聖女として召喚されたのは双子の兄妹でしたー聖女である妹のオマケとされた片割れは国王の小姓となって王都復興を目指しますー

高井繭来

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オマケは御使い様になりました

【ラッキースケベは呪いですか?4】

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「あーフカミちゃんに会いたいフカミちゃんに会いたいフカミちゃんに会いたいフカミちゃんに会いたいフカミちゃんに会いたいフカミちゃんに会いたいフカミちゃんに会いたいフカミちゃんに会いたいフカミちゃんに会いたいフカミちゃんに会いたいフカミちゃんに会いたいフカミちゃんに会いたいよーーーーーっ!!」

 廊下でフィルドが頭を抱えて叫んでいた。
 見慣れたものなのか、使用人たちはその奇行に変異の目を向けることなく仕事に取り組んでいる。
 フィルドが深海断ちをして1週間。
 そろそろフィルドは限界だった。

 もともとフィルドは深海にべったりだったのだ。

 メニューを開発するときも。
 診療所を作るときも。
 街を周るときも。
 何となくやる事がないときも、深海のラボに籠ってずっと一緒にいた。

 しれが1週間。
 7日も会えてないのだ。
 声位聴きたい。
 でもこっそり見に行ったらブレーキが利かなくなることも、フィルドは自覚していた。

「フィルド様」

「あ~ついに幻聴が……」

「いえ、幻聴じゃなくて本人です」

「そ~ほんにん…本人!?」

「会いに来ちゃいました」

 てへっ、とはにかむ深海が可愛い。
 可愛くてヤバい。
 可愛いしか言葉が出てこない。
 ヤバい。
 フィルドの語彙力が1週間で低下している。

「ラキザ様からフィルド様が忙しいから会っちゃ駄目だ、て言われてたんですけど…どうしても我慢できなくて、その、欲しくて欲しくて堪らなくて………」

 深海が頬を赤らめる。
 可愛い。
 と言うか欲しくて堪らない?
 我慢できない?
 何が?
 いや、ナニかな?

 フィルドの妄想が留まらない。
 都合の良いようにその言葉を解釈してしまう。

「………我慢できないって、ナニが?」

「あの……いち…が」

「え?」

(え、何々何々?いち、ナニ?イチモツですか!?)

「イチゴ…食べたくて仕方ないんです………」

 深海が顔を真っ赤にさせて言った。
 それ、恥ずかしい案件かな?
 想像で浮かれた魔術師長が少し可哀そうと思われる案件であった。

 使用人たちは見ないようにしながらも、憐れんだ表情でフィルドを心の中で元気づけた。

(((((魔術師長ドンマイ!)))))

 フィルドは血の涙を流しそうだったが、やっぱり目の前の1週間ぶりの深海が可愛くて、笑顔を浮かべてやるのだった。
 頬が少し引きつっていたのは勘弁してやって欲しい。
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