私を幼児だと思っているのか?」
「知恵が働く分、幼児より質が悪いとは思っていますが?」
「お前の中の私って……」
「まぁ何でも良いですけど、すぐに戻るのでちゃっちゃと寝る準備しといて下さいよ。パンケーキ食べた後はちゃんと歯磨きもするんですよ」
「分かってるから早く行け。あ、その正装は汚さないでくれよ!折角お披露目用に作ったんだからな」
「じゃぁ着替えて―――」
「私が寝るまでその姿で居ろ。正装が良く似合っている」
「まぁ私もこの綺麗な青色の正装は気に入ってますけどね。生地が良すぎて汚すのが怖いのですが?」
「エプロンを今度プレゼントしてやる」
「そんなにしょっちゅう私にお菓子を作らせるつもりなんですか?」
「お前の菓子は美味いからな」
「おだてても何も出ませんからね」
まぁ実際にパンケーキは出てくるのですが、コレはおだてられたからではないのでノーカウントです。
皇太子様の願いを叶えるべく私は厨房に向かわなければなりません。
護衛が居ない時に別の護衛を付けるべきだと思うんですけど。
私みたいな怪しいのに絶大な信頼を抱いている皇太子様には、これ以上護衛を付けるのは逆に危険かもしれませんね。
部屋を出て扉を閉めると魔力で【結界】を張ります。
【水属性】の魔力は治癒や結界に向いているんですよね。
これなら多少危ない輩が来ても大丈夫でしょう。
クロタン先生から【結界】と【治癒】の魔術はお墨をいただいています。
その分【攻撃】の魔術は苦手ですが、天界の王宮基準なので地上ならそうそう負ける者は居ないでしょう。
私は皇太子様の安全を確保し、厨房へと向かうのでした。
「ご苦労様です皇太子様、御茶は飲まれますか?」
「ポリフォニーが淹れてくれるなら飲む」
「本当に私に仕事を回すのが好きですね皇太子様は」
はぁ、と思わずため息が出ました。
呆れた目で見ていますが仮面越しなのでバレていないでしょう。
子供のように服に皺が寄るのも気にせずソファにゴロリと横になるその姿、皇太子として失格じゃないですか?
少なくとも皇太子様に好意を持っている少女たちの半分は幻滅しますよ?
貴方は『冷酷なる青の皇太子様』で通っているんですから。
そう皇太子様は巷では冷徹な皇太子として有名なのです。
笑顔の1つも浮かべませんから。
仮面のように張り付いた表情。
他者を見おろすときの蔑んだ双眸(本人にその気は無い)。
感情の籠っていない冷たい声。
その全てが皇太子様の冷酷のパーツを作っています。
唯一笑うのは政が係わった時くらですね。
政治ごととなると笑顔も安売りになります。
カレンとの婚約もこの1つのようです。
政治にかかわる政略結婚なので笑顔のバーゲンセールと言う訳です。
本日、夜会の間延々と聞かされた愚痴にコレが入っていました。
カレンも可哀想にwwwww
あ、すみません本音ですよ?
草生やしてしましましたけどね。
カノンを見てると思って接しているそうです。
知らなかったとは言え、私(カノン)の事、本当に大好きでいてくれたんですね。
正直嬉しいです。
今は別に好きな相手が居るみたいですが。
「甘いロイヤルミルクティーにシロップたっぷりなパンケーキが食べたい!」
「太りますよ?」
「年寄りたちへの心の込めてない挨拶のせいで碌に食事出来なかった!お腹が空いたし低血糖でイライラする!」
「はぁ、今日だけですよ?」
「ありがとうポリフォニー」
ニッコ――――――ッ♡
満面の笑み…何ですよね……。
冷徹と冷酷は何処に置いて来たんでしょうか?
「服が皺になります。ちゃんと着替えておくこと、20分くらいで出来ますからそれまでにシャワーくらい浴びといて下さい。人を呼びますか?」
「自分で出来る」
「私には手伝いさせるくせに、他の使用人の手は借りようとしないですよね皇太子様。そんなに私に過労してほしいですか?」
「だって…ポリフォニーは特別だから、ソレに護衛なんだから裸の私を守るためにも傍に居た方が良いだろう?」
何赤くなっているんですか?
「護衛が必要なら私が居ない時こそ別の護衛を付けるべきなのでは?」
「私はむさ苦しい野郎は嫌いだ」
「私もむさ苦しい野郎ですよ?皇太子様より背が高いですし、筋肉だってあります。まぁムダ毛は無いですけどね(神様が嫌がりましたから)」
「ポリフォニーは、そう言うのとは違うんだ。男だけど、良い匂いするし……」
「……皇太子様、耳鼻科に行きましょうか」
「あーっもう良いから!早くパンケーキ!私は身支度は1人で済ませるから早く作って来てくれ!」
「知らない人が来ても扉は空けちゃ駄目ですよ?」
「お前は私を幼児だと思っているのか?」
「知恵が働く分、幼児より質が悪いとは思っていますが?」
「お前の中の私って……」
「まぁ何でも良いですけど、すぐに戻るのでちゃっちゃと寝る準備しといて下さいよ。パンケーキ食べた後はちゃんと歯磨きもするんですよ」
「分かってるから早く行け。あ、その正装は汚さないでくれよ!折角お披露目用に作ったんだからな」
「じゃぁ着替えて―――」
「私が寝るまでその姿で居ろ。正装が良く似合っている」
「まぁ私もこの綺麗な青色の正装は気に入ってますけどね。生地が良すぎて汚すのが怖いのですが?」
「エプロンを今度プレゼントしてやる」
「そんなにしょっちゅう私にお菓子を作らせるつもりなんですか?」
「お前の菓子は美味いからな」
「おだてても何も出ませんからね」
まぁ実際にパンケーキは出てくるのですが、コレはおだてられたからではないのでノーカウントです。
皇太子様の願いを叶えるべく私は厨房に向かわなければなりません。
護衛が居ない時に別の護衛を付けるべきだと思うんですけど。
私みたいな怪しいのに絶大な信頼を抱いている皇太子様には、これ以上護衛を付けるのは逆に危険かもしれませんね。
部屋を出て扉を閉めると魔力で【結界】を張ります。
【水属性】の魔力は治癒や結界に向いているんですよね。
これなら多少危ない輩が来ても大丈夫でしょう。
クロタン先生から【結界】と【治癒】の魔術はお墨をいただいています。
その分【攻撃】の魔術は苦手ですが、天界の王宮基準なので地上ならそうそう負ける者は居ないでしょう。
私は皇太子様の安全を確保し、厨房へと向かうのでした。
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