聖女として召喚されたのは双子の兄妹でしたー聖女である妹のオマケとされた片割れは国王の小姓となって王都復興を目指しますー

高井繭来

文字の大きさ
上 下
118 / 161
御使い様が誑しに進化しました

【御使い様は学びたい22】

しおりを挟む
「温泉!」

 深海が歓喜の声を上げた。
 そうフィルドが連れて来たのは温泉である。
 本日はルナトーもご一緒だ。
 深海の風呂好きをしっているフィルドは何とかしてお風呂に入らせてあげたかった。
 全くもって健気な子羊ちゃんである。

「前にフカミちゃんが火山のとこには温泉がある、て言ってたから。町の人に聞いたら火山があるって言ってて、傍に動物が入りに来る温泉があるって情報を仕入れたんだ♫」

「でも獣道を通るので人が入りに来ることはないと?」

「ルナトーちゃん正解。でも動物が入れるなら温度は大丈夫でしょ?」

「フィルド様愛してる!」

 ギュム、チュッ♡

「あそ位詰碧@い歌p」オア」@オア」@pち!!」

「あ、フィルド様が壊れた?」

「フカミ君のハグとキスのせいでね」

「唇にはしてないですよ、流石に人目があるし昼何で」

「人目が無くて夜ならするの?」

「フィルド様って何から何まで美味しいんですよね、口の中もなんか甘い気するから貪っちゃいます」

「成程、何もかもが甘い、ね」

 ( ..)φメモメモ。
 ルナトーがメモを取る。
 自嘲をしない腐女子である。
 美少女なのに………。

「でも何で火山の近くに温泉があるの?」

「ソレはですね、
 1. 火山地帯では地中の浅い部分(地下数km~10数km)に、深部から上昇してきたマグマが1,000℃以上の高温になるマグマだまりを作っています。
 2. 雨や雪が地中にしみ込んで地下水になり、マグマだまりの熱で温められます。
 3. この地下水の部分が地表に近ければ、断層などで生じる割れ目などから自噴します。またポンプでくみ上げることで温泉として利用できます。
 と、言う訳です」

「成程ね~でも温泉良いわね♡フカミ君一緒に入りましょうね♡」

「はい、良いで―――」

「待った―――――っ!!」

 深海の言葉をフィルドの絶叫が遮った。

「ルナトーちゃん、フカミちゃん食べる気満々でしょ?」

「フィルド様だって同じじゃないですか?」

「俺は紳士何で女の子襲ったりしません~だ」

「最終的に気持ちイイと言わせたら和姦ですよ♡テクニックには自信あります♡」

「俺だっテクニックには自信がります!オオカミとフカミちゃんを裸の付き合いさせる訳にはいかないですよーだ」

「フィルド様はオオカミじゃないと?」

「自分はオオカミの自覚あるのねルナトーちゃん………」

「獲物が目の前で美味しそうに調理されて(裸体)いるのに手を出さない方が無粋ですよ♡」

「兎に角ルナトーちゃんはフカミちゃんと入ったらダメ!俺だって我慢するんだから!」

「え、と、じゃぁフィルド様とルナトーさんが一緒に入るんですか?」

「「絶対ヤダ!!」」

 見事なはもり具合である。
 同族嫌悪だろうか?

「じゃぁ1人ずつ入って、残り2人は見張りですね」

「異議なし」

「まぁお風呂入れるんならそれでも良いかな?」

「ではお風呂に入る順番を決めましょうか」

 ジャンケン、あみだくじ、何でも決め方はある。
 が、フィルドは深海が入った湯にルナトーを入れたくなかった。
 ルナトーはフィルドの後に入りたくなかった。
 所謂「お父さんの後のお風呂嫌だぁ」な感じだろうか?
 深海は何番目でも良かった。
 結果、長風呂の深海が最後で、ルナトー、フィルド、深海の順番で温泉に浸かる事になったのだった。
しおりを挟む
感想 209

あなたにおすすめの小説

義妹が大事だと優先するので私も義兄を優先する事にしました

さこの
恋愛
婚約者のラウロ様は義妹を優先する。 私との約束なんかなかったかのように… それをやんわり注意すると、君は家族を大事にしないのか?冷たい女だな。と言われました。 そうですか…あなたの目にはそのように映るのですね… 分かりました。それでは私も義兄を優先する事にしますね!大事な家族なので!

