聖女として召喚されたのは双子の兄妹でしたー聖女である妹のオマケとされた片割れは国王の小姓となって王都復興を目指しますー

高井繭来

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御使い様が誑しに進化しました

【御使い様は学びたい45】

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「で、もうクロイツ行きの獣車に乗るんですか?」

「そうだね~フレイムアーチャから出てる獣車はガフティラベル行きと、クロイツ行きと、ジャクタル行きだけだからね」

「ジャクタル!」

 その国の名前に深海が反応した。
 忘れているかもしれないが、深海はジャクタルにフィルドとデートで行ったことがある。
 そこで天然物のソレ美味しいイチゴを堪能したのだ。
 正直深海が今まで食べたイチゴの中で1番美味しかった。
 イチゴとチョコと納豆があれば生きていけると言う深海にとってイチゴは甘美な麻薬みたいなものだ。
 眼がキラキラと輝いている。

「フカミちゃんジャクタル寄りたいの?」

 それなら少しくらい回り道も良いかな~とフィルドは思う。
 ルナトーにあの無邪気に微笑む深海を見せるのは勿体ない気もするが。
 それでも好きな女の子を喜ばせたいのは男心だろう。

「いえ、今回の旅はクロイツで医療を学ぶことですから我慢します。カカンに帰ったらまた連れて行って下さいフィルド様」

 ニッコリと深海が笑う。
 その笑みにフィルドは少しだけ頬を赤く染めた。
 本当に深海の笑顔に弱いのだ。

 自分は1つの国の魔術師団の団長で、世界で3本の指に入る術の使い手である。
 魔族の血も引いているので身体能力もそこいらの冒険者よりずっと強い。
 闘気を操るラキザが本気で殴っても「痛い」ですますほど頑丈だ。
 ちなみにラキザは素手で岩を砕く怪力である。
 つまりフィルドの頭は岩より硬いらしい。

(フィルド様初初しくて可愛い~フカミ君に本当にべた惚れね♡)

 見かけBLの2人の掛け合いはルナトーにとってご褒美である。
 何時の時代でもお腐れ様は居るのだ。
 そしてルナトーの恋愛対象は同性の女である。
 巫女の癖に色々と業の深い女である。

「じゃぁ今日は同中の食事の仕込みをしますから、明日には獣車に乗りましょう。クロイツ、楽しみですね。いっぱい身になる知識と機材が手に入れば嬉しいですね♫」

「うん、そうだね~」

(ニコニコのフカミちゃん激かわっ!!)

(フカミ君いメロメロなフィルド様激かわっ♡)

 やはりこのメンバーで1番号が深いのは巫女であるルナトーであるようであった。
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