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オマケは御使い様になりました
【藪から出た蛇とお茶会事情】
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「うっそ~、フカミ君それフィルド様が可哀想よ~」
桃色の長い髪に赤い瞳、スラリとしたボディラインにそこだけしっかり膨らんだ胸元。
10人居れば10人が振り返るであろう美少女ールナト―が声をあげた。
「そんなに大声を出さなくても…」
本日は男物の制服を着用している深海がもごもご言う。
昨夜、鳴海に同じことを言われただけに大きな声で否定の言葉が出せないのだ。
「でしょ、ルナト―さん!ふーちゃんスカート迄履いてたんだよ!なのに話来たら「男同士でデートは無いだろ?」なんで言うんだもん!自分の性別も忘れちゃってるって問題過ぎですよね!!」
「問題!大問題だわ!フカミ君綺麗な女の子なのに!男同士ならそれはそれで楽しいけど男女の恋バナだって十分美味しいんだから!私に餌を頂戴、もっと餌と燃料投下して!!」
美少女二人に責められて深海はたじたじだ。
いや、1人は男なのだが見かけが美少女なので女に言われている気分になる。
深海自身も自分の性別を忘れていたように、兄の鳴海の性別も忘れがちなのだ。
ルナト―も絶世の美少女だし、男は何歳でも女に詰め寄られると弱いものなのだ。
深海は女だが自意識が男の方に振り切っているので、世の男たちと似た反応になる。
女の恋バナ…巻き込まれたくない………。
だがその恋バナの主要人物の1人が自分である限り、ここから逃げかえることが出来ない。
鳴海にお茶会をルナト―を交えて3人でしようと誘われた時に察するべきであった。
寝不足なのが悪かった。
ちゃんと警戒心が機能しなかったのだ。
主にその恋バナの内容で悩まされて寝不足に陥っていたのだが。
まさかこんなに大きく事がなっていくなんて。
予想外の出来事なのであった。
「フカミ君、女物の服揃えましょう!下着も可愛いの買いましょう!お洒落は下着からよ!!」
「ルナト―さんも一緒に行ってくれたら心強いわ!ふーちゃん可愛い下着1枚も持ってないの!大きな胸なのにスポーツブラしか持ってないんだから!可愛い下着付ければ自分が女だって自覚できるようになるわよね!」
「フカミ君の付ける下着か~やっぱり綺麗系で清楚系が良いわよね~♡」
「ふーちゃん以外に顔が大人っぽいからあんまり可愛い系に走らない方が良いですよね♡」
「あ、でも聖女様はリボンとかフリルがふりふりなのが似合いそう♡」
「ルナト―さんはパステルカラー似合いそうですよね♡」
ここにも性別が行方不明になっている者が居た。
何故ルナト―と鳴海が女物の下着の話題で盛り上がれるのか…。
鳴海も自分の性別を半分忘れているらしい。
流石は深海の双子の兄である。
二卵性だが根っこの部分がよく似ている。
そしてルナト―も鳴海の性別を知っている筈なのに、当たり前のように鳴海を女扱いしている。
本当に性別が行方不明な聖女様と御使い様である。
「明日昼から時間空けますから、フカミ君、聖女様、下着を…買いに行きましょう!!」
「まだふーちゃんの下着姿見せる訳では無いけど、女物の下着、揃えましょう!」
ガッ、と美少女達(1人は見かけだけ)がガッチリと手を握り合った。
どうやら深海を逃がす気は無さそうだ。
女子にとって恋バナほどの美味しい餌はない。
項垂れた深海は、明日の仕事をどう午前中に片付けるか頭を悩ませるのであった。
桃色の長い髪に赤い瞳、スラリとしたボディラインにそこだけしっかり膨らんだ胸元。
10人居れば10人が振り返るであろう美少女ールナト―が声をあげた。
「そんなに大声を出さなくても…」
本日は男物の制服を着用している深海がもごもご言う。
昨夜、鳴海に同じことを言われただけに大きな声で否定の言葉が出せないのだ。
「でしょ、ルナト―さん!ふーちゃんスカート迄履いてたんだよ!なのに話来たら「男同士でデートは無いだろ?」なんで言うんだもん!自分の性別も忘れちゃってるって問題過ぎですよね!!」
「問題!大問題だわ!フカミ君綺麗な女の子なのに!男同士ならそれはそれで楽しいけど男女の恋バナだって十分美味しいんだから!私に餌を頂戴、もっと餌と燃料投下して!!」
美少女二人に責められて深海はたじたじだ。
いや、1人は男なのだが見かけが美少女なので女に言われている気分になる。
深海自身も自分の性別を忘れていたように、兄の鳴海の性別も忘れがちなのだ。
ルナト―も絶世の美少女だし、男は何歳でも女に詰め寄られると弱いものなのだ。
深海は女だが自意識が男の方に振り切っているので、世の男たちと似た反応になる。
女の恋バナ…巻き込まれたくない………。
だがその恋バナの主要人物の1人が自分である限り、ここから逃げかえることが出来ない。
鳴海にお茶会をルナト―を交えて3人でしようと誘われた時に察するべきであった。
寝不足なのが悪かった。
ちゃんと警戒心が機能しなかったのだ。
主にその恋バナの内容で悩まされて寝不足に陥っていたのだが。
まさかこんなに大きく事がなっていくなんて。
予想外の出来事なのであった。
「フカミ君、女物の服揃えましょう!下着も可愛いの買いましょう!お洒落は下着からよ!!」
「ルナト―さんも一緒に行ってくれたら心強いわ!ふーちゃん可愛い下着1枚も持ってないの!大きな胸なのにスポーツブラしか持ってないんだから!可愛い下着付ければ自分が女だって自覚できるようになるわよね!」
「フカミ君の付ける下着か~やっぱり綺麗系で清楚系が良いわよね~♡」
「ふーちゃん以外に顔が大人っぽいからあんまり可愛い系に走らない方が良いですよね♡」
「あ、でも聖女様はリボンとかフリルがふりふりなのが似合いそう♡」
「ルナト―さんはパステルカラー似合いそうですよね♡」
ここにも性別が行方不明になっている者が居た。
何故ルナト―と鳴海が女物の下着の話題で盛り上がれるのか…。
鳴海も自分の性別を半分忘れているらしい。
流石は深海の双子の兄である。
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そしてルナト―も鳴海の性別を知っている筈なのに、当たり前のように鳴海を女扱いしている。
本当に性別が行方不明な聖女様と御使い様である。
「明日昼から時間空けますから、フカミ君、聖女様、下着を…買いに行きましょう!!」
「まだふーちゃんの下着姿見せる訳では無いけど、女物の下着、揃えましょう!」
ガッ、と美少女達(1人は見かけだけ)がガッチリと手を握り合った。
どうやら深海を逃がす気は無さそうだ。
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項垂れた深海は、明日の仕事をどう午前中に片付けるか頭を悩ませるのであった。
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