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御使い様が誑しに進化しました
【御使い様は学びたい25】
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さて、と深海は袖を捲り手を洗う。
残念ながらこの厨房に石鹸は無い。
衛生観念が低すぎるのだが、カカンが異様に高いのだ。
この時代の大陸の衛生観念何て、深海が来る前のカカンとそれほど変わりはしない。
まぁ湯で身体を拭いたりする分、昔のカカンよりマシであろうが。
カカンと違って香水が無いので匂いを誤魔化すものが魔道具しかないのだ。
そして魔道具は高い。
庶民に変える値段ではない。
流石に皆自分が臭すぎる穂は嫌なので、定期的には体を拭く。
なので魔道具を持っている貴族より庶民の方が衛生的には綺麗だったりするのだ。
深海たちが泊まる宿は庶民でも手が出る安宿。
魔道具で臭いを誤魔化せ無い分、掃除は割と行き届いている。
洗剤文化はまだないみたいだが。
まぁこれもカカンの貿易のチャンスである。「
カカンには石鹸にシャンプー化粧水に肌用オリーブオイル、それに香水がある。
1度使うと話せられない品がたっぷりあるのだ。
帝国に売り込めば大層な額になるだろう。
今からカグウの高笑いが聞こえてきそうである。
なので深海は石鹸など清潔用品を少し余裕をもって持ってきている。
宿で売り込んだりするためだ。
今のところ宿屋の女将の興味を引いているようである。
旅人である深海たちがあまりに小綺麗なので気になるようだ。
それとなく石鹸の話なんかを振ってみたりしている。
興味はかなりあるらしい。
何せ深海もルナトーもお肌も髪もツヤツヤなのだ。
それに何か良い匂いがする。
女にとっては喉から手が出るほど欲しいものを旅人が持っているのだ。
多少吹っ掛けても売れると深海は確信している。
まぁ後の貿易の事を考えてあまり詐欺まがいな値段で売る気はないのだが。
今も厨房で石鹸を使って手を洗っているのを、他の宿泊者がチラチラと見ている。
手を覆う泡は興味が惹かれるらしい。
「良ければ使いますか?」
深海は営業スマイルで近くに居た同年代の少女に声をかけた。
「え、良いんですか!?」
「これを使うと手が綺麗になるので、料理を作る前にコレで手を洗うお腹を下したりするのも減るんですよ」
「へ~凄いですね」
「それに、良い匂いがするでしょう?」
「ひゃ、ひゃぁい!」
深海が耳に息を吹きかけるように少女に顔を近づけて囁いた。
至近距離の美少年の笑顔と色気のある声。
そんなものを喰らってオチない少女がいるはずも無かった。
少女は石鹸でもこもこと泡立てながら手を洗う。
深海が桶を使い少女の手の泡を流してやる。
「凄い!手の汚れが全部とれてる!それにいい匂い」
「また時間がご一緒した時にはお貸ししますよ」
「は、はぁい、ありがとうございますぅ」
蕩けた笑顔を浮かべ少女はほぅ、と溜息をついた。
年頃の少女がするには色香のある溜息だった。
またしても深海は未知なる土地で少女を誑かした。
このままでは誑しの旅世界制覇をしそうである。
「他の方も使いたかったらどうお声かけて下さいね」
営業スマイルを浮かべる深海に厨房の宿泊客が群がった。
計画通り。
絵顔の裏で深海はこれから宿屋の女将が石鹸の購入の話を持ち掛けて来る日も遅くない、と心の中で悪い笑顔を浮かべるのだった。
残念ながらこの厨房に石鹸は無い。
衛生観念が低すぎるのだが、カカンが異様に高いのだ。
この時代の大陸の衛生観念何て、深海が来る前のカカンとそれほど変わりはしない。
まぁ湯で身体を拭いたりする分、昔のカカンよりマシであろうが。
カカンと違って香水が無いので匂いを誤魔化すものが魔道具しかないのだ。
そして魔道具は高い。
庶民に変える値段ではない。
流石に皆自分が臭すぎる穂は嫌なので、定期的には体を拭く。
なので魔道具を持っている貴族より庶民の方が衛生的には綺麗だったりするのだ。
深海たちが泊まる宿は庶民でも手が出る安宿。
魔道具で臭いを誤魔化せ無い分、掃除は割と行き届いている。
洗剤文化はまだないみたいだが。
まぁこれもカカンの貿易のチャンスである。「
カカンには石鹸にシャンプー化粧水に肌用オリーブオイル、それに香水がある。
1度使うと話せられない品がたっぷりあるのだ。
帝国に売り込めば大層な額になるだろう。
今からカグウの高笑いが聞こえてきそうである。
なので深海は石鹸など清潔用品を少し余裕をもって持ってきている。
宿で売り込んだりするためだ。
今のところ宿屋の女将の興味を引いているようである。
旅人である深海たちがあまりに小綺麗なので気になるようだ。
それとなく石鹸の話なんかを振ってみたりしている。
興味はかなりあるらしい。
何せ深海もルナトーもお肌も髪もツヤツヤなのだ。
それに何か良い匂いがする。
女にとっては喉から手が出るほど欲しいものを旅人が持っているのだ。
多少吹っ掛けても売れると深海は確信している。
まぁ後の貿易の事を考えてあまり詐欺まがいな値段で売る気はないのだが。
今も厨房で石鹸を使って手を洗っているのを、他の宿泊者がチラチラと見ている。
手を覆う泡は興味が惹かれるらしい。
「良ければ使いますか?」
深海は営業スマイルで近くに居た同年代の少女に声をかけた。
「え、良いんですか!?」
「これを使うと手が綺麗になるので、料理を作る前にコレで手を洗うお腹を下したりするのも減るんですよ」
「へ~凄いですね」
「それに、良い匂いがするでしょう?」
「ひゃ、ひゃぁい!」
深海が耳に息を吹きかけるように少女に顔を近づけて囁いた。
至近距離の美少年の笑顔と色気のある声。
そんなものを喰らってオチない少女がいるはずも無かった。
少女は石鹸でもこもこと泡立てながら手を洗う。
深海が桶を使い少女の手の泡を流してやる。
「凄い!手の汚れが全部とれてる!それにいい匂い」
「また時間がご一緒した時にはお貸ししますよ」
「は、はぁい、ありがとうございますぅ」
蕩けた笑顔を浮かべ少女はほぅ、と溜息をついた。
年頃の少女がするには色香のある溜息だった。
またしても深海は未知なる土地で少女を誑かした。
このままでは誑しの旅世界制覇をしそうである。
「他の方も使いたかったらどうお声かけて下さいね」
営業スマイルを浮かべる深海に厨房の宿泊客が群がった。
計画通り。
絵顔の裏で深海はこれから宿屋の女将が石鹸の購入の話を持ち掛けて来る日も遅くない、と心の中で悪い笑顔を浮かべるのだった。
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