聖女として召喚されたのは双子の兄妹でしたー聖女である妹のオマケとされた片割れは国王の小姓となって王都復興を目指しますー

高井繭来

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御使い様が誑しに進化しました

【御使い様は学びたい16】

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「じゃぁチャッチャと朝ごはん用意しますね」

 そう言って深海は貸出されている厨房のスペースへと向かった。
 残されたのはフィルドとルナトーの2人である。
 深海がアルコールをかけて綺麗に拭いたテーブルを挟んで椅子に腰かけている。
 安宿なので椅子にクッション製など求めてはいけない。
 ずっと座っていたら腰が痛くなりそうである。

「ルナトーちゃん、今日もツヤツヤしてるね……」

「フィルド様はぐったりしていますね」

「原因分かってるでしょー少しは俺の味方もしてよー」

「だってあまりにも魔性の誑し美少年×奥手初恋魔術師長が美味しいもので」

 テヘッ、と可愛くルナトーが舌を出す。
 大変い可愛い。
 毎夜女を囲っている身だが、ルナトーは美少女なのである。
 男装ぐらいでその可愛さは完全に隠せない。

「ルナトーちゃんて自分の見栄え分かった上で利用するよね~………」

「使える物は全部使う主義ですから。フィルド様だってそうだったじゃないですか」

「そう、俺可愛こぶって色々物事進めるの得意だったんだよね…なの今は流されっぱなしだし………」

「まぁフカミ君のフェロモン上仕方ないかと」

「もう限界来そう!このままじゃフカミちゃん襲っちゃうよー俺の方がオオカミさんになっちゃうよー!!」

「私リバもいける体質なんで襲って貰っても構いませんよ?部屋2つ取りましょうか?」

「勢いでエッチしたくない………」

「変わりましたねフィルド様…ガンバレ恋愛童貞☆」

「そこ褒めるところじゃないの!?何故にディスリを入れるの!?」

「リア充爆発しろ、と言うやつです」

「ルナトーちゃん、真面目に相談に乗って?」

「え~まぁ乗りましょうか?簡単ですよ、他所で性欲を晴らせばいいんです」

「もう右手が筋肉質になりそうなくらい自分で晴らしてるんだけど?」

「じゃなくて、ですね。プロの方にがっつり抜いて貰ったらいかがですか?」

「プロ…プロかぁ………」

「ご飯できましたよ~」

「ひゃい!」

「何ですかフィルド様可愛い声出して?」

「俺、可愛くないからね!可愛いのはフカミちゃん!」

「はいはい、じゃぁ食べましょうか」

 ☆本日の朝食☆
 ・パンケーキ
 ・ウィンナー
 ・目玉焼き
 ・サラダ
 ・果実入りミルクプリン

 ワンプレートに綺麗に盛り付けられている。
 特にパンケーキが最高だ。
 ズッシリとしたパンケーキが3枚。
 フワフワでスフレのようだ。
 口に入れるとフワッと溶ける。
 パンケーは、リコッタチーズで焼き上げている。
 横にはピーチとマンゴーを入れたアーモンドミルクプリンが添えられていて、上にはホイップクリームと、マンゴーマカロン。
 勿論こちらも絶品。

「あ~朝から幸せ~毎日食べたい~♪」

「じゃぁコレからはフィルド様の朝食俺が全部作りましょうか?ラキザ様より腕は落ちますが、こんなので良いのなら」

「え、と、毎日俺に朝食作ってくれるの?」

「俺の時間はフィルド様のモノですから。その範囲でやれることなら何でもやりますよ。まぁ死ぬまで飽きずに食べれくれたら嬉しいですね」

「………オネガイシマス」

 フィルドが深海の誑しに屈した瞬間だった。
 完全に「毎朝味噌汁を作ってくれ」コースの告白だったのだが深海は疑問に思っていないらしい。

(うわ~コレは凄い誑しね♡フィルド様が限界来るの分かっちゃうわぁ♡)

(今日の夜でも娼館行ってみようかな…流石に本気で耐えれる自信がない………)

 何となく負い目を感じながら食べる朝食だったが、やっぱりフィルドの舌に合う最高の朝食なのであった。
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