【完結】初級魔法しか使えない低ランク冒険者の少年は、今日も依頼を達成して家に帰る。

アノマロカリス
ファンタジー
少年テッドには、両親がいない。 両親は低ランク冒険者で、依頼の途中で魔物に殺されたのだ。 両親の少ない保険でやり繰りしていたが、もう金が尽きかけようとしていた。 テッドには、妹が3人いる。 両親から「妹達を頼む!」…と出掛ける前からいつも約束していた。 このままでは家族が離れ離れになると思ったテッドは、冒険者になって金を稼ぐ道を選んだ。 そんな少年テッドだが、パーティーには加入せずにソロ活動していた。 その理由は、パーティーに参加するとその日に家に帰れなくなるからだ。 両親は、小さいながらも持ち家を持っていてそこに住んでいる。 両親が生きている頃は、父親の部屋と母親の部屋、子供部屋には兄妹4人で暮らしていたが…   両親が死んでからは、父親の部屋はテッドが… 母親の部屋は、長女のリットが、子供部屋には、次女のルットと三女のロットになっている。 今日も依頼をこなして、家に帰るんだ! この少年テッドは…いや、この先は本編で語ろう。 お楽しみくださいね! HOTランキング20位になりました。 皆さん、有り難う御座います。

辺境地で冷笑され蔑まれ続けた少女は、実は土地の守護者たる聖女でした。~彼女に冷遇を向けた街人たちは、彼女が追放された後破滅を辿る~

銀灰
ファンタジー
陸の孤島、辺境の地にて、人々から魔女と噂される、薄汚れた少女があった。 少女レイラに対する冷遇の様は酷く、街中などを歩けば陰口ばかりではなく、石を投げられることさえあった。理由無き冷遇である。 ボロ小屋に住み、いつも変らぬ質素な生活を営み続けるレイラだったが、ある日彼女は、住処であるそのボロ小屋までも、開発という名目の理不尽で奪われることになる。 陸の孤島――レイラがどこにも行けぬことを知っていた街人たちは彼女にただ冷笑を向けたが、レイラはその後、誰にも知られずその地を去ることになる。 その結果――?

【完結】『飯炊き女』と呼ばれている騎士団の寮母ですが、実は最高位の聖女です

葉桜鹿乃
恋愛
ルーシーが『飯炊き女』と、呼ばれてそろそろ3年が経とうとしている。 王宮内に兵舎がある王立騎士団【鷹の爪】の寮母を担っているルーシー。 孤児院の出で、働き口を探してここに配置された事になっているが、実はこの国の最も高貴な存在とされる『金剛の聖女』である。 王宮という国で一番安全な場所で、更には周囲に常に複数人の騎士が控えている場所に、本人と王族、宰相が話し合って所属することになったものの、存在を秘する為に扱いは『飯炊き女』である。 働くのは苦では無いし、顔を隠すための不細工な丸眼鏡にソバカスと眉を太くする化粧、粗末な服。これを襲いに来るような輩は男所帯の騎士団にも居ないし、聖女の力で存在感を常に薄めるようにしている。 何故このような擬態をしているかというと、隣国から聖女を狙って何者かが間者として侵入していると言われているためだ。 隣国は既に瘴気で汚れた土地が多くなり、作物もまともに育たないと聞いて、ルーシーはしばらく隣国に行ってもいいと思っているのだが、長く冷戦状態にある隣国に行かせるのは命が危ないのでは、と躊躇いを見せる国王たちをルーシーは説得する教養もなく……。 そんな折、ある日の月夜に、明日の雨を予見して変装をせずに水汲みをしている時に「見つけた」と言われて振り向いたそこにいたのは、騎士団の中でもルーシーに優しい一人の騎士だった。 ※感想の取り扱いは近況ボードを参照してください。 ※小説家になろう様でも掲載予定です。

聖女が降臨した日が、運命の分かれ目でした

猫乃真鶴
ファンタジー
女神に供物と祈りを捧げ、豊穣を願う祭事の最中、聖女が降臨した。 聖女とは女神の力が顕現した存在。居るだけで豊穣が約束されるのだとそう言われている。 思ってもみない奇跡に一同が驚愕する中、第一王子のロイドだけはただ一人、皆とは違った視線を聖女に向けていた。 彼の婚約者であるレイアだけがそれに気付いた。 それが良いことなのかどうなのか、レイアには分からない。 けれども、なにかが胸の内に燻っている。 聖女が降臨したその日、それが大きくなったのだった。 ※このお話は、小説家になろう様にも掲載しています

【完結】仰る通り、貴方の子ではありません

ユユ
恋愛
辛い悪阻と難産を経て産まれたのは 私に似た待望の男児だった。 なのに認められず、 不貞の濡れ衣を着せられ、 追い出されてしまった。 実家からも勘当され 息子と2人で生きていくことにした。 * 作り話です * 暇つぶしにどうぞ * 4万文字未満 * 完結保証付き * 少し大人表現あり

【完結】あなたに知られたくなかった

ここ
ファンタジー
セレナの幸せな生活はあっという間に消え去った。新しい継母と異母妹によって。 5歳まで令嬢として生きてきたセレナは6歳の今は、小さな手足で必死に下女見習いをしている。もう自分が令嬢だということは忘れていた。 そんなセレナに起きた奇跡とは?

聖女の、その後

六つ花えいこ
ファンタジー
私は五年前、この世界に“召喚”された。

処理中です...